2019年2月 7日
2018年11月18日
第二句集
2018年3月15日
春たけなわ
2018年2月 4日
立春
2018年2月 1日
新しいお仕事
2018年1月27日
新年明けましておめでとうございます
2015年11月25日
山本健吉評論賞全文掲載!
おはようございます。
本日、「俳句界」12月号が発売しました。
前回ご報告した山本健吉評論賞の受賞作が全文掲載されています!
選考委員の先生方の選評にあらためて嬉しく思うとともに、身の引き締まる思いです。
俳句を「詠む」こととともに大事にしてきた「書く」ことを評価していただけたことは
新たなスタートラインに立たせていただいたような気がしています。
ゆっくり、じっくり、これからも書いていきたいです。
ぜひぜひ、お読みいただきたく!!書店へ足をお運びください♪♪
2015年8月23日
2015年7月16日
2014年9月29日
祝 誕生日♪♪
誕生日のお花を飾りました。
純白のミニ薔薇とチョコレートコスモス。
コスモスはその色だけでなく、咲き初めにカカオの香りがするそうです。
そしてお馴染みの聖ミカエルと。私が心惹かれる天使です。
石造りのこの像はフランスのモンサンミッシェルで2009年に求めたもの。
ミカエルはフランス語でミッシェル。聖ミカエルの山ですから、お土産屋さんが
たくさんのミカエルで溢れかえっていたのを懐かしく思い出します。
その中の一つが今ここに。
一昨年、イタリアはフィレンツェのウフィッツ美術館でダ・ヴィンチの絵を見ました。
美術館から外へ出て、アルノ川沿いを歩き、少し疲れた目を休めました。
水澄むや受胎告知のしづけさに
この句は、そのときふと生まれたものです。秋の澄んだ水と絵の余韻が重なった
のでしょう。あたりの観光客の喧騒も耳に入らないほど、そのときの自分がしんと
した静寂に満たされていたのを思い出します。
写真では見えませんが、ミカエルの上には、ウフィッツで買った聖母子のイコンが
掛けてあります。私はキリスト教徒ではありませんが、キリスト教に限らず、
気に入って掛けている宗教画やそれに関するものにはみなどれも沈静された美が
宿っていて、そこに理由なく惹かれてしまうのです。そこに安らぎを見出せるという
ことはある意味、美という信仰なのかもしれませんね。
さて、今日は誕生日。また新しい出会いを求めて過ごす充実した1年にしたいものです。
聖ミカエル好きの私としては嬉しいことに、今日は聖ミカエルの祝日なのです。
なんだか運命を感じてしまいそうですけれど、なんとなんと、ミカエルだけでなく、
聖ラファエル、聖ガブリエル、と三大天使の祝日とのこと。
なんだかこの日がさらに愛おしくなりそうです。
2014年6月29日
玉藻千号祝賀会
2014年5月25日
近況
2014年4月 3日
夜桜能
一昨日の夜、靖国神社能楽堂で行われる夜桜能を初めて観ました。
毎年4月1日、2日、3日とそれぞれ異なる演目で奉納されている能。
日にちが決まっているためその時々によって桜の頃合は違うのでしょうが、
私の夜桜能デビューは満開をやや過ぎたちょうどよい頃合の花で
大変印象深い良いものとなりました。
2日の演目は舞囃子「三井寺」、狂言「宗八」、能「小鍛冶」でした。
火入れ式から始まり、篝火が花の闇を照らします。
花の風を感じながら能を見ていると、今にいながら時を越えていくような
感覚に陥ります。わたしはなぜだか織田信長が花の宴を催している
情景が目の前の能舞台と重なってきて、その宴の一人となった気分で観ていました。
篝火と桜の華やぎのある野外能であったからこそ、そんな気分になったのでしょうね。
見えないもの見る。つまり見えないものを想像して、自ら補って見る、という省略の美学
が能や狂言にあるところにが面白くて、やっぱり心惹かれますね。
今年はこの世界に心行くまで深入りしようと思っています。
偶然にもわたしの席の斜め前に俳人の上野一孝さんご夫妻がいらしていて、
思わぬところで声をかけられて驚いたりもしました。よい花の夜でした。
花の夜をご一緒していただいた方々に感謝。
2014年4月 1日
はじまり
今日から4月。いろいろなことが始まる月です。
わたしも俳句講座の新学期が始まります。どんな風に展開していけるのか
新しいメンバーも含めて、いい講座をみなさんと一緒に作り上げていければいいなと
思っています。
ここ数日、木々や花々の様子を見たくて近くの馬事公苑に足を運んでいました。
写真は欅の芽吹き。うまく色が撮れませんでしたが黄緑のやさしい色を揺らしていました。
この頃の木々がいちばん好きかもしれません。
桜は七分くらい。風が立ってもまだ散らないくらいの花数でした。これから数日、
一日、一日の変化に敏感にならざるをえない日々が続きますね。
4月の毎日、俳句ウェブマガジン「スピカ」にて俳句をアップしていますので、
ぜひ覗いて見てください。
2014年3月31日
花の宴
桜があちらこちらで目にとまるようになってきました。
よい季節です。
昨日は椿山荘で高柳克弘さんと神野紗希さんの結婚披露宴に
出かけてきました。行きは雨風が吹き荒れて春の嵐でしたが、
会の途中から窓に青空が見え始め、よい日和となりました。
大学時代から知っていて、二人の幸せを遠巻きながら見守っていたので、
晴れて新郎新婦として二人が並んでいる姿を見て、感慨ひとしおでした。
そして「愛する」ということの彼女らしいひたむきな強さを随所に見て、
あらためて人を愛するということの意味を教えてもらったような気がします。
呼んでくれてありがとう。そして本当におめでとうございました。
これからも末永くお幸せにね。
今日はこれから海4月号の発送に行ってきます。
どうぞお楽しみにお待ちください。
2014年3月27日
初桜
昨日、句会へ行く道にある公園で咲き初めた桜に会いました。
そーっと、という感じでどことなく恥じらっているような花でした。今年は花とどんな交感ができるかしら。
人はみななにかにはげみ初桜 深見けん二
何か。そう、人はみな何かに励んで生きているのですね。たとえそれがささやかなことだとしても。
ここ最近の私といえば、もっぱら療養に励んでおりました。もちろん、すっかり休んでしまうことは無理なので、
日々のお仕事をこなしながらの療養でしたが、どうしてーというくらい体が思うようにならなくて、肉体的にも
精神的にも大変。半年の間に4回もヘルペス(しかもかなり重い)を繰り返すなんて、ちょっと尋常じゃありませんよ。
体に負担がかかることはなるべく避けて、大げさでなく、気持ちだけでも前向きに生きよう!と日々を過ごしておりま
したが、その甲斐あってか、ようやく最近になって不調の暗闇から抜けられそうな光が差してきてくれました♪
うるうる。まだまだ過信は禁物ですけれど、季節と相まって涙が出るほどうれしい今です。
最悪な状態の中、迷惑をおかけしつつ書かせていただいたり、参加させていただいたものが出ました。
一つは遠藤若狭男先生の最新句集『旅鞄』の一句鑑賞。KADOKAWAの月刊「俳句」に掲載されています。
何か機会があったら書きたいなと思っていた先生の印象を含めて鑑賞しました。
先生はいくつになってもロマンチストの文学青年。でも、生きていれば人生いろいろなことが起こる。
病に向き合うときでも、その底流は決して失わないところが私は好きです。
もう一つは「結社の未来」をテーマにした若手俳人の座談会記事。文学の森の月刊「俳句界」に掲載されています。
「古志」主宰の大谷弘至さん、「河」副主宰の鎌田俊さん、「鷹」編集長の高柳克弘さん、そして「海編集長」のわたくし。
全員30代の若手ですが、担っているものは若手という甘えは許されないところにいる方たち。(私は心もとないけれど。。。)
昔からそれぞれよく知っているので、それぞれに成長してしまって、当時のあの何も背負うものがなかった自由な時代は
もう戻ってこないんだなあ、などと懐かしんでしまいましたが、こういう場で個々の立場で話しをすることは初めてでしたので、
とてもよい機会を与えてもらったように思います。
心残りはアレルギーでむくんでいる真っ最中だったので写真がいけてないことかな(^^)
それから、「第四回田中裕明賞」特集号がふらんす堂さんから届きました。
津川絵理子さんの『はじまりの樹』が受賞した回です。選考経過や授賞記念句会、授賞式の模様などが掲載されています。
私は授賞式にお祝いに行かせていただいたので、そのお祝いコメントと写真が掲載されています。
ふう、ちょっと長くなりました。合わせてどこかでお読みいただけると嬉しいです。
2014年3月19日
早稲田大学オープンカレッジ新年度募集
散歩の途中で見つけた白蒲公英。
お庭の方が出てきてくれて、少しお話をしました。去年は咲かなかったのだそうです。
今年はきれいに咲いてくれたことも、私が目に留めたことも、うれしそうでした。
早稲田大学オープンカレッジの新学期講座のお知らせ♪
新学期も引き続き、下記の講座を開きます。申し込み受付中です。
【通 年 講 座】
「俳句 鑑賞と実作」 早稲田校 火曜日(変則的) 午後13:00~14:00 全20回
「現代俳句」 八丁堀校 金曜日(変則的) 午後13:00~14:00 全20回
【春 講 座】
「俳句入門―想いを言葉に」 早稲田校 火曜日 午後19:00~20:30 全6回
詳しくはこちら⇒ 「早稲田大学エクステンションセンターHP」をご覧下さい。
お申し込み、お待ちしています♪
2014年3月18日
俳句ワークショップ
犬ふぐりが咲きました。この愛らしさが好きです。
今日は春一番。解き放たれた春が賑やかですね。
昨日は国語科の先生たちを対象にした俳句のワークショップのために
新宿区にある海城学園へ行ってきました。
「春風」の席題で実際に句を詠んでもらい、それらの句をもとにして
季語の使い方や俳句表現について一緒に学びました。
短い時間でしたけれど、俳句表現の面白さ、難しさ、奥深さなど
先生たちにとっての「新しい何か」を少しでも提供することができていたら
いいなあと思います。生徒たちと俳句を楽しむ時間を持ったことのある先生も
いらしたので、この時間を次につながるものとして生徒たちに活かしてもらえたら
嬉しいです。
夜は港区三田にある在日イタリア商工会議所へ中村浩子さんのお話を聞きに。
最近『イタリア郷土料理美味紀行』という素敵な本を小学館から出された方で、
俳句のお友達であり、また私のイタリア旅のよきアドバイザーでもあります。
「イタリア食文化の魅力」というテーマで浩子さんと、もう一方、日本でのイタリア料理
普及に尽力をされている株式会社文流取締役会長の西村暢夫さんのお二人が講師
としてお話されました。
浩子さんはトリノで取材したカメラマンの活動を中心に、イタリアの受刑者を支援する
食の取り組みについて話されました。日本ではなかなか難しい感覚ですが、イタリアでは
受刑者は社会的弱者とみなされているそうです。その弱者と社会をつなげるために
食を介してさまざまな支援プロジェクトをする。最新のイベントは星つきシェフと受刑者たち
が作った料理を刑務所内で一般客が食べるというもので、なんと前売りチケットが
100ユーロ(約14,000円)!!。うーん、行く人いるのかしら。利益は次のプロジェクトに
回すのだそうですが、ちょっとお高いかな。
もちろん、非営利の社会共同組合の取り組みもあって、こちらは日本の受刑者たちが
作った石鹸などが安く売られているのに似ています。あきらかに違ってさすがイタリア
だと思ったのはそのパッケージのデザイン性の高さ。とてもお洒落で刑務所で作られて
いるお菓子やワインだとは思えないほどでした。日本は目立たないように、地味に
なるべく色気をださないように、というのが恐らく受刑者の制作したものとして社会の人に
受け入れられるだろうという方向性ですが、イタリアではむしろその逆。というかそういう
考え自体が恐らくないからなのだろうなあ、と思いました。「バンダ・ビスコッティ」という
受刑者たちが焼いているビスコッティが紹介されていましたが、とってもお洒落で美味しそう
で、思わず買いたい、と思ってしまいましたよ。(どこで買えるのか聞きそびれましたけれど)
日本で同じシステム、プロジェクトが機能するかどうかは別として、イタリアとイタリア料理の
持つ明るさ(向日性)がこうした取り組みを可能にしているのかな、という印象も受けました。
浩子さんが定義づけた「ソーシャル・フード」という弱者と社会をつなげる取り組みが
刑務所に限らず、あらゆるところで機能していくことを期待して、食を楽しみたいですね。
2014年3月 1日
祝宴
三月ですね。立雛を飾りました。先日いただいたもので、
瀬戸・薬師窯の陶雛です。品のよい愛らしさです。
光堂の銘は俳句や芸術に造詣の深かったこの窯の初代の雅号とのこと。
俳句との関わりを思ってこの雛を選んでくれたのかもしれませんね。
ありがたいことです。
高野ムツオ先生の読売文学賞受賞のお祝いの会、とても温かなよい会でした。
錚々たる顔ぶれでしたが、そこにいる全員が高野さんの句集が受賞して
本当によかった、うれしい、という思いに溢れているのが末席にいる私にも
充分すぎるほど伝わってきて、胸がいっぱいになりました。
初めてお目にかかった先生は、実はとてもチャーミングで、私の母と同世代なのですが、
親世代という感じではなく、一人の男性としてとても魅力的な方だなあと
たちまちファンになってしまいました。温かい声をかけていただけたので、もうそれだけで
充分です。元気をもらいました。
そう、ここ最近体調を崩してばかりいたので、祝宴で会った俳句のお姉さま方から
たくさん心配をしてもらい、無理をしないアドバイスをもらい、それもまた気持ちに
エンジンがかかるきっかけにもなりました。三月中に身体を立て直して、
四月から万全な状態で動けるように準備したいと思います。
2014年2月24日
2014年2月22日
「俳句界」座談会
市ヶ谷のホテルへ「俳句界」の座談会に行ってきました。
雪予報が出ていたのでまた大雪が降ったらどうしよう。。と思って心配していたのですが
予報が外れて一安心でした。
集まったのは「古志」主宰の大谷弘至さん、「鷹」編集長の高柳克弘さん、
「河」副主宰の鎌田俊さん、そして「海」編集長のわたくし。
全員が三十代。若くして結社の重要なポストに就いていているという立場から、
結社と俳句の今と未来について語るという大きなテーマのもと、普段はなかなか
話すことのない内容で、それぞれの思いを聞くことができました。
十代や二十代から互いに知り合いであったり、ともに句座を囲んで来ている句友なので、
その頃を振り返ると、何とも感慨深い思いがありました。個々に俳句に向きあう揺るぎない
信念があって、彼らがまぎれもなくこれからの俳壇を引っ張っていくんだなあという
思いを強くしました。どんな立場、状況になっても、初心を失わず、純粋に俳句を愛して
いけることが出来たら、と私も思います。元来スロースターターな私ですが、彼らに遅れず
自分の道を進んで行こう、と心に誓いました。
あっという間の時間でしたので、話し足りないこともあって内容が心配でしたが、
林編集長や副編の松本さんいわく、とても良かったそうです。
記事は4月号かな。また詳細わかりましたら、告知しますね。
2014年2月14日
2014年2月 8日
春の雪
東京は春の大雪です。今日は全国的にも雪のようですね。
都心の大雪は13年ぶりとニュースから流れてきます。
これから夜にかけてさらに降り積るのでしょうか。
〈投げるでもなくて礫に春の雪〉と詠んだのが5年前。
翌年の春、この作品を含む30句「春の雪」で「俳句研究競作」の第一席を
いただきました。その時の選者が高野ムツオ先生。
受賞の連絡を受けた時は信じられない思いでいっぱいでしたし、何より、
高野先生に選んでいただいたということが嬉しかったのを思い出します。
その先生が昨年末に出された句集『萬の翅』で読売文学賞を受賞されました。
万の翅見えてくるなり虫の闇
詩の神を露一粒となって待つ
人呑みし泥の光や蘆の角
瓦礫みな人間のもの冬すみれ
句集が手元に届いたときに、心に留めている数々の句にあらためて出会い、
胸が熱くなりました。詩人の根底にある「もののいのち」に向きあう思いが鋭くも静かに
言葉という形をもって立ち現れています。
昨日、たまたま電話で版元の編集者の方とお話をして喜びを共有したのでしたが、
この句集の良さを「山が三つある」ことだと話されていました。
その三つの山とは、師との別れ、闘病、震災。一山越えてまた一山、というように
それらを乗り越えながら「今」と向き合い、詠むことによって「今」を確かめようとするところ
に私も魅かれています。「生きてある今、この瞬間を刻む渾身の496句」と帯に書かれて
いますが、「刻む」というところがまさしく「俳句」だな、と。この「刻む」力強さを私も先生の
俳句から学びたいと思います。
立春から新しい絵を飾りました。
北村範史さんの作品。紫のヒヤシンスです。
昨年の夏に買い求めた大好きな作品を、約半年待ってようやく飾ることが出来ました。
春はここに。今日は外出せずに、お部屋で春を楽しみたいと思います。
2014年1月21日
2014年1月 3日
2013年12月28日
2013年12月 6日
ウンブリアへ ―旅の四日目―
四日目の朝、ローマは小雨。混雑しているバスを2台見送り、ようやくテルミニ駅へ
向かうバスに乗り混む。雨滴で曇った車窓。外の景色を見るともなく見ていたら、
曇りを拭うように少年が指で窓に文字を書きはじめた。
Ti Amo
イタリア語で愛してる、という言葉。その文字をハートで囲うと携帯で写真を
撮って、ささっと掌で消した。きっと彼女にメールで送るのだろう。ちょっとキザだけど
愛らしい。立派なイタリア男に成長しそうだ。
テルミニ駅に着く。ここから電車でウンブリアへ。
時間もまだ余裕があるしホームも確認したし、とすっかり安心していた私だったが、
ここでこの旅最大のパニックに陥ることに。念入りの確認が仇になって急なホームの
変更に対応できず、予定の電車に乗り遅れてしまったのだ。まずは到着時間に合わせて
迎えに来てくれるpapaにそのことを伝えなくては。。。。。
携帯の充電がもうすぐ切れそうで、焦る気持に追い討ちをかける。
何とか次の電車で向かうことだけは告げたものの、乗るべき電車に自信がない。
なにせ電車自体にどこ行きなのかの表示がどこにもないのだから、本当にこれでいいのか
ちっとも安心できないのだ。ホームにすでに到着しているそれらしき電車はまだがらんと
していて誰もいない。とりあえず乗り込んで人が来るのを待ってみよう。
ずいぶん待って、ようやく一人、修道女が乗ってきた。「この電車はペルージャ行きですか」
とすかさず尋ねる。「そうよ」と短く答えて微笑んでくれたその顔にようやく安堵して座席に
深く腰をおろした。とりあえずこれで少し気が抜けそうだ。出発したら車窓から目を放さず、
駅を降り過さないようにしよう。
車窓に下車駅のNALNIの文字が見えた。テルミニ駅からほんの一時間くらいの距離なのに
精神的な疲労の上に、出発が遅れたり、車両トラブルで止まったりということもあって、
長旅の果てにようやく辿り着いたような気持でホームに降り立った。遠くにpapaの姿が
見えている。安心して緊張の糸が切れたせいか、ちょっと泣きそうになる。言葉にならない
思いに表情が崩れる私の顔を見て、「子供みたいだね」とpapaは温かく笑っていた。
2013年11月20日
ローマ三日目
ローマ三日目。予定では朝、ローマからウンブリアへ移動するはずだったが、急遽滞在を一日
延ばすことにした。きっかけは、昨夜のオペラ座の帰りに偶然、ローマで行われる文楽公演の
ポスターを見つけたことにある。演目は「曽根崎心中」。ちょうど翌日、翌々日の二日間、滞在して
いた家からほんの数歩のところにあるアルジェンティーナ劇場で行われるものだった。文楽はまだ
見たことがないという話をしたからかもしれないが、その日の夜に部屋に入ってきたpapàが
「せっかくだから明日の夜、文楽を見て、次の日にウンブリアに来たらいい」と言うのだ。自分は
一足先にウンブリアへ帰ると言う。突然の提案にすぐに答えを出すことが出来なくて、少し考える。
文楽を見ることを迷ったわけではない。文楽は見たいし、しかも歴史ある劇場に入れるというのも
魅力だったけれど、私の頭の中は、その翌日に一人でウンブリアへ向かわなければいけないという
予期せぬ不安にとらわれていて、即座に首を縦に振ることが出来なかった。一人での街歩きなんて、
どうということはない。大きなスーツケースを持ちながら、一人で長距離の電車移動をすることこそ、
私の一番避けたかったことだったというのに。。。papàと一緒に移動出来る!とすっかり安心しきって
いた私がこの提案をありがたく受け入れるためには、一人で行けるために必要な情報を仕入れる
アンテナを立て直さなければいけなかった。
朝、ローマに残ることを告げて、papàを見送るために一緒にテルミニ駅へと向かう。
翌日のために、列車の出るホームや切符の刻印場所など不安なことはすべて確認して、
何とかなりそうな気になる。うん、なんとか頑張ってみよう。
少し不安から解消されて、テルミニ駅からひとり、家へと帰るためのバスに乗り込んだ。
劇場のチケットオフィスが開くまでに、まだ間がある。せっかく出来たローマでの時間。少し街を歩く。
写真は左からサンタンジェロ城、屋上からの眺め、ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世記念堂。
劇場の角を曲がり、大通りを5分くらい歩くとサンタンジェロ城が見えてくる。ローマ皇帝ハドリアヌスが
自身の霊廟として創らせたもの。プッチーニのオペラ「トスカ」でカヴァラドッシが囚われていた牢屋だ。
記念堂はイタリア統一の象徴。ヴェネチア広場の正面に聳えるかのような巨大な白亜の建造物。
中央には祖国に尽くした戦士の祭壇が置かれていて、その傍らを二人の衛兵が雨の日も雪の日も、
その祭壇を守って立ち尽くしているという。
2013年11月13日
Teatro dell'opera a Roma
夜はローマのオペラ座へ。家に戻って服を着替え、タクシーに乗って劇場へ向かう。
タクシーを降りると、劇場の前にたくさんの人。しかも若者が目立つ。
この日の演目はバレエの「コッペリア」。この舞台に立つことを夢みるバレエダンサーたちが
たくさん見に来ているのだ。みんなとても美しくて、ため息が出る。
劇場内も目を瞠るほどの美しさ。ボックス席の明かりと天井に描かれた絵が夢の中に
紛れ込んだような気分にさせてくれる。私は舞台正面のボックス席で鑑賞。
途中、昼の疲れのせいか少し眠くなりもしたが、ソリストの踊りの巧さに感心したり、
コミカルな動きに笑ったり、いい夜のひとときを過ごすことができた。
バレエの後はタクシーで戻って、家の近くで軽めの夕食。スカンピ(手長海老)のリゾットを食べる。
それからナヴォーナ広場へ夜の散歩に。ライトアップされた噴水が賑わいの中で幻想的な光を放っていた。
2013年11月 8日
ローマ二日目
ローマ、二日目。昼過ぎにふたたび家を出ると朝の肌寒さが嘘のように暑い。
日が高くなって、日差しが強くなったからだろう。上着を脱いで、サングラスを掛ける。
13時、車で迎えに来てくれていたクリスと合流して、出発。仕事へ行くまでの時間を
一緒に過ごしてくれるらしい。ジャニコロの丘の松や遺跡を車窓に眺めながら、
車は一路、食のショッピングセンター「EATLY」へ。
一階から四階まですべて食材や料理本、調理器具などの食べることに関するものだけが
集まっていて、その規模の大きさと種類の多さにさすが食のイタリアだな、と感心すること
しきり。パスタ、プロシュート、パンチェッタ、魚、野菜、茸、オリーブオイル、トリュフ、
チョコレート、ジェラートなどなど、とっておきを集めた専門店が一度に巡れるという感じだ。
それぞれにイートインスペースがあって、新鮮な食材をその場で食べることが出来る。
papàはクリスが薦める新しいパスタの本を、私はアスパラガスと茸のリゾットの素と
チョコレートを買った。オリーブオイルは帰りのスーツケースが重くなるのであきらめた。
仕事に向かうというクリスとわかれて、私とpapàはお昼を食べるところを決めるために、
もう一度各ブースを巡る。どれもおいしそうで迷ってしまうが、最終的に選んだのがトリュフ。
イタリアではtartufo(タルトゥフォ)と言う。季節的には茸もいいけれど、せっかくなら。。。
とやはり普段は食べられないものに目がいってしまった。
そして、白トリュフのパスタ。まさにトリュフの魅力のみで味わうというシンプルさで、
この一皿で、4千円ちょっと(だったと思う)という贅沢なお昼。私は初めて食べたので、
美味しいけれどまだ良さが分からない白トリュフデビューという感じ。
食べなれた?papàはまあまあだね、と言う。いいものはもっと香りが良いらしい。
お店の元気なお姉さんが「tutto bene?」(美味しかった?)と自慢げに聞きにくる。
それには二人とも笑顔で「bene! grazie」(美味しかったよ、ありがとう)と答えた。
2013年11月 6日
buonasera e buongiorno
二、三時間眠っただろうか。目が覚めて部屋を出ると、ちょうど夕食の時間に。
あまり食欲はなかったけれど、中庭で一緒に食事をいただく。頭も体もまだ時
の流れについていけない。眠たさの中で食べた食後のジェラートが体に染みる
ようだった。
二日目、朝。空気がひやりとしていて、少し肌寒い。朝食を食べに行こう、と
言われてpapàと出かける。まだこの街の右も左もよく分からない私は
子供みたいに後を付いていく。通りへ出て少し歩くとcampo di fiori。
近くにあるカフェに入る。朝食はエスプレッソとコルネット(甘いクロワッサン)。
それからシリアル入りのヨーグルトを食べる。途中、papàの友達が合流。
彼女はオーストラリア人。ことの流れがよくわからないまま、出会いを楽しむ。
カフェを出て、三人で朝の街を歩く。彼女は食や建物の装飾に詳しい。
歩いていると、見覚えのある景色が目の前に開けた。すぐに壁にある表示をさがす。
間違いない。Via Giuliaだ。イタリアはすべての道に名前がついている。それがどんなに
小さな道でも。その名を知りたければ壁の表示を見ればいい。
「ローマの街には歩くだけで映画を見るように愉しかったり、感心したりする道が数えきれ
ないほどある。たとえばテヴェレ河に平行したヴィア・ジュリア。(中略)平坦でひたすら
まっすぐな道路にすぎない。それでいて、どこまでも歩いて行きたくなるような怪しい魅力
がある。歩いてみると、それほど長くない道で、三百メートルほど先で湾曲するテヴェレ河
に突き当たって、消滅していた」(「ふるえる手」須賀敦子著)
須賀敦子の書いたこの道をいつか歩いてみたいと思っていた。とくべつ探すでもなく出会え
たこの幸運が嬉しい。見覚えがあったのは、アーチから垂れ下がる蔦の姿が印象的だから
だろう。この風景は写真でいくたびも見てきた。須賀敦子が書いたように、アーチの先を少し
ゆくと道は途切れて、テヴェレ河に沿う道へ突き当たる。街路樹のプラタナス越しに、
サンタンジェロ城やサンピエトロ大聖堂のクーポラが見える。プラタナスはたくさんの実を
つけていた。一度、家に戻って、彼女とはまたお昼に会うことに。夜はオペラ座でバレエ
を観ることになっている。
2013年11月 3日
ローマ 旅の一日目
旅はここから。
午後3時、ローマ・フィウミチーノ空港に到着。日差しが強いけれど、乾いた風が心地いい。
迎えに来てくれていたイタリア人の友人(papà italiano)と一緒に彼の友達の家へまずは向かう。
ローマの中心地、とても贅沢なところにあるこの家に、ローマに滞在中お世話になることに。
そのお友達はフランス人だが流暢なイタリア語を話す。去年イタリアを旅した時、少しだけ
立ち寄ってお茶をいただいたお家。素晴らしく素敵で、私に強烈な印象を残した場所に
また帰ってくることができて嬉しい。その時は彼女にしか会わなかったけれど、今回の滞在で、
イタリア人のご主人がいることがわかった。中庭から見える教会のクーポラや煉瓦を這う蔦、
聞こえてくるくらしの声。旅人の私にローマの日常にすとんと入り込んだ気分を味あわせて
くれる。日本との時差は7時間。夕食まで少し、部屋で眠りについた。
2013年11月 2日
ふたたびのイタリアへ
誕生日から長らくご無沙汰してしまいました。
10月の初めに十日間ほどイタリアを訪ねてきました。
今回はAssisiに行こう、ということだけは決めていたのですが、
出発の直前まで中身は未定というようなのんびりしたもので、
とにもかくにも一つ歳を重ねたその始まりに、イタリアの地を
再び踏みたかったのです。
写真は聖地Assisiの聖フランチェスコ教会。聖フランチェスコの死後に
建てられた教会で、中にジョットが描いた彼の布教の様を描いた壁画が
あります。この絵を静かに見たい、というのが私の長年の夢でした。
その出会いには感動しましたが、静かに。。。という願いは叶わず、後から後から
押し寄せてくる人の流れに押し出されるように慌ただしく見ることになりました。
数日前にローマ法王フランチェスコが訪れたということもあり、特別に賑わって
いたようです。次は人の少ない季節に(冬かしら)静かに訪れたいな、と。
かわいらしいホテルもたくさんあるので、泊まってゆっくりまわるのもおすすめですよ。
今日から少しだけ、イタリア滞在の様子を載せていきますね。
2013年9月29日
2013年8月29日
軽井沢、そして盛岡へ
立秋が過ぎ、処暑が過ぎ、刻々と秋は移ろいでいます。
もう暑さの中に厳しさは感じられませんね。
昨日は軽井沢へちょっと足をのばしてみました。
こちらはやはり東京に比べると爽やかです。
せわしなさがまったく感じられなく、かつ長閑とは違う
ここならではの空気がさすがです。
池のほとりには薄、黄菅、秋薊、空には秋燕。
風はもうすっかり秋風です。
軽井沢は大賀ホールへ。
バリトンのリサイタルを聴きに行きました。
大山大輔さんという若いバリトン歌手の方で、
各方面からとても注目されている方です。
歌声も人物もとても素敵で、ぞんぶんに堪能してきました。
イタリア語を学び始めてからオペラにもまた興味を持ち始めたので、
耳も肥えていけるように他にもいろいろと聴いてみたいですね。
あっ、今の歌詞わかった!というささやかな成長の喜びを感じつつ、
すばらしい歌声に感動をいただいたひとときでした。
軽井沢でのんびり、とも思いましたが、やるべき準備を考えて
東京へ戻ってきました。
さて、気持ちを切り替えて9月号の発送準備にかかりますよ。
そして明後日は盛岡へ。
9月1日にある「樹氷」三十五周年記念祝賀会で人生初講演をしてきます。
うーん、大丈夫か私。これはもう、なんとかするしかないですね。
そしてありがたきこと。しっかり頑張ってきたいと思います!!
2013年8月 6日
句会イベントいたします!
中央区月島で行われる「第5回 あいおい古本まつり」にて
句会イベントをいたします。
私も初めてのイベント参加ですので、どうなることかと少しどきどき、はらはら。
ぜひ、遊びにいらして下さい!!
8月24日(土) あいおい句会 (☆一日だけのイベントです)
13:00~15:00 参加費1000円
俳句を作ったことのない人でも、初心者の方も大歓迎!メールで投句(投稿)と選句を
していただき、参加する形式です。イベント詳細はブログにてご確認ください。
☆「あいおい句会」当日までの流れ
1. メールにて参加申し込み(8/14締切)
2. 参加申し込みをしたうえで、8/17までにメールにて投句
(1句は本、読書に関係のある句、もう1句は自由題で2句投句)
3. 投句締切後、投句された句をまとめて参加者にメールでお送りします。
気にいった俳句を選び(特選1句・並選2句)8/22までに返送してください。
4.当日(8/24)句会に参加する
詳細はこちら↓
お待ちいたしております♪♪
2013年7月19日
2013年7月 6日
7月15日に向けて
渾身のひと色残る海の虹 由季
梅雨最中の重たい風が吹いています。
梅雨明けのからっとした陽気が待ち遠しくもありつつ、
本格的な暑さの到来にはちょっと怯む思いです。
さて、7月15日は海の日で祝日。
そして「海」俳句会の三十周年記念祝賀会の日です。
ただいま、着々と祝賀会の準備に邁進中。
運営委員のみなさま、いろいろとご苦労様ですが、
あともう少し、頑張っていきましょう!
私は祝賀会の司会をつとめます。
華やかな会を楽しんでいただけるよう、頑張りますね。
三十周年記念号の評判、上々です。
私の至らなさで、ところどころやらかしておりますが、
全体としては良い出来になっているのではと思います。
特に主宰インタビュー記事は反応がとてもよく、あらためて、
この企画を立ててよかったなと思っています。
また、感想などありましたらお寄せください。
2013年7月 2日
みちのくの
海霧深し寄せて返らぬ波の音 由季
八戸の淋代海岸へ行ってきました。
みちのくの淋代の浜若布寄す 山口青邨
この句のイメージと「さびしろ」という音の響きが哀しくて、
ずっと行ってみたかった場所でした。
実際には若布が浜に寄せることはなく、この句は青邨が「若布」という
題で詠んだ句だそうです。
やませが吹いて、海岸には海霧(じり)がたちこめていました。
空と海の境目が海霧に紛れて、霧の中から波があらわれては
寄せてくる光景を、言葉もなくただ立ち尽くして見ていましたが、
この幻想的な海の景色はこれからもずっと、私の心の中に
静かに在りつづけそうです。
海岸へ向かう途中に、村上護先生の訃報を受けました。
先生とは二十代の終りの頃、岐阜の根尾谷の淡墨桜を見に行く旅を
ともにさせていただいたことがありました。
樹齢1500年の桜を見にいく旅でした。お酒がお好きで、夜桜を見ながら
美味しそうにお酒を飲まれていた先生の姿が目に浮かんできます。
少し前に横浜の祝賀会でお会いできたのが最期になってしまいました。
また一人、俳句の世界に大切な人を失いました。
先生のご冥福をお祈りいたします。
2013年6月29日
2013年6月12日
コミュニケーション授業
海城中学校のコミュニケーション授業にお声かけいただき、行ってきました。
俳人として、中学生のインタビューに答えるというもので、今回で二回目になります。
私のほかにも、いろいろな職業をしている大人を対象としていて、
学校OBはじめ、マジシャン、カメラマン、学校カウンセラーなど、
大人の私でも興味深い職業の方とご一緒しました。
中学二年生のかわいい男子に囲まれて、初々しいひとときを
楽しんだわたくしでしたが、最後の質問で
「俳句をしていて幸せですか?」
と聞かれました。
俳句をしていて「よかったこと」「楽しいこと」「充実していること」「辛いこと」など
は今まで聞かれることはあったように思いますが、この「幸せですか?」という
言葉がストレートでとても胸に響きました。
私は迷わず「幸せですよ」と答えました。そして
「俳句をしていると、今を生きているということを強く思います。
意識しないと日常はなんとなく流れていく。繰り返しのように思える日々も
本当は同じ日なんて一日としてないように、同じ季節もない。その日々を季節とともに
俳句に詠みとめていくことは、今を生きているという感じが強くする。だから幸せ」と。
くだらない話もたくさんしましたが、彼らが私と話しをしたことで、少しでも「今」の時間を
愛おしく感じてもらえたらいいな、そして本を読む目をあげて、時折、青葉の美しさや
風の音に心を通わせるような人になってもらえたらいいな、と思っています。
2013年6月 5日
2013年5月 5日
立夏
今日から夏。
五月に入ってから不安定だった気候も一転、
夏のはじまりにふさわしい軽やかな風が吹いている。
風の芯に冷たさが微塵もない。
近くの松陰神社まで歩いてきた。
木々は新緑を過ぎて、若葉、青葉といったよそおい。
今年は木々も花々も少し先を急ぎたいようだ。
風が葉ずれに、葉ずれが風に。
しだいに体が風になってゆくのを感じる。
かぜとなりたや
はつなつのかぜとなりたや
かのひとのまへにはだかり
かのひとのうしろよりふく
はつなつの はつなつの
かぜとなりたや
―「初夏の風」川上澄生―
風となるなら、はつなつの風がいい。
2013年4月16日
春暑し
昨日はよい天気でしたね。
「海」同人総会のため、精養軒に行っていました。
無事終わって安堵。
みなさま、お疲れ様でした。
まだ先のように思っていた「海」30周年記念大会ですが、
いよいよ直前に迫ってきたという感じです。
きたる7月15日を万全の態勢で臨めるように、
頑張っていきましょう。体調管理も万全に。
特別記念号の編集作業にもとりかからなければ。
あれやこれやとやるべきことが山積で、気持ちばかりが急いていますが、
一つ一つ、みなさまのサポートのもと、頑張っていきたいと思います!
2013年4月12日
早稲田大学オープンカレッジ春講座始まりました♪
今週火曜日から早稲田大学オープンカレッジの新学期が始まりました。
昼間の一コマは「俳句―鑑賞と実作」。こちらは通年講座なので
これから一年間の長期講座です。
夜間の一コマは「俳句入門―句会の楽しみ」。こちらは全6回の短期講座で
初めて開設した新規講座。夏休みをはさんで、秋から全6回の講座開設も決定しています。
通年講座は八割継続二割が新規。昨年より受講生の数が増えました。
昨年、急遽受け持つことになったこの講座。一年走り抜けてきて、どれほどのものを
提示することが出来たか不安でしたが、ほとんどの方が継続して二年目を受講して
くださったので、そのことが私にとっては何よりの大きな励みです。
短期講座は大垣から来ているという方がいて驚きましたが、そんな出会いがあるのも
嬉しいかぎりです。
試行錯誤の日々がまた続きますが、受講生のみなさまとともに、俳句を楽しみながら、
深く、新しく、学んでいきたいと思っています。
26日は八丁堀校「現代俳句」の新学期初日。
こちらは3年目に入るので、受講生との繋がりも強くなりつつあり
私にとってはホームのような居心地の良さですが、
こちらも新規受講者が入っていますので、また新たな出会いが楽しみです。
2013年3月20日
春から俳句
桜が咲きはじめました。
ここのところの急な暖かさで、桜も少し気が急いているようです。
あっという間に満開になるんでしょうね。
白梅、紅梅、はくれん、ヒヤシンス、チューリップ。。。。
春の木の花、草の花はどれも心を躍らせますが、
桜が咲き始めると、やはり桜は特別な花だなと思います。
咲き始めた花の中を、ひとひら、ふたひらと風に花片が流れていく
姿は、桜の他には見ることができない美しさです。
今年はどんな桜の句が生まれるやら。
一つ一つの感動を見逃さずに句に詠んでいけたらと思っているところです。
さて、春から俳句。
池袋コミュニティカレッジで初心者を対象にした俳句講座が始まります。
―句会で学ぶ詠む楽しみ、読む楽しみ―
日常のささやかな感動を俳句という言葉のファインダーで切り取ってみませんか?
詳しくは池袋コミュニティカレッジのHPをご覧ください。
一緒に俳句を楽しみましょう。ご参加、お待ちいたしております。
2013年3月11日
黙祷
今日、3月11日で大震災から二年が経つ。
窓から外を眺めると、空は雲ひとつなく明るくて、
草木を揺らす風がきらきらと光を返していく。
あの日も確かこんな陽気だった。
今、の時間の先は分からない。本当に、分からないんだなと思う。
テレビから流れてくる映像や言葉を、胸を詰まらせながら見ている。
大切な人を亡くした悲しみは癒えるにはほど遠い。
今日という日を思うことで、その悲しみや後悔はもっと強くなって
いるのではないだろうか。
時間は悲しみを癒してくれるというし、その通りだと思うけれど、
時間とともに薄れゆく何かを忘れまいとする心が、自分を苦しめ続けてしまうこともある。
それでもいつかは春風に心が軽くなる時がきっと来る。それを拒まずに受け止めて欲しい。
大きな悲しみに出遭った時、私もそうありたいと思う。
2013年3月 1日
春一番
春一番が吹きましたね。
何やらよからぬものも運んできていそうですが、
ともあれ、本格的な春の到来へ大きく近づきました。
さて、4月から始まる俳句講座のご案内です♪
今まで俳句に縁がなかった方も、興味がありながら先延ばしにしていた方も、
春から一歩踏み出してみませんか? 俳句のある日常を一緒に楽しみましょう!!
講座内容の詳細は各HPをご覧ください。
【新規開設講座】
池袋コミュニティカレッジ (クリックするとHPに移動します)
☆申込受付中☆ 随時申し込み可能
◆日下野由季のやさしい俳句入門 ―句会で学ぶ詠む楽しみ・読む楽しみ
第2水曜日 19:00~21:00 4/10から全6回
早稲田大学オープンカレッジ 早稲田校 (クリックするとHPに移動します)
☆3月11日より申込受付開始☆ 途中受講不可
◆俳句入門 ―句会の楽しみ―
火曜日 (4月9、23 5月7、21 6月4、18) 全6回 19:15~21:00
【通常講座】
早稲田大学オープンカレッジ 早稲田校 (クリックするとHPに移動します)
☆3月11日より申込開始☆ 途中受講不可 【残席わずか】
◆俳句―鑑賞と実作―
第1・3火曜日(一部変則) 13:00~14:30 全20回
早稲田大学オープンカレッジ 八丁堀校 (クリックするとHPに移動します)
☆3月11日より申込開始☆ 途中受講不可 【残席わずか】
◆現代俳句―鑑賞と実作―
第2・4金曜日(一部変則) 13:00~14:30 全20回
2013年2月 7日
祝 婚
立 春 や そ の 名 を 書 き て 結 ば る る 由季
春ですね。
おめでたい話題が飛び込んできました。
俳人仲間で、大活躍中の神野紗希ちゃんが晴れて結婚されました♪♪
紗希ちゃん、あらためておめでとう♪
俳句王国の司会などでおなじみの方もたくさんいることでしょう。
紗希ちゃんファンは複雑な胸の内かしら。
なんでも立春に婚姻届けを出したそうで、何ともおめでたい春ですね。
一昨日顔を出した蜂谷一人さんの個展のオープニングパーティーで
新婚早々のお二人に会えて、なんだか顔がにやけてしまいました。
私もとっても嬉しいし、これからの二人の未来を陰ながら応援しています。
旦那さんともども、公私ともにこれからも仲良くしてください。
紗希ちゃんのはじけるような笑顔があれば、未来はいつでもあなたの味方ですよ。
2013年2月 1日
新講座のお知らせ♪
4月から都内2か所で俳句の新講座を開くことになりましたので
お知らせいたします。
昼間は仕事で。。。。という方にも出ていただけるように
今回、どちらも初めての夜講座にしています。
今日は講座案内が公開された早稲田大学エクステンションセンター
の講座をご案内します♪
☆俳句入門ー句会の楽しみー
日時 火曜日 19:15~20:45
全6回 4月9、23/5月7、21/6月4、18
池袋コミュニティカレッジのご案内はまた後日。
今までご縁のなかった方々と俳句を通しての出会いを
楽しみに、春を待ちたいと思っています。
ぜひ、この機会にいらしてみてください♪♪
2013年1月29日
2013年1月28日
インフルエンザ明け
東京に二度目の雪が降りました。
とはいえ、世田谷辺りはひらりともせず、
朝から雲一つない冬の青空が広がっています。
先週、風邪かなと思い軽い気持ちで診察を受けたら
インフルエンザの診断をいただいてしまいました。
今まで一度も罹ったことがなかったのに。。。。
自分は大丈夫だわと思っていた過信が崩れ落ちました。
これも厄年のせいでしょうか。
でもこのくらいの厄で済めば御の字。
それに大厄の今年はなんやかやときっとあるだろうから、
厄に負けない強さを持てるよう、どうぞお守りください!
と厄除祈願に行った松陰神社でお願いしたのでした。
しかし講座のみなさまにはご迷惑をおかけいたしました。
補講日は改めて事務所と相談の上、お知らせいたします。
2013年1月14日
2013年1月 6日
2012年12月21日
2012年11月14日
2012年10月25日
2012年10月 3日
新しくなります
今朝はずいぶんと涼しいなあと思っていたら、雨が降ってきましたね。
秋の雨という感じ。
うれしいお知らせ。
誕生日のお祝いに、イラストレーターのあずみ虫さんがトップ画像を作ってくださいました。
先日個展へも伺ってきましたが、挿画や装丁、映像など、多方面で活躍されている方です。
独特な雰囲気を持った愛らしい作品が私も大好きです。
詳細はこちらをどうぞ あずみ虫のブリキ箱
私のイメージで作ってくださったという作品、とてもかわいくてステキです。
近日中に画像が変わりますので、どうぞお楽しみに~♪
さて、残念ながら私はその画像がアップされる前にイタリアへと旅立ちます。
いい旅になることを祈って。
A presto!
Yuki
2012年9月24日
2012年9月21日
ようやく秋?
爽やかな秋、にはまだ程遠い毎日が続いていますが、
みなさまお変わりありませんか?
暑い、暑いといいながらも今日あたりから少し風が軽くなったような気がします。
先日はまだ夏を感じる日差しの中、上野の東京都美術館へ「マウリッツハイス美術館展」
を見に行きました。平日でしたのですぐ見られるかと思ったのですが、甘かったですね。
チケットを買うのに20分、館内に入るのに50分待ちました。
フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」の人気はすごいですね。
私もこれはぜひ見ておきたいと思っていたので、並んででも見ることが出来てよかったです。
近くで見たあと、離れたところからしばらく眺めてたのですが、
潤んだ瞳が語りかけてくるような気がして、これは生きている絵だなあと魅了されました。
この少女の絵ばかりが注目を浴びていましたが、この美術館展自体がすばらしかったです。
スペインから独立し、海洋貿易で繁栄した経済力が市民層にまで絵画を楽しむ余裕を与え、
宗教上の偶像崇拝の禁止が、絵画といえば宗教画であった時代の流れを風景画や風俗
画、肖像画へと移行させていったからこそ、あの当時のオランダにこれほどまでの充実した
絵画作品が生まれたのだということを、レンブラントやヴァン・ダイクやフランス・ハルスなど
の作品を前にしながら、改めて感じることが出来ました。
日本で見られるのは、このあと開かれる神戸だけのようです。
2012年8月14日
2012年8月10日
花火のあとも花火
なでしこ、いい試合でしたね~!
銀メダルは悔しいけど、全力で戦っていた姿に感動しました!
悔し涙のあとの表彰式での笑顔が弾けていて最高でしたね。
今日はこれから早稲田オープンカレッジの句会。
兼題は「花火」。
花火は歳時記によって夏だったり秋だったりします。
新しく編まれた歳時記は夏になってるものが多いでしょうか。
現在は夏の風物詩といった花火ですが、もとはお盆の魂送りや鎮魂と
結びついて行われたので、秋のものだったんですね。
先日見にいった隅田川の花火は夏花火でしたが、それも飢饉で亡くなった
人たちの魂鎮めが起源のようです。
花火句会のあとは花火大会。
神宮外苑の花火大会を初めて神宮球場で見てきます♪
ナオトインティライミとmihimaruGTとともに。
高校が球場の前だったので久々に母校も見てこようかな。
2012年7月31日
早稲田大学オープンカレッジ茶話会 第二期
先週の金曜日は早稲田大学オープンカレッジ八丁堀校の
「現代俳句」講座の皆さまと茶話会をひらきました。
猛暑の中で、講座に来ていただくだけでも大変だなと思っていたのですが、
多くの方に参加していただき、たのしいひとときを過ごすことができました。
この講座も二年目に入り、人数も増えました。
講座を通じての新しい出会いに感謝しつつ、ともに俳句の楽しさを共有して
いくことができればと思っています。
みなさまの俳句との出会いや思いを聞くこともできましたし、
お一人おひとりを近く感じることが出来たことがなによりでした。
これからも頑張っていきましょう!!
プレゼントもいただき、ありがとうございました!しっかり温まって風邪完治させますね。
2012年7月 6日
『祈りの天』をお読みになりたい方へ
蒸し暑い日が続いていますね。
寝冷えをしたのか、夏風邪を引いてしまいました。
私は「風邪は喉から」なのですが、昨日の句会で頑張ったら
いよいよ喉を痛めてしまったらしく、声が出なくなりました(><)
話そうとするとどんどん悪化していくので、しばらくおとなしくしていようと思います。
みなさまも、お気をつけください!!
第一句集『祈りの天』へのお問い合わせを近頃いくつかいただきました。
NHKで紹介していただいた影響かもしれませんね。
ご案内いたします。
まずは版元のふらんす堂へお問い合わせしてみてください。
まだ残部があるかもしれません。
アマゾンでも購入可能ですが、残部が少ないせいか値が上っていて
とてもお買い求めいただきたい値段ではありません。
版元にもない場合は、私の手元に何冊かありますので、直接「おたより」から
お問い合わせください。
よろしくお願いいたします♪
2012年7月 2日
「あずみ虫個展Mix」へ
7月に入りましたね。
海開きやら節電やらで、一気に夏モード突入といった
感じです。暑さに負けず、頑張っていきますよ。
早く見たいなと思っていたあずみ虫さんの個展に
友人を誘って行ってきました。
あずみ虫さんは日記にもたびたび登場する「んがん
句会」のメンバーで、とっても愛らしい方なのです。
あずみ虫さんの生み出すものたちも、とっても愛らし
くて大好き。アルミを切って作ったかたちにペイントす
るのが特徴的なのですが、今回はそれだけじゃなく、
ドローイングや版画や陶器の作品も出展されていて、
また違った雰囲気を味わえました。ちょぴりカクカクした象や鳥や鯨や犬たちが動き出しそう
にあちこちにいる感じが何ともたまりませんよ。
私は海ものが好きなので、海に浮かぶ島と船がモチーフになっているのが気に入って、
「サマセット・モーム 雨・赤毛」とタイトルがついた作品を買わせていただきました。
モームの短編から作られた作品で、新装版の装丁に使われるそうです。
7月4日まで青山のSPACE YUIでひらかれていますので、ぜひ足をお運びください。
2012年6月16日
審査員します♪
明日17日、第15回俳句甲子園地方大会の審査員をつとめます。
私は東京地区の担当です。
地方大会を勝ち抜かないと、松山で行われる全国大会に出場出来ません。
そう思うと、責任重大だなあ。
よければ観戦にいらしてくださいね♪
大会会場は羽田空港第1旅客ターミナルビル 6Fギャラクシーホール
10:00~16:45くらいまで開かれています。
出場高校は次の通りです。
開成高等学校、立教池袋高等学校、盈進学園東野高等学校
吉祥女子高等学校、東京家政学院高等学校、松蔭高等学校
2012年6月14日
カルミア
梅雨晴れの暑い一日でした。明日からは本格的な梅雨になるそうですね。
近頃、あちこちに句会指導に行くことが増えました。
五年前には想像もしていなかった現在です。
五年前というと、ちょうど処女句集『祈りの天』を出版した頃。
俳句という詩型を選んだこと、これから先も俳句で自分を表現していく志を固めたこと、
それらもろもろを含めて、二十代最後という節目での句集上梓は私の覚悟の形でも
ありました。覚悟は決めたものの、実力も知識もまだまだ半人前で、自分のことだけで
精一杯の不安ばかりの日々でした。
今は手探りながらも、自分の作句活動だけでなく、句会を通じて俳句の楽しさを伝えて
いく喜びと大切さを日々感じています。
みなさんと一緒に楽しみながら、五年先の未来が想像もしていなかったようなステージに
立てているよう、私自身も成長していきたいと思います。
2012年5月 8日
NHK俳句
みなさま、GWはいかがお過ごしでしたか?
私は京都で句会をして、その流れで奈良、大阪あたりを
巡ってきました。
日曜日はNHK俳句で「俳句ネクストジェネレーション」が放映されました。
早朝にもかかわらず、たくさんの方に見ていただき、すぐに感想を
送っていただいたりして、とても嬉しかったです。
ありがとうございます!!
私も頑張って早起きして見ていました。
あっという間に終わりましたね(笑)
再放送は水曜日の15:00~15:25です。
来週、再来週と続けて放映されますので、引き続き、よろしくお願いします♪
今日は午前中はすぎなみ詩歌館での句会。
午後は早稲田大学のカルチャーで講義です。
さあ、頑張って行ってきまーす。
2012年4月 9日
またまたさくら
昨日、4月8日は花まつり。そして虚子の忌日でしたね。
「咲き満ちてこぼるゝ花もなかりけり」と詠んだ虚子にふさわしい、
まさに虚子忌の桜に出合うことができました。
写真は千歳船橋の桜並木。句会のために訪れた場所ですが、
こんな見事なところがあったなんて、まったく知りませんでした。
思わぬ花見が出来て、ほんとうによかったです。
この桜も、今日には散り始めていることでしょう。
ちょうどこの桜の下からバスが出ていたので、乗ってみることに。
何とはなしに乗っていると、車窓の景色に見覚えが。
ん?農大?馬事公苑?
そう、この桜並木の先は世田谷通りに続いていたんですね。
道路把握の苦手な私には、もう大発見。脳の神経回路が
一つ繋がったような心地よさでした^^
農大前でバスを降りて、馴染みのスタバで一服。と思ったのですが、
昨日は花見日和の日曜日。いつになくたくさんの人で店内が溢れていて
思うようにはいきませんでした。残念。
でも、それだけたくさんの人がそれぞれにこの花の日を楽しんだんだなあと
思うと、何だかとっても明るい気持ちになりましたよ。
2012年4月 7日
2012年3月23日
お知らせ♪
紫色のチューリップ。紫は好きな色です。
そういえば、昨日は家から三軒茶屋まで歩いていく道すがらに、
紫木蓮が咲きはじめているのを見つけました。それからミモザの花も。
定まらない気温に一喜一憂しているこのごろですが、鮮やかに色を
見せ始める花々の姿に、はっと心が動かされます。
自然ってなんて潔いのでしょう、と。
人の心は自然の強さには敵わないなあと思うことがありますが、
それはきっと、本能の強さなんでしょうね。そして本能って潔いものですよね。
さて、一つお知らせです。
私の「銀漢や一生分といふ逢瀬」の句がこちらの本にセレクトされました。
俳人堀本裕樹さんの初著書で、正岡子規以降の近代から現代までの104句が
紹介されている本です。発売は3月30日。
鑑賞という光を当てていただいて、きっと私の句も輝いていることと思いますので、
ぜひ、歴代の名句とともに、読んでいただければ嬉しいです。
尚、Amazonのキャンペン期間中にお申し込みをされた方には、先着で著者が朗読した
「覚えておきたい俳句」の音源プレゼントという特典もあるそうです。ちなみに「銀漢」の
句も音源に入れていただいているそうなので、私もゲットしたいと思います!!
詳しくはAmazonでご確認くださいね。
2012年3月12日
テレビ出演のお知らせ♪
カーテンをあけて見えた今日の富士山は
雲ひとつかからず、晴れ晴れとしていました。
4月から新たに始まる「NHK俳句」の新コーナー
「俳句ネクストジェネレーション」に出演することになりました。
若手俳人を三回にわたって紹介するコーナーです。
代表句の朗読・解説や、句作の風景が流れます。
短い時間ですけれど、普段し慣れない句の背景や思いについて
少しでも見てくださる方に伝わるといいなあという思いで
撮影に臨んできましたので、見ていただけると、嬉しいです。
NHKEテレ 「NHK俳句」 放送 日曜日 6:35~7:00
再放送 水曜日15:00~15:25
私の出演回は、5月 6、13、20日の放送です。
早朝の番組なので、朝の弱い方は再放送か録画でぜひ!!
4月は高柳克弘さん、6月は鴇田智哉さんが出演されますので、
こちらもどうぞお見逃しなく^^
2012年3月 8日
河津桜
江ノ島に咲いていた河津桜。
遅い春に梅も河津桜もまだ目覚めきらないようです。
暖かい日が続けば一気に明るくなりますね。
俳句ウェブマガジン「spica」で福田若之さんが「角川新鋭20句」について
書いてくれています。お会いしたことはないですけれど、とっても若い俳人の方です。
発表した句がどう読まれているのかはとても気になるところなので、
こうして反応を見ることができるのは、作者としてありがたいことですね。
「spica」はさまざまな試みで俳句を双方向に発信していて、とても俳句愛を感じる
素敵なサイトです。 ちょっと刺激がほしい方にも対応しています。(たぶん)。
ぜひご覧ください!
福田若之さんのコーナーはこちら
読まれた方は参考までに、「青空や」の句について書いたものです。
短文では言い切れなかったこの句に寄せる思いです。
2012年3月 6日
代々木ビレッジ撮影
昨日は啓蟄でしたね。二十四節気の一つで
地中の虫が暖かさに這い出してくる、そんな季節なのですが、
昨日は冬のように冷たい雨。顔を出した虫たちもびっくりしてまた
ひっこんでしまったのではないかしら。
そんな雨の中、いただいたお仕事の撮影に行っていました。
場所は代々木にあるカフェレストラン、代々木ビレッジ。
最近できたばかりで、お洒落なところですよ。
撮影スタッフのみなさんの雰囲気に助けられながら
緊張しながらも、なんとか撮影を終えてきました!!
ほんのちょっとしか使わないカットのために移動したり
セッティングを変えたりと、撮影の仕事って本当に大変なんだなと。
撮影終了後の一枚。
一番左が番組プロデューサーの蜂谷さん。いつお会いしてもお洒落でステキ。
それから高柳克弘さんと鴇田智哉さんと。
コートで衣装が見られませんね。(マネキン5みたい)
お二人ともとってもいい感じでした!!
番組の詳細はまた後日、お知らせいたしますね。
どうぞお楽しみに♪
2012年3月 3日
2012年2月29日
2012年2月27日
んがん句会アルバム
(写真をクリックすると大きくなります)
昨日の夕方は神保町アンチヘブリンガンでの句会。
珍しく、句会風景を撮ってみました。
みなさん、選句中。 なんだか真剣ですね。
そういえば、この句会に顔を出すようになってから
一年とちょっと経ちました。
初めに句会のことを書いたのが2010年の10月。
その頃の写真を見たら写っていたのが6人だったので、
ずいぶん増えたなーという感じ。
相変わらず、楽しくてお腹が痛くなる句会です。
ゲストに俳人の松尾清隆さんをお呼びしました。
私の右隣。清隆さんは「松の花」という俳句結社に所属されていて、
お父様はそこの主宰をされている松尾隆信先生です。
俳句一家というところが、私と似ていたりもして。
なんだか真面目すぎなのでもう一枚。
そう。んがん句会といえばやっぱりこれですね。
レッツ 5 ・7 ・5 ♪♪
(灘子さんの手がすごいかっこいいことになってる^^)
2012年2月25日
早稲田大学オープンカレッジ茶話会
(写真をクリックすると大きくなります)
暖かかった昨日から一転、今日は冷たい雨。
まさに三寒四温の今日この頃、
皆さま、お変わりなくお過ごしですか?
冷たい雨、とはいっても冬のそれとはやはり違って
春の胎動というか、息吹のようなものを雨のなかにも
どことなく感じます。
昨日は早稲田大学オープンカレッジ八丁堀校の最終講座日でした。
写真は受講生のみなさまと。(全員ではないですけれど)
最終日なので、茶話会を開いていただきました♪
美味しい料理とケーキ、それに明るいうちから飲むワインの贅沢な気分に
心地よく酔って、ほんとうに楽しいひとときでした。
思わぬプレゼントもいただき、本当に嬉しいです。ありがとうございました。
教室を出て、皆さまと色々な話をする時間は、私にとっては息抜きというか、
幸せな時間でもあります。
教壇を下りれば、俳句を愛する仲間として、忌憚なく色々な話が出来るから
かもしれませんね。俳句だけでなく、人生の話や夢の話を。
新年度の「現代俳句講座」は4月から始まります。
新規申し込みは3月9日からスタートです。
詳しくはどうぞこちらをご覧ください♪
2012年2月24日
2012年2月17日
HAIGA集
「HAIGA Peindre en poesie」 Ion Codrescu
仏語・英語版の俳画集に作品が入集されました。
「雪の香やひらきぐせある文庫本」の句です。
日本では発売していないのでご紹介だけでも。
古今東西の詩人・俳人100人の句からインスピレーションを
受けて描かれた俳画と仏訳句のコラボレーションです。
日本で言う「俳画」とはまた違った雰囲気ですが、
アート感覚で楽しめる、素敵な作品がたくさん入っています。
日本人作家は橋本榮治、見目誠、明隅礼子氏と私の4人。
海外の方のブログで素敵な動画を見つけましたので、こちらをどうぞ♪
「HAIGA Peindre en poesie」紹介ブログ
今日は仕事の打ち上げで小学館地下にある洋食屋「七條」へ。
有名店らしいので、とても楽しみ。
夜は雪になるみたいですね。
2012年2月14日
抱擁
春めいてきた日差しも束の間に、今日はずいぶんと冷え込みましたね。
午前中はすぎなみ詩歌館での句会でしたが、日本家屋特有のしんしんと
どこからともなくすべりこんでくる冷気が身にこたえました。
でも今日はバレンタインデー♪♪
各地で繰り広げられているであろうホットなやりとりに、もうちょっと気温が
あがってくれてもいいのに、なんて思ったりしましたが、そううまいこといきませんね。
今日は電車で学生を見かけると、自分の高校生の頃と重ねていろいろ
想像を膨らませてしまいました。あの頃がよくも悪くも、この日が最大の
イベントで、片思いの先輩にチョコを渡す時の胸の高まりなんてもう、心臓が飛び出す
んじゃないかと思うほどでしたね。もう痛いくらいに。そんな頃をふと思い出して、
なんだか愛おしくなりました。
いつ渡そバレンタインのチョコレート 田畑美穂女
バレンタインといったら、やっぱりこの句でしょう。
この句は少し微笑ましさもある感じですが、女の子にとって2月14日とは
つまり、「いつ渡そ」の一語に尽きるのものなのです ^^
2012年2月 2日
小学館歳時記出ました!
いよいよ明日は節分ですね。冬と春を分かつ日です。
去年の今頃は少し春の兆しを感じられたものでしたが、
今年はまだまだ冬の勢いが衰えそうにありませんね。
寒波と豪雪に身が縮む思いです。
それでも暦の上では確実に春へと日々は動いています。
節分が終われば立春。いよいよ春です。
実際に感じる季感だけでは果てしなく続きそうなこの寒さですが、
暦の上だけでも確実に春へと季節が動いていると思うと、
心なしか今の厳しい寒さにも耐えられるような気がします。
それはきっと「立春」という言葉に、春を迎える心が動かされるからでしょう。
小学館から『日本の歳時記』が刊行されました ♪
私も季語解説と鑑賞をいくつか書かせていただいていて、制作にも携わったものです。
水面下?で進行していましたので、ようやくここで告知することができました。
今まで刊行された大歳時記と違う最大の特徴は、例句すべてに鑑賞の手引きとして
解説が付けられているところと、関連季語を表示し、すぐそこを引けるようにページ数を付けて
いるところです。この二つは画期的!!
カラー写真の点数も多く、見やすさも特徴の一つですよ。
季節を身近に感じる机上の一冊として、ぜひ、お勧めいたします。
くわしくはこちらをご覧ください。
季節の言葉と俳句を愛するすべての方へ。最新ビジュアル歳時記。
『日本の歳時記』(小学館) 編集委員 宇多喜代子/西村和子/中原道夫/片山由美子/長谷川櫂
2012年1月30日
2012年1月23日
編集作業あれこれ
金曜日は東京會舘でひらかれた角川書店主催の俳人・歌人の新年会
で多くの俳人との交流を楽しんできました。
立食なので初めに色々な方と話してしまうと食事をとる時間がなくなって
しまうのが常なのですが、今年はまず初めは食事をしよう、と決めて動い
ていたので、例年になく色々食べることができました^^
決して食い意地が張ってるわけではなく、この方が心も身体も満足して
帰れることを経験から学んだのですよ。
東京會舘はやっぱりローストビーフとカレーが美味しいかな。
お鮨はものすごく並んだわりにはいまいちでした。
その後は同世代の俳句仲間の誕生日会が開かれている神保町の銀漢亭へ。
ここもお店の八割は俳人で埋まっているような状態で、妙なテンションで
楽しい時間を過ごしてきました。
ひさちゃん、お誕生日ほんとにおめでと♪ ひさちゃんの幸せを願っているよ。
(写真をアップしたいところなのですが、カメラを東京會舘に忘れてしまい、
しばらく写真が載せられません;)
週末はひたすら編集作業。「海」2月号の編集と「俳句月別歳時記」の改訂版
の編集作業に追われておりました。
編集チームの皆さま、丸一日、お疲れ様でした!!
「俳句月別歳時記」は来年「海」が三十周年を迎えるので、記念事業として
進めているもので、来年の発行になります。刊行以来、好評で売れ続いている
この歳時記。例句の差し替え、修正など、よりよいものになるように頑張って
おりますので、皆さま来年の改訂版をどうぞお楽しみに。
2012年1月20日
WAC40句会
WAC40の皆様と、JX六本木クラブにて
(クリックすると大きくなります)
雪ですね。例年よりも遅い初雪。
東京の雪はこれから春にかけて本格的に降りそうです。
昨日は私の講座を受けてくださっている早稲田大学OBの方にお呼びいただいて、
同期会の有志でされているという句会にお邪魔してきました。
写真はWAC40(早稲田大学第一理工学部(W)応用化学科(Applied Chemistry)
昭和40年卒の略)の皆さまと。
私が生まれる前に卒業されているという、つまり大大大先輩。
皆さま立派な方々なので緊張しましたが、優しく迎え入れてくださって、
句会だけでなく食事会までご一緒させていただきました。
皆さま、そしてコーディネートしてくださった千尋さん、ありがとうございます!!
普通にしていたらお会いすることのない方々ともこうして交流することが
できるのは俳句のお陰。
俳句を通じて広がる縁をこれからも大切にしていきたいと思います。
2012年1月17日
海新年祝賀会
月曜日は青山のホテルで開かれた海俳句会の新年祝賀会に出ていました。
初句会も兼ねているので、毎年この日は着物で行くことにしています。
今年は母が若い頃から着ていたお気に入りの着物を着させてもらいました。
よくこの着物でお茶のお稽古に通っていたそうです。私が着ている姿を見て、
自分の若い頃を見ているみたい、と何だか嬉しそうでした。
海の大お姉さま達からもたくさん褒めていただきました^^
約160名出席の初句会。披講役をしましたが、さすがに読み終わる頃には
息が切れました。成績はふるいませんでしたけれど、龍年にあやかって、
ここからぐんぐんと昇っていけるように今年は頑張りますよー。
華やかな雰囲気に存分に浸った一日でした。
2012年1月13日
講座始め
今日は早稲田大学オープンカレッジの講座始めでした。
取りあげたテキストは飯島晴子の『儚々』。
蛇笏賞を受賞した、生前最後の句集です。
初夢のなかをどんなに走つたやら
負ぶはれてみてなかなかの秋の風
白髪の乾く早さよ小鳥来る
さつきから夕立の端にゐるらしき
75歳でこの句集を出したのち、79歳で自ら命を絶った晴子。
晴子にとっての「老い」とはいかなるものであったのか。
句を通して抱いていた私の思いをみなさんに問いかけながら
句を読み解いていったのですが、晴子のどこかはぐらかすような
老いの受け止め方に「どこか素直じゃなくてもどかしい感じ」
「自己愛が強いように思う」というような意見が出てきたことが
今日はとても面白かったです。
短い時間でさらっと取りあげただけなのに、意外に本質に近い
ところまで感じとれているような気がしました。
講座で得たもろもろの宿題は、持ち帰って次につなげたいと思います。
2012年1月 9日
初旅
初旅は昨年に引き続き南伊豆へ行ってきました。
写真は弓ヶ浜の海岸。ここで新年の句を詠むのを楽しみに
出かけているのですが、今年もいくつか海のいい句が出来ました。
それからもう一つ楽しみにしているのが、岬に住んでいる猫たちに
会うこと。いつもの場所にいくと、今年もたくさの猫たちが顔を見せて
くれました。
写真はちょうど一年前にも紹介したカブキ。また会えてよかった。
みんな野良なので、姿が見えなくなった猫たちもいるんです。
この子は人なつっこくて、野良にしては珍しいほどのんびりやさん。
しばらく膝に乗っていてくれました。
また会える日まで、元気にしているんだよ。
昨日は蔵前の鳥越神社のどんと焼きへ。
明日の杉並句会から、いよいよ本格的に句会始動です!!
午後からは俳人協会の賀詞交換会に向かいます。
たくさん素敵な句を詠んで、素敵な句に出会えるよう、
2012年も頑張っていきたいと思います^^
2012年1月 1日
2011年12月 5日
2011年11月19日
赤き実
今日は芭蕉記念館で「海」の東京本部句会。
冷たい雨でした。
月刊「俳句四季」12月号(東京四季出版刊)が発売されました!!
作品「魚影」8句が掲載されています。カラーページです。
読んでいただけると、うれしいです。
写真は花水木の実。秋から冬にかけて、さまざまな草木がつける赤い実。
飯桐、ナナカマド、錦木、茨、蔓梅疑、万両、千両、南天......。
俳句を作るようになってずいぶんと覚えましたが、まだまだ知らない実が
たくさんあって、「あれは何の実かしら」ともどかしく思うことがたびたび。
先日、若い俳人たちと吟行していた時も、赤い実にたくさん出会って、
名前を知ることももちろんだけれど、詠み分けも難しいよね、などと
話しながら歩いていたことをふと思いだしました。
そういえば、「よし、私、赤い実マスターになる」なんて調子に乗って言ったことも
思いだしてしまいました。
これからは、右手に句帳、左手に植物図鑑で行きましょう。
2011年11月16日
2011年11月10日
spica
俳句ウェブマガジン「spica」のスピカ本が発売されました。
「spica」とは俳人の神野紗希、江渡華子、野口る理氏が企画・運営している
俳句のウェブサイト。若い俳人を中心にした作品、批評などを読むことが出来ます。
書籍化は今回が初の試みとのこと。第1号です!!
スピカ本では私も座談会に参加させていただきました。
「女性が俳句を作るということ」というテーマでいろいろ話しています。
ガールズトーク的な内容ですが、普段は話さないようなことも赤裸々?に
語られていたりもして、意外な一面が垣間見れる面白さがありますよ。
特集は「男性俳句」。
詳しくは「spica」ウェブサイトをご覧ください。注文もこちらからできるそうです!
2011年10月31日
もっこくの実
昨日はすぎなみ詩歌館のイベントで企画された句会へ。
「ご近所句会」というネーミングで、杉並区報にも載ったらしく、
19名の方が参加してくださいました。ありがとうございます。
句会の進め方などを説明しながらで駆け足の句会でしたが、
参加してくださった方の声が好評でしたので、ほっとしました。
定例の句会は毎月第二火曜日の十時から詩歌館でひらいています。
定員に若干空きがありますので、よろしければこちらの方へご参加ください^^
句会後は「対岸」25周年記念祝賀会に出席するため新宿の京王プラザホテルへ。
主宰の今瀬剛一先生は私の大好きな俳人のおひとりです。
人柄がとっても魅力的なのですが、何よりもその詩情溢れる作品のファン。
句評で先生の句を取り上げると、評についての御礼と感想のお葉書をくださるので、
お忙しい方なのにすごいなあといつも頭が下がるばかりです。私なんて全くの筆不精で
本当に真似ができません。そんな先生との交流があってか、最年少のゲストとしてお招き
いただき、華やかな夜のひとときを過ごしてきました ♪
2011年10月17日
豆本と色紙
誕生日のお祝いに、「んがん句会」でこんな素敵なものを作ってもらいました。
写真見て、分かりますか?
そう、豆本です。サイズ比較のために、MONOの消しゴムを隣に置いてみたので、
その小ささがわかりますでしょ。中身には句会で出した句がほぼ収録されています。
和綴じ(高貴綴じ)で角布は濃紺の水玉、左にあるのは豆本を仕舞うケースです。
とっても丁寧に作られてあるんです。サプライズプレゼントだったので、その驚きに、
一瞬言葉を失いました。私のイメージで作ってもらったとのことで、さらに感動です。
世界で一つの自分だけの豆本。こんなに素敵なものを贈ってくれたその気持ちに
何よりも感激しました。狐穴さん、本当にありがとうございます!!
それからもう一つ、
誕生日祝句色紙です。こちらはんがん句会恒例になりつつ?あるので
貰えるのを分かりつつ、楽しみにしていたもの。
少し照れくさいけれど、いやいや、なかなかいいものですね。
頑張って作ってくれている感じのもあって、頬がゆるみます。
こちらも実はプレミアが。この日に初参加だったイラストレーターの
あずみ虫さんが、祝句の代わりにイラストを入れてくれることに。
挿画で大きな賞をとられて、雰囲気のある素敵なイラストを描かれる方です。
みなさんの思いがぎゅっと詰まった色紙、もう、一生大事にしますからね!!
個性豊かないい仲間と出会えて、本当にしあわせものです。
2011年10月12日
近況
風に乗る金木犀の香に、真赤に裂けた石榴の実に、ゆっくりと季節が動いているのを感じて
います。束の間のいい季節、身も心も爽やかに過ごしたいですね。
三連休は句会と俳句のイベントがあったので、まとまったお休みにはなりませんでしたが
連休最終日に控えていた世田谷の俳句大会が盛会でしたので、ほっとしているところです。
当日もさることながら、準備が大変なのですが、毎回楽しみに参加してくださる方々のお顔
を見ると、来年もまた頑張ろうという気持ちになります。自分の中からではなく、人からエネ
ルギーをいただいて前に進めることって、たくさんありますね。
日曜日の夜の「んがん句会」では誕生日のお祝いに、とっても素敵なサプライズプレゼントを
いただきました♪ もう感動ものです。
すぐ披露したいところなのですが、もう一つ、みなさんに祝句をいただいた色紙がお店に置い
てきているので、近いうちにセットで披露したいと思っています。
2011年10月 1日
屋根猫
昨日、「海」10月号の発送、無事終了しました!
私は午後から早稲田のカルチャーが入っていたので、
少し早めにあがらせてもらい、お昼をとってから講義へ。
涼しくなってきたので、90分立って話すのがだいぶ楽に
なってきました。夏は節電もあって暑さと酸欠でふらふら
して大変でした^^;
来月は懇親会があるので、教室を離れてみなさまとお話し
できるのが今からとても楽しみです。
サイトを作ってもらっている友人夫妻に今年も誕生日を
祝っていただきました。しかもちょうど生まれたばかりの第二子
をつれてお母さんと戻ってきていたので、去年とは違った雰囲気で
アットホームなお祝い会でした。手巻き寿司とお手製の林檎ケーキ、
とっても美味しかったです。ありがとうございます&ありがとーもとくり♪
2011年9月29日
祝一周年 ♪
秋晴れの空です。
誕生日を迎え、サイトを開設してからちょうど一年が経ちました。
たくさんの人に訪れていただき、本当に嬉しく思っています。
祝一年、ということで、サイトを少しリニューアルしていただきました。
気分新たに、マイペースで頑張っていこう!!と思っていますので、
これからもまたひきつづき、応援していただけると嬉しいです。
サイトを始めてちょうど半年経った頃に、大震災がありました。
その日を境に、それ以前と以後では、言葉をつづるときでも
どこか何かがいつもと違って、すごく苦しかったことを思います。
言葉にした途端に消えてしまう感情とか、逆に言葉にすることで
生まれてしまう力とか、そんな「言葉」の持つ恐さを、いろいろ
考えてしまったからかもしれません。
「この場所が、季節と人の新たな出会いの場になることを願って......」
と始めたこのサイト。
ここで出会えた人の心が少しでも豊かになるような言葉を、
ゆっくりとまた書いていきたいと思います。
2011年9月26日
あけび
暑さ寒さも彼岸まで、とはよく言ったもので、ほんとに急に寒くなりました。
あまりの急さに、体と洋服がついていけません^^;
今日は「海」誌を作っていただいているあおい工房の本多さんと三茶で
最終ゲラの受け渡し。私が出版社に勤めていた頃からのお付き合いで、
当時も今も、私のわがままを聞いてくれる、とっても頼りになる方なのです。
独立されて、いまは社長さんですけど、会って話していると、出版社時代
をふと思い出して、懐かしくなりますね。
ヴィラデストで買った玉村豊男さんの絵葉書を飾りました。
アケビの実です。スーパーでも見かけるようになりましたね。
紫色が好きなので、このアケビの色を見ていると、なんだか心が落ち着きます。
2011年9月25日
静養
シルバーウィークはプライベートの旅行で軽井沢、清里へ行ってきました。
写真は東御市にあるエッセイストで画家でもある玉村豊男さんの葡萄畑。
ワイン用の葡萄です。「ヴィラデスト」という名の農場とワイナリーで、カフェや
食事も楽しめます。一面に広がる葡萄畑とそこから見渡せる浅間山麓の景色
をいっぺんで気に入ってしまいました。今回はカフェだけだったので、畑でとれ
たての新鮮な野菜を食べにまた訪れたいとなと思っています。
10月頃が気候的にもベストシーズンかもしれませんね。
清里では清泉寮に泊まりました。ここはもう十年くらい前に家族で泊まった
思い出の宿で、その時買った「seisen-ryo」と書かれた牛の絵柄の洒落た
カップ&ソーサーが今でもサイドボードに飾ってあります。
今回泊まったのは新しく出来ていた新館。旧館の重々しい感じとは違って
天井が高くて広々としていて、とても快適でした。お食事も野菜が新鮮で美味。
しかもたっぷり食べられますので大満足でした。
部屋に暖炉があるのも気に入りましたが、火を入れるほどにはまだ寒くなかった
ので使わなかったのが残念です。部屋に薪が置いてある風景って、日常と離れ
た静けさがそこにあっていいものですね。
静養という名ののんびり旅行、信州の山々と高原の風に癒されて帰ってきました。
2011年9月13日
十六夜
十五夜の月、見られましたか?
雲ひとつかからずに、今年の名月の輝きはことのほか美しくみえました。
少しも欠けることなく、完全な満月で迎えた中秋の名月は6年ぶりだそうです。
なんだかもったいなくて、月が西空に傾くまで見てしまいました。
さすがにもう眠たいです^^;
今日の午前中は杉並詩歌館での句会でした。
ここで始まった句会も、来月でちょうど一年になろうとしています。
「句会で出会ってからもうすぐ一年になりますねー」
と帰り道が一緒になった方にお話しすると、
「もっと前から知っているような気がしますね」
と言ってくださいました。本当にそうだなと思います。
月一回の句会で、まだ数えられる程しか会っていないのに、
誰かが欠けると淋しいですし、みなさんの顔を見ると心がほっと和みます。
先生一年生として、みなさんとスタートした句会。
一年目を迎える来月からは次のステップへと一緒に成長していきたいですね。
2011年9月12日
2011年9月 8日
帰京
主宰の山形県俳人協会主催の俳句大会での講演に
同行していた山形から帰ってきました。
台風の進路が心配でしたが、山形はさほど影響が
なく、大会も盛会で、「山形の芭蕉」という講演内容も、
先生独自の芭蕉新説が飛び出したりして、とても興味深いものでした。
機会がありましたら、海誌でご紹介したいと思っています。
山形には一泊して、翌日、立石寺(山寺)へ行きました。
「おくの細道」で芭蕉が訪れ、「閑さや岩にしみ入る蝉の声」
と詠んだところです。秋の蝉がしきりに鳴いていました。
五年前に一度行って、ものすごく感動した場所でもあり、
久しぶりにまた訪れることが出来てよかったです。
平日にもかかわらず、多くの人が来ていて少し驚きました。
写真はまた後日に。
2011年8月30日
石榴の実
今日は「海」9月号の発送日。無事終了しました!!
海誌で「高橋悦男の一句」の鑑賞を始めました。
毎号、その季節に合った一句を選んで紹介しています。
先生の作品との新たな出会いの場になるよう、力を尽くしたいと思います。
会場近くにある大きな石榴の木。たくさんの実がついていました。
まだほんのりと色づきそめたばかり。赤くなって弾けると、
ルビー色のきれいな粒をのぞかせます。
甘酸っぱくて好みが分かれますが、私はけっこう好きな味です。
石榴と言えば鬼子母神。鬼子母神と言えば朝顔市なのですが、
今年は震災の影響で朝顔市は中止でしたね。
去年は団十郎を買って帰りました。
今、ベランダで小ぶりの花を咲かせています。
2011年8月24日
コクリコ坂から
映画「コクリコ坂から」を観ました。舞台は1967年の横浜。
翌年には東京オリンピックが開かれるという、
そんな時代の高校生が主人公の物語。
映画、とってもよかったです。そして、
「ああ、なんて美しく生きているんだろう」
という思いが胸に溢れて、涙がとまりませんでした。
この時代の息吹に私も触れてみたかったな、と思います。
ある意味、ひたむきさが過剰になりすぎず、ぎりぎりのところで
バランスを保っていた時代だったのかもしれませんね。
久しぶりに何度も見たくなる映画に出会いました。
ジブリ作品の中でもベスト3に入るかもしれません。
物語や映像はさることながら、この映画、音楽がとてもいいです。
手嶌葵さんの歌は「ゲド戦記」の「テルーの唄」もすごく好きでしたけれど、
今回の主題歌も詩とメロディーがすごく素敵で、心に響きます。
それ以外の挿入歌も。
私は特にカルチェラタンの学生達の歌に、さわやかな涙を流しました。
2011年8月20日
2011年8月18日
郡上踊り
お盆の帰省中は郡上八幡の郡上踊りを見に行きました。
夜中の一時頃に到着したのですが、音頭の聞える方に近づいていくと、
たくさんの人が盛り上がりながら踊っていました。まだまだ夜はこれからという感じ。
輪になって踊るのではなく、十字路の真ん中に音頭を流す櫓があって、
そこを中心に道路に沿って列になって踊りながら動いていくのです。
櫓から離れていく人と近づいていく人が、踊りながらすれ違っていく
ところがなんとも言えず、風情があっていいんですよね。
風の盆もそうですが、こうして踊りながら若い男女の恋が始まったりしたんだろうな、
などと想像したりなんかして。
お盆に地元に踊りに帰るという若者もたくさんいるみたいでした。
「春駒春駒~♪」
踊りも見様見真似ですぐに覚えられるので、とても楽しいです。
見るだけでなく、行かれたらぜひ踊ってみてください。
2011年8月 8日
立秋
今日は立秋。
目に、耳に、肌に感じる秋は、まだ少し先になりそうです。
先月まで俳句文学館で行われていた震災復興チャリティーの俳人短冊色紙展。
現存の方の書も興味深かったですが、物故者のものにやはり目が留まりました。
愛誦している句を活字ではなく書という肉筆で見ると、作者をどこか身近に感じます。
変な言い方ですけれど、ああ、確かに居たんだなあ、という温かさがそこにある。
それに、文字はその人がにじみ出るところがいいですね。
虚子の「遠山に日の当たりたる枯野かな」の軸と
野澤節子の「天地の息合ひて激し雪降らす」の色紙が欲しかったので
申し込みましたが、その時点ですでに何人かいて、抽選とのこと。
どちらも当たる気でいたのですが、
先日、節子の色紙が当選した連絡が来ました!!虚子は残念。
「天地の」の句は1月の季のうたで紹介しましたが、
「天日も鬣吹かれ冬怒涛」とともに、スケールの大きさとその激しさに魅かれる
節子俳句の中でも好きな句だったので、その肉筆を手元に置けることが嬉しいです。
これから俳句文学館へその色紙を受け取りに行ってこようと思います^^
2011年8月 7日
2011年8月 4日
吟行
今日はこれから等々力渓谷へ吟行。
近くにあるのに、まだいったことがない場所だったので、
楽しみです。
それでは、いってきまーす!
2011年8月 2日
2011年7月21日
俳句王国
俳句王国、「失恋」の回を見ていただいたみなさま、
ありがとうございました。
感想など、嬉しかったです。
普段私の作っている俳句を知らない方からも、
なぜか「由季ちゃんの俳句、あれだなって分かった」
と言われました。不思議ですね。
次回は7月25日(月)21:00~、テーマは「お金」です。
また是非当ててみてください^^
写真は先日あった「スピカ」の座談会での一枚。
スピカの神野紗希ちゃん、江渡華子ちゃん、野口る理ちゃん、
それから一緒にゲストに呼んでもらった佐藤文香ちゃんです。
みんなかわいいです。
最後はほとんど恋愛話で、俳人グータンヌーボみたいでした。
この座談会の記事については、詳細が分かりしだい
お知らせしたいと思います!!
2011年7月20日
世田谷線沿線吟行
先日行った若手俳人の会の吟行での一枚。
世田谷線宮の坂駅に置いてある世田谷線旧車両の中です。
あまり上手く撮れていませんが、雰囲気だけでも。
世田谷線は緑色の旧車両が走っていたころが懐かしい。
床は板張りで冷房はなく、夏は暑くて、冬は寒い。
夏場は扇風機が回っていました。
塾帰りなど、二両電車の連結側の窓を開けて夜風に吹かれながら
流れていく景色を見ているのが好きでした。
今は新型車両となってカラフルで冷房もあって快適ですが、
風情がなくなってしまったことは、今でも残念に思います。
この日はとびきりの猛暑で、こんな日に吟行で歩くなんて
ちょっと殺人的よね。とおそらく誰もが心の中では思いつつも、
三軒茶屋の世田谷線乗り場前で集合してから、さっそく松蔭神社へ。
神社に入ると、意外に涼しい風が。炎天下を歩いてきたので、木陰が
オアシスのようにありがたい。
神苑に入るや否や句帳を取り出して書き始めたM氏に触発されて、
さっそくそれぞれ句作モードに。「えっ、もう作り始めてるの?」という仲間の動向が
吟行の時は適度な緊張感を与え、そして句作のプレッシャーに。
松蔭神社を後にして豪徳寺へ移動しようと、世田谷線の松蔭神社駅に着いた
ところでアクシデント。
なんと、電車が動いてない!!
線路のトラブルで上町から下高井戸間の折り返し運転しかしていないというアナウンス。
豪徳寺の最寄り駅宮の坂は上町から下高井戸方面に一駅いったところ。
仕方なく、上町まで歩くこととなりました。猛暑なので、せっかくあまり歩かない
プランをたてたというのに、これではまったく意味なし。
後で聞いたら、なんとあまりの暑さに線路が歪んでしまったらしいです。
そんな中を歩いていた私達っていったい・・・・・。
バテバテになりながら、なんとか豪徳寺に到着。
ここは彦根藩主井伊家の菩提寺で、井伊直弼の墓があったり、
また招き猫発祥の地でもあって、願いをかなえた招き猫たちが
たくさん奉納されています。
境内にあったポンプ井戸の水がとっても冷たくて、手を浸しては
大はしゃぎしました。
しばらくここで吟行を、と思ったのですが蚊の多さに早々に退散。
そのあとは上町で行われている「さぎ草とホタル祭」を見にいきました。
吟行のメインイベントの蛍鑑賞でしたが、まだ夜が更けていないからか、
この暑さのせいなのか、蛍の元気がなくて、ちょっと残念。
来年はやっぱり天然の蛍を見に行きたいですね。
2011年7月17日
んがん句会
昨日は午前中から芭蕉記念館で「海」誌の編集、
そしてそのまま東京本部句会。
そして夕方から神保町のカフェ・アンチヘブリンガンで句会。
という何ともハードな一日でした。
芭蕉記念館では空調が28度設定になっていてそれ以上下げることが
できず、参加者が50人近くいたので、人いきれで室温は上がるばかり。
室内にいながら熱中症寸前でした。外の方が風があって涼しく感じるぐらい。
節電は必要ですが、臨機応変に対応していかないと、
これは命と引きかえになりかねませんね。
高齢の方が多かったので特に心配でした。一番若い私がぐったりしていましたから。
ふらふらしながら神保町について、ちょっと一服。
兼題にしていた「水着とか、プールとかの水浴もの」の句を
ドトールで必死に作り、句会へ。
「んがん句会」というとても言いにくい名前の、何とも楽しい句会です。
いやいや、昨日は本当に楽しかった。
人数もいて、いつになく準備が素晴らしかったからかな^^
暑さの疲れも吹き飛びました。
俳人の堀本裕樹さんがいらしてくれて、
それから、新しいメンバーとの出会いもあって、ますます楽しくなりそうです。
「俳句面白いですね」なんて、キラキラした目で言われちゃうと思わず頬が緩みます。
句会後、ご飯を食べにいった居酒屋でも恒例の「席題」句会。
ほんとにみんな俳句が好きなんだから。
8月は夏休み。次は9月ですね。兼題は「台風」ですよー!!
2011年7月15日
2011年7月 5日
2011年7月 3日
俳句王国収録レポート♪
松山での俳句王国収録を終えて、無事東京に戻ってきました。
写真は一緒に出演した方々。
ゲストの大木あまりさんと矢野玲奈ちゃん、外山一機さんです。
収録が終ったあとなので、みんなどことなくほっとしています。
前日まで微熱があったので、収録中に体調が悪くなることが心配
だったのですが、緊張して気が張っていたせいか何とか乗り切れました。
ただ、二日分撮りなので、待ち時間がちょっと長い。
でもそのお陰で、普段はなかなか聞けないプライベートな話をいろいろ
聞けたので、そういう意味ではむしろ楽しい待ち時間だったかな。
もうひとりのゲスト、ファッションモデルの生方ななえさんと。
すごく綺麗です。普段見ている雑誌の中の人が目の前に
いるなんて、ちょっと感動的でした。
しかも、ものすごく背が高い。恐らく180cmはあるんじゃないかな。
手も足も倍ぐらい長さが違う感じでした。
美しいだけでなく、知性溢れる方でしたので、そのあたりは放送で。
写真には登場していませんが、テレビ句会の主宰は長谷川櫂さん。
とっても爽やかな紳士です。
今回のテーマが「失恋」と「お金」なので、トークや選句から
櫂さんの意外な?恋愛観が垣間見えたりしてなかなか面白いですよ。
お時間がありましたら、見てみてください♪
〇俳句王国 NHK教育テレビ(Eテレ)
主宰 長谷川櫂 ゲスト 大木あまり・生方ななえ
7月18日(月) 21時30分~21時55分 テーマ「失恋」
7月25日(月) 21時30分~21時55分 テーマ「お金」
2011年7月 1日
夏風邪
「海」7月号、無事発送終りました!
いつも発送に必要なものをキャリーバッグに入れて
ガラガラと引きながら発送場所へと向かうのですが、
昨日はあまりの暑さに、キャリーが何倍にも重たく感じられて
道端で気を失いそうになりました。
この暑さ、どうしたものでしょうね。
この先が思いやられます。
しかも昨日の夜は久し振りに熱を出してしまいました。
夏風邪でしょうか。39度まで上がってふうふういいながら
とにかく冷やして、なんとか少し熱は下がりました。
まだ予断ならないですけれど、あとは気力で頑張らないと。
今日は「俳句王国」収録のため、松山へ。
3時頃ついて少し松山観光でも、と思っていたのですが、
病み上がりでそんな元気もないので、最終便でゆっくり向かおうと思っています。
2011年6月24日
2011年6月17日
Anti-Nuke
イタリアでは原発の是非を問う国民投票で反原発派が9割を超えて
圧勝しました。「イタリアは原発にさよならをいわなければならない」という
ベルルスコーニ首相の発言は印象的で、意味のある言葉だと思います。
今日のワークショップでご一緒したNPO法人で環境エネルギーに携わっている
というご夫人も、反原発を強くおっしゃられていましたし、他にも私のまわりの人達は
無関心ではなく、意識的に反原発を語ったり、行動に起こしたりしている人が多くいます。
福島の現状に直面してしまった今、以前のような考えではいられないのが現実です。
使用する電力量の違いなどはありますが、日本もイタリアのように大きく舵をきれるかどう
か。目先の利権で未来を取り返しの付かないものにしないようにしてもらいたいと思います。
林誠司さんがブログで原発の句を発表しています。よかったら是非覗いてみてください。
俳人として出来ることは何だろう。俳句で反原発を訴えるのは難しいよね。
と言った私に、「そんなことはない」と言っていましたが、これを発表されたのが、
その答えなのでしょう。憤りや悲しみを詠むこと。そこを避けて通らないこと。
詠むことで、読まれる。それが何かに繫がっていくんだ、という強い思いを感じました。
ワークショップ
今日は新宿区にある海城中学校に行ってきました。
中学二年生を対象にしたワークショップ「コミュニケーション授業」に
お声かけいただき、生徒たちに俳句の話をするためです。
俳優のすずきこーた氏がファシリテーターをされているワークショップで
さまざまな職業の大人たちから人生や職業のことを聞き書きして、
それを元に演劇の一場面を作るという、実にユニークな授業をされているのです。
今のわたしの生活圏内に中学生との接点は皆無なので、
学校へと向かう道すがら、ちゃんと話せるかしら、とドキドキしたり、
年の差を数えて愕然としたりして、なんだかいつもと違う気分を味わいました^^
班ごとに分かれてお話するので、7人ぐらいの中学生に囲まれて、
「どんな時に俳句を作るんですか?」
「俳句を作っていてよかったことって何ですか?」
と質問を受けて、それに答える。
話し始めると、みんな一生懸命メモを取っていて、その姿があまりに可愛い。
質問が一つ終ると、「次お前が質問しろよー」みたいな感じでこそこそ目配せ
している姿がいじらしくて見ているだけでもう頬が緩んでしまいました。
このくらいの年頃って本当にシャイなんですね。
最後は聞き書きの途中経過の発表を聞いて終了。
聞き書きした本人のいる前で発表するって、たぶんすごく緊張したんだろうな。
みんなごくろうさまでした。そして、どうもありがとう。
彼らはこれからそれを元にもうひと頑張りなので大変ですが、
私の役目はこれで終り。
聞き書きを纏めたものを後で送ってもらえるそうなので、
今はそれを読むのが楽しみです。
2011年6月15日
2011年6月 9日
2011年6月 6日
お知らせ♪
「俳句研究」夏号が発売されました!
「俳句時評」と「黛執の世界」に一句鑑賞を書かせていただいています。
お読みいたけれると嬉しいです。
因みに、年間購読すると吟行句会手帖(非売品)がもらえますよ。
私の句も手帖に一句掲載されています。
しかも嬉しいことに敬愛する深見けん二先生の句と隣合わせでした^^
昨日開かれた「金子兜太」読書会、無事終えました。
私についてはお粗末なので語るまでもないのですが、参加された皆さんの
読み手として俳句に向き合う姿勢にはいろいろと刺激されることが
ありました。少し難しくて頭が痛くなったりもしましたが、自分とは
違うスタンスで俳句を読もうとしている人たちがいるということは、
作者としてとても気になるというか、興味深いなあと。
思いを言語化することの難しさも同時に感じたので、そこをもう少し
自分なりに考えてみたいとも思いました。
11日の土曜日には現代俳句協会青年部主催の本格的な金子兜太についての
シンポジウムが三軒茶屋のキャロットタワーで開かれるとのこと、
興味のある方はぜひ、足をお運びください。
2011年6月 1日
2011年5月29日
金沢文庫吟行
金沢文庫駅から称名寺へ。
金沢山称名寺(きんたくさんしょうみょうじ)は
鎌倉時代に幕府の執権を受け継いだ北条氏の支流
金沢(かなさわ)北条氏の菩提寺で、すぐそばに
実時により創設された金沢文庫があります。
金沢文庫とは学問好きだった実時が和漢の膨大な書物
を収拾した、日本初の武家の書庫。今でいう図書館みたいな
ところですね。今は立派な建物になっています。
金沢文庫から「文庫ヶ谷」という切り通しを抜けると、
もうそこは称名寺の境内。
黄菖蒲と橋の朱色が雨景に色を添えていました。
称名寺から海の公園まで。
少し強くなり始めた雨の中、貝殻を拾ったり、
波先と戯れたり。けぶる景色の中、八景島シーパラダイス
の遊具がぼうっと浮ぶように見えていました。
踏みしめて梅雨のおもさの渚かな 由季
海の公園柴口からシーサイドラインに乗って金沢八景へ移動。
地魚が食べられる居酒屋で句会をして帰路につきました。
2011年5月27日
梅雨入り
本日、関東地方の梅雨入りが発表されました。
例年より12日早いとか。しかも沖縄からは台風2号が接近中。
明日は金沢文庫周辺吟行なのですが、雨が心配だなあ。
早稲田大学オープンカレッジの講座を終えて帰宅。
今日は「富安風生」を取り上げました。
よろこべばしきりに落つる木の実かな 風生
走馬灯へだてなければ話しなし
みちのくの伊達の郡の春田かな
まさをなる空よりしだれざくらかな
九十五歳とは後生極楽春の風
句会も楽しいですが、俳句を読むことも同じく楽しいですね。
漠然としていた句の姿が、ポイントを見つけることによって、
詠まれていることが理解できたり、景色が鮮明に立ち上がってきたり。
それには季語を知ること、切れや調べを意識すること、などなど
大切なことがたくさんあります。
これからも多くの句を一緒に読んでいきましょう!!
2011年5月26日
2011年5月22日
2011年5月17日
365句のマーチ♪
水前寺清子の「365歩のマーチ」の替え歌で。
読まずに声を出して歌ってみましょう!!
「365句のマーチ」
替え歌作詞 駒女・阿里・四省
わびさびは歩いてこない だから歩いていくんだね
一日一句 三日で三句 三句作って二句捨てる
人生は俳句の産地 汗かき恥かき作ろうよ
あなたのつけた足跡にゃ 鄙びた花が咲くでしょう
頭ひねり 季寄せめくり 五七 五七
休まないで作れ
それ 五七五七五七五七
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
作詞は〝んがん句会〟のメンバーです。
どうです?なかなかの傑作でしょ。
何よりもこんな歌詞を作ってしまうその俳句愛にLOVE。
「人生は俳句の産地」がいいですね~。
句作に行き詰まったときには、この歌をくちずさんで
頑張りましょ^^
2011年5月16日
2011年5月13日
東洲斎写楽
上野の国立博物館で開かれている「写楽」展を見に行きました。
〝役者は揃った〟というカッコいいコピーが付けられていますが、
写楽が描いた浮世絵のほぼ全てが一堂に会していて、その仕事の
全貌を見ることが出来ます。
写楽といえば大首絵。やっぱり写楽は異様な目立ち方をしていますね。
というのも同時に他の絵師が描いた大首絵を展示しているので、
同じ役者を描いているのにこんなに違く見えるものなのか、というのが
よく分かるのです。
ブロマイドとしてかっこよさを愛でるだけなら、豊国が描く役者絵が
構図も表情も決まっていて一番いいかもしれません。それに比べて
写楽はどことなく不恰好なバランスで、それゆえ一見下手なように感じる
のですが、真に迫るという点では他の絵師を明らかに圧倒していました。
「三代大谷鬼次の奴江戸兵衛」と「市川男女蔵の奴一平」の対決シーン。
この2点は特にお薦めです。この緊迫感は一見の価値ありですよ。
2011年5月10日
2011年5月 9日
2011年4月28日
2011年4月26日
再開
しばらくの間書くことができずにいた鑑賞と日記を
ようやく更新することができました。
メールをいただいたりして、ご心配をおかけしましたが大丈夫です^^
いろいろなことが重なって、バランスがうまくとれなくなっていたようです。
なかなか晴れの日は続きませんが、少しずつ元気をとり戻してきていて、
今はいくらか楽になりました。
またゆっくりと続けていきたいと思っていますので、
ふらっとお立ち寄りいただければ嬉しいです。
昨日、今日と資料を探しに俳句文学館へ行ってきました。
図書室には日本で出版、発行されている俳句関係の本がほぼ揃っていて
閲覧することが出来るのです。あいにく貸し出しはしていないのですが、
コピーをとることは出来ます。でも一枚50円と、ちょっと高いです。
閲覧室で資料を積み上げて読み耽っている人の横顔を見て、
「あっ」と思って声をかけようと思いましたが、あまりに集中しているので申し訳なく
ためらったまま失礼してしまいました。
久し振りにお会いした方だったのですが、つい先日、とある編集者の人が
今一番育てたい評論家だと言っていたその人でした。
あまりにタイムリーなのでここで見かけたことに驚きつつ、
未来の名評論家の仕事ぶりを声をかけずにただただ眺めていたのでした。
2011年4月13日
2011年4月 4日
2011年3月27日
バルカン動物園
東大駒場キャンパスに咲いていた白木蓮。
こまばアゴラ劇場にて、平田オリザ作・演出の
「バルカン動物園」を見てきました。
この演目が平田さんの劇団の若手で演じられる
のは十年ぶりになるそうです。
時代の最先端をゆく若い科学者たちのお話。
最先端の現場にいるがゆえの苦悩や葛藤が
さまざまな会話を通して、じわじわと伝わってくる。
脳科学を学び、人工知能を作れるほどに技術は進化しているのに、
人間としては悲しくなるほど不器用。でも、だからこそそこにいろんな
意味での「救い」を見るような思いがしました。
平田さんの舞台の特徴の「同時多発会話」は私にとってはまったく
抵抗がなくて、むしろなんてリアルな描き方なんだろうと興味深かったです。
大学時代、心理学の講義で学んだ「図と地」というのを思い出しました。
意識が向いた方が「図」。それ以外はすべて「地」。
たとえば電車の中で友達とのおしゃべりに夢中になっているときは
会話が「図」でその他の物音はすべて「地」になりますが、降りる駅を
聞きもらさないように車内放送に集中して耳を傾けている時は車掌の
アナウンスが「図」でその他は「地」になります。つまり、「地」は背景となるもの。
ルビンの壺もどちらを見るかによって、見える図が変わってくるというように。
この舞台でも、すべての会話に観客として同時に耳を傾けることはできない
けれど、「図」を自分で選びながら進行していくストーリーを追っていくところが
面白いのです。
スポットライトが一つなんて、日常にはないですものね。
肉体は失われて脳だけが保存されている科学者(しかも素晴らしく有能という
設定で遺言によって脳だけを保存することを希望している)が話の中に出てくる
のですが、遺言の中に「脳のもっとも素晴らしい機能は神の存在を信じること、
祈ること」という言葉が出てきました。
科学の先端をゆく人の言葉としてこのことが語られたことが私はとても心に残りました。
宗教と科学は互いに相容れない歴史がありますが、神の領域と言われている
ところに踏み込みながらも、究極のところで神の存在を肯うことができるのは
とても強いなと。
真実を突くものが会話の中にたくさん散りばめられていて、一度見ただけでは
とても拾いきれませんでしたが、今は掬えた少しの欠片が胸の中で響いています。
2011年3月25日
2011年3月23日
すぎなみ詩歌館やさしい俳句講座
荻窪にあるすぎなみ詩歌館(旧角川源義邸)での
やさしい俳句講座が昨日で無事終了しました!
受講してくださった皆様、ありがとうございます。
そしてお疲れ様です。
全12回の講義&句会でしたが、あっという間の6ヶ月でしたね。
私の感じている俳句のいいところを皆様と共有したいと思って
半年間、私なりに一生懸命伝える努力をしてきたように思います。
講座の最後に「俳句に出会えてよかった」と言ってもらえたことが
なんといっても一番の収穫であり、喜びでした^^
4月からは自主句会として継続します。
誰も欠けることなく引き続き一緒に句座を囲めること、とても嬉しいです。
これからも、よろしくお願いいたします。楽しみながら、頑張っていきましょう。
☆以下お知らせです☆
自主句会となりましたので、杉並区民以外の参加が可能になりました。
募集定員と部屋の収容人数に差がありましたので、人数に若干の余裕があります。
これから俳句を始めたいと思っている方で、句会に参加してみたい方がおられましたら
こちらからお問い合わせください。 ここをクリック!!
〇ゆきの会〇
会場 すぎなみ詩歌館 会場の詳細はこちらを
日時 毎月第2火曜日 午前10時~12時
出句 3句
2011年3月19日
高尾山火渡り
地震後まもない日にちのため見合わせも考えましたが、
予定を変えず、高尾山で行われる火渡り祭へ行きました。
高尾山薬王院の山伏によって行われる修行の一つで、
護摩焚きの火により災厄を払うというものです。
もうもうと燃え盛り空へとあがる煙に乗せて、ご本尊である
飯綱大権現(いづなだいごんげん)に衆生救済を願います。
国土安穏、万民豊楽、災厄消除など数多の祈願の中で、
この場にいる皆の思いがもっとも強く一つになっていたのは
言うまでもなく「被災地復興」の願いでした。
この上を修行を積んだ山伏たちが祈祷しながら渡ってゆきます。
まだ赤々と火の粉が残る中です。
修験者のあとに、一般の人も渡らせてもらうことが出来ます。
私も裸足になって渡ってきました。
数え切れないほどの人が渡ったあとでもあり、均されて熱さは
それほど感じませんでしたが、地の熱さよりもむしろその場に
ある異様なまでもの昂った祈祷の熱を身に感じずにはいられませんでした。
一心不乱に祈る。修験道と参加したすべての人の祈りが
被災地へ届くことを願っています。
2011年3月16日
東北関東大震災に寄せて
震災で避難されている方々のことを思うと毎日胸が痛んで、苦しいです。
東京にいて離れていても、とても他人事とは思えません。
今は一人でも多くの命が助かりますよう、そして
被災者の方々への援助が手厚くなっていくことをひたすら祈っています。
原発の状況も気が休まることがありません。
状況を知らせる報道に日々惑わされていますが、
これも自分ではどうすることも出来ません。
最悪の事態を防ごうと尽力している方々の朗報を待つしか。
地震当日、私は自宅近くのファミレスで世田谷俳句大会の
打ち合わせをスタッフの方々としていました。
揺れ始めてすぐに、これは今までの地震と違うと思いました。
皆でテーブルの下にもぐり、揺れがおさまるまでじっとして
いましたが、その時間がとてつもなく長く、そして恐かった。
お皿が割れる音や軋む窓ガラスの音に戦きながら、
どうなってしまうのだろう、と一瞬さまざまなことが頭を過ぎりました。
その後も余震のたびに机の下に避難しては、打ち合わせを続けた
のですが、震源地に近いところではそのとき想像を絶する被害が
起こっていたことを思うと・・・・。また辛くなります。
地震の恐さと被災地のありさまにしばらく精神状態が悪く
バランスを崩していましたが、少しずつ落ち着いてきました。
東北の方の辛さに比べたら何のこれしき!ではありますが、
それでもやはり不安な毎日です。
あっ、今もまた余震がありました。
でも、これだけ未曾有の被害を思うと、
怪我もなく無事でいられたことはありがたいことです。
だからこそ、今何ができるのだろう、と強く思います。
もちろん、個人で出来ることなどたかがしれていますが、
個人個人が他人事ではなく強く被災地のことを考える思いが
何かの力になっていけるように思います。
「海」の仙台支部の方の安否がまだわかりません。
無事に避難されていますでしょうか。
どなたか連絡が入っていましたら教えてください。
2011年3月11日
早稲田大学オープンカレッジ・俳句講座のお知らせ
4月より早稲田大学オープンカレッジの俳句講座の講師をつとめます。
講座名 「現代俳句―鑑賞と実作―」 年間講座です
講座の申し込みが本日からスタートしました!!
電話でのお申し込みはこちらです。
早稲田大学エクステンションセンター
℡ 03-3208ー2248 午前9時30分~
詳しい情報はこちらのパンフレットをご覧ください。
↓ (クリックすると見られます)
新しい出会いを楽しみにいたしております^^
2011年3月 9日
俳人協会賞授賞式
俳人協会各賞の授賞式と懇親会に出席してきました。
新人賞は岩田由美さんの『花束』と上田日差子さんの『和音』、
協会賞は斉藤夏風先生の『辻俳諧』。
『花束』と『和音』は総合誌で句集評を書かせていただいた句集で
2冊とも好きだったので受賞されて私も嬉しく思いました。
三方とも受賞のスピーチがとても謙虚で、先輩方が見せた
俳句に向き合う真摯な姿勢に、改めて身を正される思いでした。
懇親会はいろんな人と話しているうちにあっという間に時間が
過ぎました。若手では大学時代から知っている杉原祐之君と
中本真人君に遭遇。鞆彦さんも来ればよかったのに。
年配の方が圧倒的に多いので同世代に会うとほっとしますね。
ローストビーフは食べ損なったけど、今半のすき焼きはやっぱり美味しい。
お開きの後は、某雑誌編集部の方々と和やかにお茶して帰路につきました。
2011年3月 8日
猫柳
今日は杉並詩歌館での句会でした。
入口の傍らにある猫柳がかわいくて、
いつも触ってから帰ります。
猫好きの私には「猫柳」という名前がつけられている
だけで、もう、たまらなく愛おしい^^
みっちりと揃った銀白色の毛はビロードのように滑らか。
この花穂が猫の尾に似ているのでつけられた名前です。
写真の花穂は少し短くて、猫というより兎の尻尾みたいですね。
少し惚けはじめているのもありました。惚けると毛虫みたいで
その変わりようには、ちょっと驚きます。
最近は、少しふわふわと過ごしています。
のんびりというのではなく、忙しくしていながらも心がふわふわ。
目の前のことをこなすことに必死で、大事なことが疎かになって
いるような気がしているからかな。
もっと自分を高められるように地に足つけてやっていかなくちゃ。
そんなことを思う日々です。
2011年3月 7日
2011年3月 6日
2011年3月 3日
雛祭
寒の戻りで凍えそうですね。
雛祭寒波だそうです。東京の気温は1℃だとか。
今日は雛祭。貝雛を飾りました。
貝雛は緋色の小座布団の上であたたかそうです。
小さい頃に母が飾ってくれた段雛は今はもうないのですが、
「これだけは残しておきたくてね。覚えてる?」と言って扇形の
木の置物を見せてくれました。
「もちろん、覚えてるよ」
それは雛段の一段目の中央に飾っていたもの。
私がお気に入りだった「雛祭」の曲が流れるオルゴールでした。
後ろにあるネジを巻くと「灯りをつけましょぼんぼりに~」の曲が流れて
くるのが嬉しくて、曲が止まってはネジを巻き、雛段の前から動かなかった私。
久々に見て、遠い日の記憶が蘇ってきました。
母にとってもこのオルゴールは忘れ難いものだったんだなあ。
昔の思い出に胸が少しキュッと鳴りました。
2011年3月 1日
CHURYOふたたび
絶えず〈眼と心と技術〉の訓練をすることです。
彫刻家は一個の像の中に表現のための〈空間〉と〈時間〉
をできうる限りつめこまねばならない宿命を持たされていて、
それには高度な精神と技術が必要になってくるからです。
―佐藤忠良―
展示作品の傍らに掛けられてあった忠良の言葉。
はっと思って書き留めました。
〈彫刻家〉を〈俳人〉に置き換えて、自分の中に瞬時に響くものが
あったからです。俳句の場合は〈できうる限りつめこまねば〉という
あたりがニュアンスが違って、省略だったりしますけれど、
でも定型の中へ凝縮する、ということと同義かなと思いつつ、
何よりも「絶えず〈眼と心と技術〉を訓練すること」という言葉に
身を正される思いがしました。まさに俳句も同じ。
そうでなければ、人を惹き付ける作品は生まれないということを
強く思います。
私は俳句は書くものではなく、詠うものだと思っているのですが、
それでもやはり〈技術〉は必要なのです。
絶えず訓練するというのはかなり大変なことです。
適当なところで妥協してしまいがちですから。
でもこうあらねばいけないと、改めて思っています。
2011年2月28日
一日、冷たい雨。
「海」3月号、無事発送終りました。みなさま、お疲れ様です。
3月号は通巻333号!!ぞろ目です^^ なんだか目出度い。
昨日は世田谷美術館で開かれている
「佐藤忠良展―ある造形家の足跡―」を見てきました。
忠良の彫刻や素描、絵本原画まで幅広く展示されています。
佐藤忠良という彫刻家があの「おおきなかぶ」の絵本の絵を
描いた人だとは、実は最近まで知りませんでした。
大きなかぶを「うんとこしょ、どっこいしょ」と引っ張るおじいさんやおばあさん、
犬や猫。その異国風の人物が強く心に残っていて、その絵の存在感は
圧倒的だったのです。なので、その原画が見られたことは幸せでした。
彫刻では、忠良の造る像の顔の表情が素晴らしくて、
傍らに立つだけで不思議な暖かさが伝わってきました。
ブロンズ像にこんな思いを感じたのは初めて。
いくたびブロンズ像に抱きつきたい思いにかられたことか。
それほどその存在を抱きしめたくなるような彫刻なのです。
子供は愛らしく、裸像は官能的というよりは柔和。そして無防備な
美しさを絶妙に捉えているところがいいですね。
佐藤忠良、本当にいいです。
3月6日までですので興味のある方は是非足を運んでみてください。
個人的には雪国の子供の姿を捉えた像と「帽子・夏」に代表される
お弟子さんをモデルに作られたものが好きでした。
2011年2月23日
春菊パスタ
昨日は夕方から座談会へ。
今年から「古志」の主宰を継がれた大谷弘至さんに
お声かけいただき、「古志」200号記念の企画としての
「季語」をテーマにした座談会に出席したのでした。
メンバーは他に村上鞆彦さんと神野紗希さん。
大谷さんとは三年ぶり(?)ぐらいでしたが、他の二人とは
日頃から仲良くさせてもらっているのでよく知ってはいるものの、
座談会というかたちで顔を合わせるのは初めて。
緊張を少しでも解そうと思って、会場近くのコンビニへチョコでも
買いにいこうとしていたら、地図を片手に佇んでいる村上さんを発見。
どちらに行こうか道を迷っているみたいに見えたので、すかさず
「村上くーん」と離れたところから呼んでみたのですが声は届かず。
結局すぐ目の前まで歩み寄って、ようやく気づいてもらえました。
コンビニに行くのにつきあってくれたので、
「なんだか緊張しちゃって、チョコでも食べてリラックスしようと思ってね」
といったら、そんなものでリラックス出来るの?という不思議そうな顔を
しながら、「チョコありますよ」といって差し出してくれた村上さん。
ちらっとみたら「BLACK」という文字。あっそれ甘くないやつでしょ、
と丁寧にお断りして、私はアーモンド入りの甘ーいチョコを買ったのでした。
さて、座談会。チョコ効果があったのか、比較的リラックスして話しを
することができました。「季語観」や「取り合わせ」の話しをしながら、
それぞれの向き合い方を聞いているうちに、改めて自分の中でも
気がつかされることがありました。
まあ、なんだかんだ言っても、結局は作品ありきだなという感じです。
作句工房も面白いけれど、どんな作品を詠むか、そしてそれをいかに
読むか。その両輪で、どちらの力が衰えていっても韻文である俳句の未来に
とっては危ないことだということです。それにはたくさんのことを知ること。
古きを知ってなお新しくいること。新しくいたいと思うこと。
それが出来るか出来ないかが大切なことだと思いました。
今日は句会のあと神保町へ。
仕事のゲラを届けながら打ち合わせ。
せっかく神保町へ出たので、少し足を伸ばして
夕飯を食べにアンチヘブリンガンへ行きました。
句会のためには来ていても、食べにくるのはひさびさ。
一人だったのでカウンター席に座ると、お隣に同じく一人で
来ていた常連さんらしき女性と何とはなしに自然とおしゃべり。
彼女はNGO関連で日本と海外を行き来していて、つい最近日本へ
戻ってきたのだそう。自分とは違う世界でぜんぜん詳しくないながらも、
なんだか素敵なお仕事をしているんだなあ、と感心。
またこの場所で新しい出会いをもらいました。
前菜の盛り合わせ(これが美味しい!)とお気に入りの春菊パスタを
オーダーして、オーナー夫妻と俳句話などして楽しい夜を過ごしました。
ワインごちそうさまです^^
2011年2月20日
2011年2月17日
2011年2月12日
切り紙とショコラ
友達と切り紙とケーキ作りのワークショップに参加しました。
幼稚園みたいになっていますが、目下切り紙製作中の風景。
切り紙はケーキの敷き紙にしたり、粉砂糖で模様を描くのに使うの
が主な目的ですが、ワークショップなので各チームでテーマを
決めて切り紙の作品作りをすることになったのです。
テーマは〝春の野原でピクニック〟
窓に春の雪が降り続くなか、みんなものすごい集中力と想像力で
春の切り紙を生み出していました。(注:ケーキはオーブンの中)
折り紙を畳んで切っていくので、イメージ通りのものに仕上げるのが
なかなか難しいんです。開いてみるまでどんな風になってるのか
解らないドキドキ感があって、失敗したり思わずいいものが出来たり。
その成果はこんな感じ。切り紙とケーキのコラボです。
部分だけなので解りにくいですけど、てんとう虫がいたり、
蝶が飛んでいたりするんですよ。
ケーキの上の模様ももちろん切り紙で制作したもの。
ケーキメインだと思って参加したのですが、参加してみたら
むしろ逆で、切り紙に熱中しすぎてしまいました。
最後はケーキとプロが入れてくれたこだわりのコーヒーを
いただいて、ワークショップ終了!!
美味しく楽しいひとときでした。
2011年2月11日
2011年2月 8日
海炭市叙景
佐藤泰志原作、熊切和嘉監督の映画「海炭市叙景」を観ました。
「この映画を観ることが出来てよかった」
これが、素直な感想。
寡黙に語りかけてくる映画です。
まさに「叙景」というにふさわしい映像と演出に心打たれます。
ぜひ、一人で観に行ってみてください。
2011年2月 7日
夕景
昨日の夜は、神保町のアンチヘブリンガンでの句会。
4回目にしてようやくお店までの道のりをスムーズに行けるように
なりました。方向音痴ではないのですが、位置を把握するのが
ちょっとだけ苦手なのです。
句会の後は居酒屋へ。
くえ鍋を食べました。くえの味は・・・・、あれ思い出せない。
ほとんど日本酒しか飲んでないような気がする。
でも、たぶん食べたんでしょうね・・・・・;
四省さん(しわぶきと読む)の誕生日の祝句を色紙に書いたり、
席題句会に盛り上がったり、楽しい夜を過ごしました。
前に「日々の記」で会いたいと書いていたねぎさんにも会えました。
(水口さん、また間接的につながりましたよ~。水口さんも句会来ませんか~^^)
ここに来るとかならず新しい出会いがあって面白いです。
人だけでなく、本や映画との出会いも。
「海炭市叙景」さっそく観に行ってみます。
2011年2月 6日
成瀬巳喜男
昨日は世田谷文学館で成瀬巳喜男監督の映画
「めし」を観てきました。
今、「成瀬巳喜男の昭和」と題した企画展が開かれていて、
その関連イベントとして上映されたものです。
成瀬作品は、2年ほど前に勧められて「浮雲」を観て以来なので、
今回で二度目。なので特別なファンというわけでもなく、
実は、映画上映よりもその前にある川本三郎さんのトークショーが
聞きたくて、足を運んだのです。
川本さんは、かなり昔から成瀬作品のファンだそうで、
昔というのは、今みたいに評価が上がるずっと前、
編集者が誰一人成瀬の名前を知らなくて、彼について
書きたいという企画が編集会議で没にされるぐらい
世間でその名が埋もれていた頃からずっと好きだったそうです。
昔、映画評論家の淀川長治さんに一番好きな映画監督を
尋ねられたとき、迷わず「成瀬巳喜男です」と答えたら、
「やだ、あんな貧乏くさい」といって一掃されたという話、
あの、淀川さんの特徴のある喋り方をちょっと真似て言って
いて、思わず笑ってしまいました。
因みに淀川さんの好きな監督は溝口健二なんですって。
川本さんいわく、溝口作品は絢爛豪華、遊女や娼婦に生きる女の
世界。成瀬作品に出てくるのは普通の市井の女で対称的。
淀川さんがそうおっしゃるのも納得とのこと。私は溝口作品はまだ
見たことがないのですが、「鬼龍院華子の生涯」や「櫂」「吉原炎上」
とかの五社映画が好きなので、もしかしたら私も淀川さん派かも・・・
と思いながらも、川本さんの軽妙なトークに散りばめられる成瀬作品
の魅力も気になってしょうがない。
女優の使い方の話では、小津安二郎の映画の原節子は幸せな娘役だけれど、
成瀬作品に出ると途端に糠みそ臭くなるとか、田中絹代も溝口監督は遊女や
きらびやかな女として魅せるが、成瀬作品では苦難を乗り越えて懸命に働く
母親役(「おかあさん」)で出てくるとか。ふむふむ。なるほど。
川本さんいわく、成瀬作品のキーワードは
「貧乏」「金」「未亡人」
裕福ではなく、お金の話が多くて、必ず未亡人が出てくる。
これだけ見るととてもネガティブな感じがしますが、
川本さんが「明るい貧乏」と言っていたけれど、暗い話を笑顔で語るという
ところが、見ていてとても言いのだそうだ。
(これも納得。「めし」はこのキーワードがすべてが出てきた)
時代とともに貧しくもつつましく日々の暮らしを懸命に生きる人々
それをみじめったらしく描くのではなく、生活の折々の悲哀をたんたんと描いていく。
そこが成瀬作品の魅力。ということが、話を聞きながらじわじわと伝わってきた。
「めし」ではちょっとしたユーモアがいくつも散りばめられてあって、
それが見ている人の心をほっと和ませる。
三千代役の原節子が東京の実家に戻って、道でばったり子供を連れた
友人(戦争未亡人になっている)と再会してお互いの近況を話す場面が
あるのだが、ふと道に出ているチンドン屋を見つけて、
友人 「あのふたり、夫婦ね」
三千代 「あら、どうしてそんなこと分かるの?」
友人 「だって、歩き方があんなにそっくりだもの、夫婦じゃなきゃ
あそこまで、揃ったりしないものよ」
ちょっと正確ではないけれど、こんな風な会話を交した後、
それぞれが見せた顔の表情が私はとても心に残った。
何気ない場面だが、その表情に二人の心の機微がうまく捉えられていると思った。
成瀬作品、次はさっそく「おかあさん」を観てみようかな^^
2011年2月 1日
早稲田大学オープンカレッジ・俳句講座のお知らせ
早稲田大学エクステンションセンターで俳句講座の講師を務めます!!
講座名:「現代俳句―鑑賞と実作―」 年間講座 4月開講
実作と講義の二本立てですので、俳句をこれから始めてみたい方、
俳句のことや作品についてもう少し深く学んでみたい方などにお薦めです。
講座のパンフレットはこちらから見られます。
早稲田大学エクステンションセンター2011春講座パンフレット
早稲田校と八丁堀校がありますが、私の講座は八丁堀校です。
「八丁堀校」をクリックしてみてください。「総合」→「文学」48頁にあります。
興味がありましたら是非いらしてください。お待ちしております ^^
2011年1月31日
鳥たち
昨日は句会でした。
部屋の窓から見える空が真っ白で
ずいぶんと寒そうだなあと思って見ていたのですが、
雪が降っていたことは知りませんでした。東京では初雪。
いつ降っていたんだろう。
句会の後はいつものように近くのお店へ。
軽く飲んだり食べたりしながら俳句の話をします。
もちろん、俳句の話だけじゃないけれど。
リラックスして言いたいことをいっているうちに、
あっと気が付くことがあったり、逆に気付かされることが
あったり。句会も好きだけど、この時間も好き。
句会で一番好きなのは、選句をしているときのしずけさ。
これはもう前からそう。
それまでガヤガヤしていた会場が途端に静まり返り、
紙の擦れる音とペンの走る音だけが聞こえてくる。
あの緊張感がたまらなく好きです。
雪の降る前の張り詰めたようなしずけさにもちょっと似ているのかも。
だから選句中におしゃべりのある句会は苦手。
今日は1月最後の日。
もうすぐ春ですね。
2011年1月29日
氷張る
散歩の途中で見つけた池の氷。
夜の冷え込みで凍ったんですね。
池といっても図書館の前に作られた小さな池で、
日陰になっているところだけに氷が張っていました。
浮いている氷を持ち上げてみたら、5ミリぐらいの厚さ。
先客の男の子達が割ったり投げたりしてだいぶ細かくなって
はいましたが、それでも凍った端を持ち上げようとすると1メートル
ぐらいの大きさのものも。
嬉しくなって「氷だ、氷だー」とはしゃいでいたら、
男の子たちも気を使ってくれたのか、ふと気がつくと
場所を譲るようにどこかへ行ってしまいました。
「これ以上氷を割るな」オーラが出ていたのかもしれませんね・・・・。
もっと大きな氷のかけらを見つけようと、
一人占めとなった池で、しばらく遊んで帰りました。
氷をさわりすぎたので、指先が冷えて真っ赤に。
じんじんとほてったような痛さ。
子供の頃の雪遊びのあとの手の痛さを思いだして、
ちょっと懐かしくなりました。
2011年1月27日
2011年1月25日
ミニヨン
杉並俳句講座のあと、お昼にクラシック喫茶ミニヨンに寄りました。
チーズトーストとコーヒー。それからヨーグルトも付けて。
すぎなみ詩歌館から荻窪駅に戻る途中にあるので、
ほっと一息つくのに、ちょうど良い場所なのです。
席に着いたら、モーツアルトのヴァイオリン・ソナタ第28番ホ短調が。
この曲好き。
出たしのメロディが切なくて、ぐっと胸をつかまれる感じ。
と思っていたら、モーツアルトの母アンナがパリで客死した頃に
作られた曲なのだそう。
そういう背景を知ると、より深く胸に響いてきますね。
ミニヨンのあとはお仕事のゲラを届けに神保町へ。
ずっと気になっていたものがとりあえず手を離せて
こちらもちょっと一息です。
2011年1月24日
僕と妻の1778の物語
見に行きたいと思っている映画がある。
「僕と妻の1778の物語」
病気の妻を元気づけるため、毎日毎日妻のためだけに
物語を綴っていったという話。
この話、実話だというのがすごいと思う。
そのモデルとなっているのは作家の眉村卓夫妻。
ふたりの愛のかたちをしっかりと見たい。
ところで、眉村卓さんが俳句を作られることを私は知らなかった。
なぜ知ったかというと、林誠司さんが眉村さんの俳句について
ブログに書いていたから。
夏目漱石や芥川龍之介、久保田万太郎など、俳句専業でない人たちの
俳句は文人俳句と呼ばれている。だから眉村さんの俳句もその中に入る。
林さんの文章を読むと、俳句には頭で理解するだけでは決して引き出せない
魅力がある、ということがわかるし、そのことにとても共感する。
俳句はそこに書かれている文字(テキスト)だけではない。
詠んだ人の心、読む人の心。二つの心が響きあって初めて見えてくるものが
あることをけっして軽んじてはいけないと思う。
是非、こちらを読んでみてください。
2011年1月23日
2011年1月22日
2011年1月21日
おめでとう ♪
角川俳句賞の授賞式と新年会に出席してきました。
写真は受賞者の山口優夢くんと。
26歳の受賞は田中裕明さんの次に若い受賞とのこと。
俳壇に新しい風が吹いてきています。
まだ高校生の優夢くんと初めて出会った頃のことを
懐かしく思い出したりしました。
私も年取ったけど、優夢くんも貫禄ついたね^^;
受賞作では、
花ふぶき椅子を抱へて立ち尽くす
しらうをも市場も濡れてゐたりけり
エレベーターあかるしコートの雪払ふ
とかが好きでした。受賞第一作の
くちびるに笛のつめたし秋桜
白息に白息触れて消えゆけり
寒満月けものの影が檻の外
も好きです。
とにもかくにも、受賞おめでとう!!
とてもよい刺激をいただきました。
(勝手に写真載せちゃったけど、マズかったら言ってね)
その他、久々にお顔を見れた方々とごあいさつできて、
東京會舘で絶対はずせないロースとビーフとカレーもちゃんと食べれて、
楽しく有意義なひとときを過ごしてきました。
2011年1月19日
2011年1月17日
2011年1月13日
2011年1月11日
講座始め
都心でも零下という予報どおり、今日は朝から冷え込みました。
今日からすぎなみ詩歌文学館での杉並俳句講座の新年がスタート。
年明け最初の日なので張り切ってでかけたのですが、
電車のトラブルで足止めをされて、講座始まって以来初の遅刻!!
しかも今日は午後から俳人協会の賀詞交換会があるため、
少しおめかしして高いヒールを履いていたので、
余計に足取りも遅く、必死な思いで会場へ向かいました。
席に着いたら、目の前にかわいらしい兎が。
ヒールで足がじんじんしていたのですが、そんな痛みも
吹き飛ぶほど、一気に目の前が華やいで、気分も晴々。
嬉しいことに、今年の干支の兎を折り紙で作ってきてくださったのです。
しかもちゃんと緋毛氈の上にのせて、「卯年」という立札まで。
兎の目にはスワロフスキーみたいなきらきら光るものが付いていて、素敵なのです。
初句会にあわせたその心遣いにとても感激してしまいました。
多美さん、ありがとうございます。
家についてから、さっそく玄関に飾りましたよ。
初句会、誰もお休みなく、みなさんのお顔がみられて嬉しかったです。
また、今年一年楽しみながら(苦しみながら)いい句目指して頑張っていきましょう!!
2011年1月10日
小田原吟行
日だまりや梅のかをりに人動き 由季
昨日は冬晴れの吟行日和の中、小田原を歩いてきました。
誘ってくださったのは、上野一孝さん。
一孝さんの評論集『風の声を聴け』に私の句を引用してくださったのが
ご縁で、それから親しくさせていただいているのですが、
一見クールに見えて、実はとっても熱くて面白いところが好きです。
以前若手の句会にゲストで来ていただいたことがあったのですが、
年齢の差を感じさせないほど我々と打ち解けてくださって、しかも
上からではなく、同じ目線で熱く俳句について語ってくださったのが
とても印象的だったのを覚えています。
散策は小田原文学館→海→小田原城というコース。
小田原文学館には藤田湘子先生の句碑と展示コーナーがあるということで、
小川軽舟さんが案内してくださいました。(これってすごい贅沢な感じですね)
ほどよい大きさの、良い佇まいの句碑には「愛されずして沖遠く泳ぐなり」の
句が刻まれています。
文学館でも小田原城でも、早くも梅が咲いているのには驚きました。
しかもほつほつというのではなく、満開に近いほどひらいている木も。
白梅、紅梅、それから蝋梅も咲いていて、一足先に春を感じたような気分。
実際に昨日は春のようなあたたかさで、小田原は本当に暖かいんだなあと
思っていましたが、今日のニュースを見ていたら、例年よりも16日くらい早い
開花なのだそう。その早い開花を目の当りにして、梅との出会いがもっとも
心に残りました。
小田原の海、御幸の浜。
海風はさすがに冷たい。そんな風にもめげず、
果敢に突堤の先まで攻めていくみなさん。さすが、俳人。
色々な句に出会えて、句会ではいい刺激をいただいて、
帰路につきました。
ご一緒していただきましたみなさま、ありがとうございました。
2011年1月 9日
2011年1月 8日
松過ぎ
人日の骨鳴らされてゐたりけり 由季
今日は8日。ところによっては違いますが、たいてい7日が松納めで、
この日に門松をとるので、今日あたりから門松も正月飾りも見なくなりました。
正月気分もそろそろ抜けて、街も普段の顔を見せ始めています。
松過ぎの新宿のビル群。カーテンを開けるといつものようにすっくと聳えて
いました。この景色をじっと眺めるたび、
新宿ははるかなる墓碑鳥渡る 福永耕二
の句を思います。はるかなる墓碑、その裏にある作者の胸の内をいつも
考えてしまうのです。
昨日7日は、人日でしたね。また七種粥を食べて万病を除く信心の日でも。
七種は本当はお庭で摘んだもので作れたらいいのですが、
今はセットになってスーパーで売っている時代になりました。
それもみな日本人の信心深さあってこそ。よく知らなくても気分だけは
しっかり味わいたいと思うところがあるのでしょうね。
せり、なづな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これや七種(ななくさ)
万葉の時代から現代にまで続いているこの風習、大切にしたいものです。
人日(じんじつ)というのは中国からきた呼び方。
元日から8日まで、それぞれ~の日というのが決められていて、
因みに、元日から鶏、狗、豚、羊、丑、馬、人、穀。
7日は人にあたるので、人日。
改めて見てみると、どれも人の暮らしに欠かせないものばかりですね。
でも平等に8日のなかに人が組み込まれているあたり、ちょっと意味している
ところがありそうです。
七種粥は食べて邪気は払ったのですが、肩こりからくる頭痛がひどくて
堪らずに、昨日は整体にかけこみました。
勝手な言い分ですが、人日は自分を労ってあげたくなる感じがしますね。
人の日ですし・・・・・・・・・・;
ボキボキと骨をならされて、すっきりしてきました!!
2011年1月 5日
タライ岬
凧引き合つてゐる空と海 由季
久し振りに凧揚げの風景を見ました。
凧は「いかのぼり」。凧揚げのことですね。
風に乗って勢いよく上がる凧に、存分に色を尽くす空と海。
少し冷たい海風に吹かれて立つ浜辺は穏やかで、新しい年の波音を
くりかえしくりかえし、ただ静かに聴いているようです。
海岸沿いを歩いてタライ岬へ続く山道へ。
緩やかな登りを越えると、海桐(とべら)の木のトンネルがあり、
その先にようやく海が見えてきます。
さすがに岬は風が強くて、轟々と吹き荒ぶ風に話す声も掻き消される
ほどでしたが、自然の見せる青は言葉を失うほど美しく、
ただただ感動して景色に浸るばかりでした。
帰り道に仲良くなった野良猫のカブキ。
顔にカブキ役者みたいな模様があるのでカブキ。
たくさん遊んでくれてありがとう。
また会えるときまで、元気にしているんだよ。
2011年1月 4日
2011年1月 3日
三が日
写真は熱田神宮の大楠。
暗いのでちょっと怖いですね~。
今年の年末年始は愛知で過しました。
初詣に熱田神宮へお参りしようと向かったのですが、
もう、すごい人の数。せっかく行ったので頑張って
お参りしてきたかったのですが、あまりの列の長さに
あえなく断念。はるか彼方にいる神様に一礼して、
別の神社へお参りしました。
東京の三が日はどんな感じだったのでしょうね。
こちらは三が日は好天に恵まれて、比較的過しやすかったですが、
大晦日の朝は雪でした。初雪です。
ちょうど前日に「初雪」の句をアップしていたので、ちょっとびっくり。
句が雪を呼んだのかもしれませんね。
何かと慌しく過ぎていった感じの年末年始でしたが、
今年の正月は百人一首の歌留多とりをしたり、初笑いに大須演芸場へ
行ったりと、正月らしい気分も味わいました。
明日から下田へ行きます。
爪木崎の水仙や海を見て、新年の句を作ってきたいと思います。
2010年12月29日
2010年12月25日
2010年12月22日
2010年12月21日
冬満月
昨日の暮れ方の月。あたりに明るさが残る中でひときわ輝いて
空に浮んでいました。まだ低いところにかかっているので、
手のとどきそうなほど近く、大きな月。
満月かな、と思って調べてみたら今日が満月。
冬の月は冬三日月、冬満月、月冴ゆる、などの言い方があります。
冴ゆるというように、寒さに研ぎ澄まされたような輝きが本意ですが、
冬満月にはなぜか優しさを感じます。寒空の中の全き円というとこ
ろに、ほのとした安らぎを覚えるからかもしれません。
逆に三日月は冴え冴えとして冬月の極致という感じ。
切っ先が空に刺さるようで、見ているだけで一層寒さがつのります。
同じ満月でも寒さが厳しくなった頃の「寒満月」は違って、こちらには
私も冴え冴えとした冷たさを感じます。
「寒」という響きがそう思わせるのかもしれませんが、「寒満月」は
鏡面のようで、月自体の輝きもどこか違うような。喩えていてば
同じ円でも「寒満月」には触れたら怪我をしそうな光の鋭さがあるのです。
今日の夜空のお天気はどうなのでしょう。冬満月、きれいに見られるといいな。
2010年12月20日
2010年12月17日
2010年12月16日
2010年12月15日
2010年12月14日
クリスマス
今日の午前は杉並の俳句講座。
冷たい雨が降っていたので、出席状況が少し心配でしたが、
みなさんきちんといらしてくださって、ありがとうございました。
高浜虚子の人と作品のお話、
短い時間では虚子について語りきれませんが、
まず始めは作品を通して、虚子の持つ様々な顔を
知っていただくことが出来ればいいと思っています。
虚子の魅力の一つは、その句柄の幅の広さです。
みなさんと作品を読んでいたら、、ドラえもんのポケットが
ふっと頭に浮んできました(^^)
「虚子の句ってドラえもんのポケットみたいだ」。
素敵なものがいろいろ出てくるのですが、
たまに変なものが出てくるところが特に似ているような気がします。
とにもかくにも、虚子は本当に大きいです。
さまざまなものを抱え込んで茫漠と広がっている宇宙のような大きさ。
また折に触れて、お話していければと思っています。
ミニ句会の兼題は「クリスマス」。
意外に難しくて、私も苦戦しました。
黒猫に紅きリボンやクリスマス 千楓
今日、いただいたうちの好きな一句。
黒猫の首輪に付いていた紅のリボン。
黒猫だけに、その紅色が一層際立って見えてきます。
その紅とクリスマスの明るさが響きあって、愛らしくも
この季節ならではの華やいだ気分を感じさせてくれる一句です。
2010年12月13日
冬のお薦め
東京はひさしぶりの雨。窓から見える景色が白々としています。
ここ最近は冬晴れつづきで、気温も温かでしたが、
一雨ごとに冬の寒さが増していきそうな予感がします。
過ごしやすいのは良いことですが、冬があまり暖かいのも心配になるので、
やはり適度に冬らしくなってもらわないと。
東京の冬は雪があまり降りませんが、雪が来る前の底冷えというか、
あのしんしんとつのり来る寒さが好きです。
でも、必ずお腹が痛くなる(^^;)こういう時の腹痛は母いわく「雪っ腹」と
言うらしく、腹痛を訴えてもあまり心配されません。私もいつものことなので、
「明日、雪だね」なんて言って合図になっていたりします。
東京に本格的に雪が降るのは春ごろですね。
〇「アヴェ・マリア名曲集」
〇フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルの「田園」
〇マリアカラスの「トスカ」「マダムバタフライ」のアリア
最近、ヘビーローテーションで聴いているCD。
歌ものはどちらも、私の中では冬の寒いときに聴くのにお薦めです。
歌声と寒さが相俟って部屋の中が浄化される不思議な心地を味わえます。
フルトヴェングラーは今さらながら、その素晴らしさに圧倒されどおし。
彼が振ると「田園」は本当に「田園」なのです。これって本当にすごい。
アヴェ・マリアは個人的にはカッチーニ作曲のものが好きです。
マリアカラスの「トスカ」以外は比較的どれも癒し系ですので、
疲れた時にもお薦めですよ。
よろしければ、どうぞお試しください^^
2010年12月11日
2010年12月10日
紗希ちゃん
今日も冬晴れの一日。
お昼を食べに出たついでに、豪徳寺を散歩してきました。
豪徳寺は彦根藩井伊家の菩提寺で、桜田門外の変で暗殺された
井伊直弼の墓所があります。(安政の大獄、映画やりますね)
それから、ここは招き猫発祥の地とも言われていて、
境内にはごらんの通り、招き猫がたくさん。
ここはご利益を得た招き猫を納めるところで、
隣には招猫観音が祀られています。
何でも、藩主の井伊直孝が寺の前を通りかかったところ、
門の中から自分を招く猫がいたそうです。招きにこたえて寺に入ると、
自分がさきほどまでいたところに雷が落ちて猫に命を拾われた、というお話。
それからは猫を大事にして祀っているのだそうです。
年末には我が家の招き猫も奉納しに行かなくちゃ。
帰ってきてHPを開いたら、びっくりするくらい急上昇のアクセス数。
あれあれ、招き猫のご利益?と思っていたら、
招き猫は神野紗希ちゃんでした^^
紗希ちゃんのブログで私のHPを紹介してくれたのです。
全然知らなくて驚きましたが、嬉しかったです。
ありがとう、紗希ちゃん ♪
「海」には紗希ちゃんファンがたくさんいますよ。
私も昔からのお友達で鼻高々です。
初めて会った私のなかの記憶は、東大構内の吟行だったかなあ。
そのときの初々しくて弾けるような笑顔を今でも覚えていますよ。
あの日からもう10年くらい経ってるなんて、改めて思うと驚くね。
来年の座談会、同席できて光栄です。私も楽しみにしています。
2010年12月 9日
オアシス
昨日吟行していた日比谷公園の噴水。
木々に囲まれたその周りは、ぐるりと高層ビル。
ここは本当に都会のオアシスですね。
広さも程よいですし。
日向のベンチや木々を見れば、猫たちの姿。
日だまりにいる猫ってこの上なく幸せそうで癒されます。
心地良さのためにはなんでもありな感じのところも。
「自分の心地良さを優先する」っていう猫が出てくるCMの文句が
ありましたけど、猫好きにはそこがたまらなく愛おしいんですよね。
昨日はジョンレノンの忌日でした。
私の印象ではこの日はいつも美しいほどの青空なんです。
レノンを想うと特別な青に見えるからでしょうか。
レノンがいなくなってから、30年。
レノンの歌声も、思いも色褪せることなく、
今でもわたしの心の深いところを満たして癒してくれます。
2010年12月 8日
2010年12月 6日
んがん句会
昨日は神保町の「アンチヘブリンガン」でやっている
「んがん句会」にお邪魔してきました。
以前、日々の記に登場した食堂カフェのお店です。
しばらくしてからまた訪れたのですが、
オーナーが店の片隅で開いていた「歳時記」を
目ざとく見つけてしまったのです。
カフェで歳時記を開いている人に遭遇することって
ほとんどないですから、これはお声をかけねばと思って、
「俳句されるんですか~?」
「ええ、まあ仲間でちょっと」
「私も俳句やってるんですよ」
「え?お客さんでそういう方がいらしたのは初めて」
「明日も句会で~」
といった思いもよらぬご縁で、みなさんがやっている句会に
お招きいただいたのです。俳人は私ひとりでしたが、
メンバーはオーナー夫妻とお店の常連さんで、職業もさまざま。
(書店、出版社、作家さんなど本に携わる人が多いですね。)
みなさん素敵に個性的な方ばかりで、2時間ほどの句会で
お腹と喉が痛くなるくらい、たくさん笑わせられました^^
普段の自分の句会では味わえない面白さがありましたね。
ほんとは句会風景を撮りたかったのですが、そんなことで
すっかり忘れてしまって。
後ろの本棚の本は読むこともできて、お店のために作家が
書いてくれたサインや絵などもあったり、本好きの人には
たまらない場所です。
まだの方はぜひぜひ、行ってみてください。
また次回の句会が楽しみです。
今回の句会には居なかったのに
居るかのごとく名前の登場した話題のねぎさんにも会えるといいな。
2010年12月 3日
2010年12月 1日
出会い
先日、詩人の野村喜和夫さんご夫妻と会食をしました。
奥様はフラメンコダンサーの野村眞里子さん。
野村さんとは「文藝春秋」の同じ号に作品を発表させていただくというご縁。
不思議なご縁で、ちょっと緊張しましたがフランスの話、文学の話に
素敵なひとときを過しました。
三茶の美味しいイタリアンを教えていただき、そこの名物という
とーっても長いソーセージ(1メートル注文)に驚き、
オマールエビのリングイーネにはほっぺたが落ちました。
トリュフとポルチーニのピッツァもいい香りだったなあ。
あっという間に時間が過ぎてしまいましたが、
野村さんの温かでどことなくチャーミングな魅力と、
眞里子さんの穏やかさの中に見え隠れする情熱みたいなものが印象的で、
タクシーに乗る二人を見送ったあとも、いつまでもその余韻が残りました。
2010年11月30日
2010年11月29日
2010年11月26日
柚子
高円寺のクラシック喫茶「ネルケン」の庭にあった大きな柚子。
柚子の明るい黄色は気分まで明るくなるようで大好きです。
柚子の実は秋の季語。でも、柚子の実は冬の生活でも大活躍します。
お鍋に添えたり、冬至に健康を願って柚子湯に入ったり。
我が家では正月のお雑煮に皮を削いで香り付けに入れたりもします。
柚子って実がなるまでにとっても時間がかかるんですよね。
「柚子の大馬鹿18年」なんて言ったりして。
たくさん実をつけていたこのお庭の柚子。
植えられて初めての実をつけた時はきっと喜ばれたんだろうなあ。
店主のマダムの品のよい笑顔を思い浮かべながら、ちょっと想像してみました。
今日は仕事の打合せでした。
春から新しい講座が始まることになりました!!
詳細はまた改めて告知させていただきます。
2010年11月25日
返り花?
昨日は吟行会で埼玉県新座市にある平林寺へ行ってきました。
志木駅で降りて、そこからバスに乗って平林寺へ。
冬紅葉が見事ということで、日にちを選んで計画してくださった
のですが、まさにグッドタイミング。
山門からすでに燃えるように色づいた紅葉が迎えてくれました。
もう少ししたら見事な紅葉も散り始めてしまうでしょう。
紅葉も見事でしたが、平林寺は武蔵野の面影を見ることが出来る
場所であることも分かりました。
少し前に、独歩の武蔵野の話を書きましたが、平林寺もやっぱり
雑木林の頃の武蔵野の面影。平林寺については田山花袋が
「武蔵野の昔の匂いを嗅ごうとするには野火止(のびどめ)の
平林寺付近が好いね」と語ったとのこと。野火止は地名にもなっていて、
境内には火事の見張り台に作られた野火止塚が残っていました。
野火止塚残る紅葉のただなかに 由季
吟行の帰りに道端で桜の花を見つけました。
冬桜か桜の返り花か。冬桜にしては花弁が大きいので
返り花かもしれません。
はかなくて、ほとんど目立たないほどなのに、
なぜか引き止められてしまいました。
2010年11月23日
万両
勤労感謝の日、みなさまはいかがお過ごしでしたか。
私は杉並の俳句講座でした。
万両や千両が赤い実をつけ初めて目に触れるようになりました。
秋の草花が終わって色の無くなった杉並詩歌館の庭にも、
点々とともるように色付いていました。
万両、千両を見ると、なぜか冬を強く感じます。
初めてこの実の名前と姿の違いを覚えたのが鎌倉の寿福寺で、
張り詰めたような冬の空気をその姿とともに思い出すからかもしれません。
万両は実が下向き、千両は上向き。万は千より多くて重いから。
間違えないように、そんな風に覚えたことも思い出しました。
ちなみに、十両もありますよ。十両は藪柑子のこと。
他の二つに比べて丈が低く、これはちょっと見付けにくいです。
2010年11月22日
夢の旅
旅には夢見る旅と余儀ない旅がある
沢木耕太郎
昨日行ってきたホテルオークラでの沢木耕太郎氏講演会で
印象的だった言葉です。
沢木氏は、世界中で僕には行ってみたいと思うところが
もうほとんどないような気がすると言っていました。
余儀ない旅はあっても、夢見る旅はおそらくたいていをし尽くして
しまったという意味だと思います。
余儀ない旅とは、簡単に言えば仕事の旅。
夢見る旅とは、他者の都合に合わせず、自分の思うままにする旅。
夏だったか、オックスフォードに在籍している友人の息子さんに会いに
行って大学寮のゲストルームに滞在し、談話室で学生達に混ざって
よく聞き取れない英語に耳を傾けながら語り合っているときに、
「こういう旅はもうこれが最後かもしれないなぁ」とふと思った、とも言っていました。
夢は思い描いているうちが夢で、
それがかなって継続的になってしまうと夢でなくなってしまう。
余儀ない旅もおそらくもともとは夢の旅だったはず。
でも余儀ない旅があるからこそ、また新たな夢の旅に発てるような・・・。
冒頭の言葉には私なりに考えさせられるものがありました。
「旅」を仕事や趣味や生活に置き換えてみてもいいかもしれません。
それぞれに思うところがあるのではないでしょうか。
2010年11月20日
二の酉
昨日は、若手俳人の仲間たちと酉の市吟行でした。
三の酉まである年はこころなしかもう少し余裕があったような
記憶があるのですが、今年は二の酉までということもあって、
二の酉である昨日は、驚くほどの人出で大賑い。
新宿の花園神社に辿り着くと、すでに入り口から参拝の長蛇の列で、
こんな人混みに飛び込む心の準備が出来ていなかったせいか
人波に流されながら、しばらく呆然としてしまいました。
酉の市は熊手市ともいって、福を呼び込む熊手や縁起物を売っています。
熊手に小判や招き猫、大入袋などの飾りが商売繁盛に繫がるので、
会社関係や商売の人たちがやはり目立ちました。
大きな福を呼び込もうと景気よく大金を叩いて熊手を買ってゆく様子は
異様な活気に満ちていて、何か別世界にいるような心地がしたほどです。
両親に頼まれた熊手を求めようと、私も一生懸命手頃で良さそうなものを
物色していたのですが、次第にその活気に呑まれてだんだんと気が大きく
なってしまったようです。
5千円くらいで探していた熊手が最終的には1万五千円に!!
場の空気って怖いですね。しかも縁起物の目出度い雰囲気は
それに一層輪をかけて冷静な判断を鈍らせるものです。
小さい熊手とあわせ全部で一万八千円。少しまけてもらいました。
個人の熊手としては奮発したほうでしょう。(そうでもないのかな?)
この大きな熊手でたくさんの福を呼び寄せたいものです。
夜は居酒屋で句会。二の酉の夜は和やかに更けていきました。
2010年11月17日
2010年11月15日
2010年11月12日
2010年11月10日
国宝 源氏物語絵巻
源氏物語絵巻「御法」部分(葉書より)
源氏物語絵巻「御法」復元(葉書より)
五島美術館で開催している「国宝 源氏物語絵巻」を見てきました。
図録などでは幾度か見たことがありましたが、実物をしっかり見るのは
おそらく初めて。しかも今回は五島美術館が所蔵しているもの以外に
愛知の徳川美術館所蔵の絵巻とあわせて現存している絵巻の大方が
一同に見られるというのも魅力で、前から楽しみにしていたのです。
源氏物語絵巻は平安時代の12世紀、『源氏物語』成立から約150年後に
描かれた日本最古の絵巻物です。各帖から印象的な場面の本文を書写し
た「詞書」(ことばがき)とその場面が描かれた絵が交互に繰り返され、
今でいうと物語のダイジェスト版みたいなものですが、
その書写された「かな文字」の美しさや、「やまと絵」のかもし出す典雅な
雰囲気はただものではない空気を纏っていました。
今回の注目は、当時の色彩を科学的分析に基づいて再現した
「平成復元模写」が同時に展示されていること。
消えていた花の姿や、装束の色が鮮やかに蘇っていて、想像以上に
明るい色彩に驚きました。ほんとにただただ美しいという感じ。
この「源氏物語絵巻」に限らず、仏像にしても五重塔のような建造物にしても
元々の色彩が再現されると、いつもたじろぐような驚きを感じます。
十二神将も驚くような赤や緑の原色でしたし、奈良の大仏は金箔で金色
でしたし、後世の人たちが今の色の剥落した姿を愛でて拝んでいるなんて、
当時の人はきっと考えられないでしょうね。
でも実のところ、剥落した今の状態の方がわたしは見ていて安らぎます。
なぜかその方が心から美しいと思える。不思議ですね。
写真は第四十帖「御法」(みのり)。
絵巻の人物は紫の上と光源氏です。大学時代、源氏物語の演習でこの段を
担当したのを思い出して懐かしくなりました。
病の紫の上を光源氏が見舞い、明石中宮とともに、萩につく露に
はかない紫の上の命をたとえて、和歌を詠むところです。
おくと見るほどぞはかなき ともすれば風に乱るる萩のうは露 紫の上
ややもせば消えをあらそふ露の世におくれ先だつほど経ずもがな 光源氏
光源氏の思いが切ないです。
絵巻には、和歌を詠み交す二人の傍らに、風に揺れる萩が描かれていました。
2010年11月 4日
マザーウォーター
「マザーウォーター」という映画を観てきました。
バーを営むセツコさん、喫茶店をひらくタカコさん、お豆腐を売るハツミさん。
謎多きマコトさん。それから、それから・・・・。奥行きのある人たちがたくさん出てきます。
くらしの中を流れてゆく清らかな川に引き寄せられて、どこかから流れ着いたように
この町に住んでいる。そしてすべての人をつないでゆく小さないのち。
人々の日常はとっても満ち足りていて、そしてどこか刹那的。
マザーウォーター (母なる水)
美しい町の景色と、繰り返される人と人の何気ないふれあいの中で、
じわり、じわりとタイトルにたくされた思いが伝わってくる。
そんな心に沁みてくる映画です。音楽も映像もとってもいいです。
どこかに、そしてどこにでもあなたの居る場所はある。
それはここかもしれないし、別のどこかかもしれない。
観終わったあと、わたしはこんなことを心の中に感じていました。
「あしたへは、ダイジなことだけもってゆく。」ってなんかいいですよね。
そんな生き方ができたら、人生は昨日とは違う色に見えてくるかもしれません。
2010年11月 3日
文化の日
なんと深い秋空。
その色の蒼さに思わず祈りました。
祈りといってもクリスチャンの祈りではなくて、自然への感謝の祈り。
自然のこの上ない美しさに出会うと、愛おしくていつもそういう思いになります。
空を見上げることが好きです。
空を見上げると、不思議と励まされて元気が出てくる。
『祈りの天』の栞で片山由美子さんが「空を仰ぐ人」というタイトルで評を書いて
くださったのを思い出しました。
空を仰ぎ、みずからを励まして俳句に向かっている人なのだろう
この一文をいただいたときは本当に嬉しかったな。
作品を通してわたしをわかってもらえたんだという、この上ない嬉しさ。
その言葉に、何かとても救われた思いがしたのを覚えています。
今日の空の蒼さは、今日だけの蒼。
だからこそ、再びは出会えないこの一瞬がとても愛おしいのです。
2010年11月 2日
箒木(ははきぎ)
画像をクリックすると大きく見られます。
馬事公苑のお花畑で色づいている箒木草(ほうきぐさ)を見つけました。
箒木草って紅葉するんですね!!それもとってもきれいなピンク色に。
写真のものはほんのりですが、ショッキングピンクのような派手な色になって
いるのもあって、イソギンチャクのようにも見えました。
「もうその箒木草は終りの頃ですよ」と庭師の方が言っていましたが、
草ぼうきにするものは、夏の間に刈り取って干しておくんですね。
箒木に影といふものありにけり 高濱虚子
箒木草は箒木(ははきぎ)ともいって、夏の季語です。
箒木(ははきぎ)の名で呼ぶと、とたんに文学の匂いがしてきますね。
すぐに浮んでくるのが、『源氏物語』の中の「箒木」の巻。
光源氏と頭中将らの雨夜の品定めと源氏と空蝉との出会いが描かれた巻で、
物語中でものちにドラマチックな展開へとつづいてゆく鍵となるところです。
それにしても、箒木といい空蝉といい、紫式部は名のつけ方が本当にうまい。
物語の内容や人物の性質が匂いたつようにつけられた一つ一つの名に
あらためて感心しています。
2010年10月31日
2010年10月29日
祝1ヶ月♪
サイトをオープンしてから今日でちょうど1ヶ月が経ちました。
訪れてくださった方々、ありがとうございます。
まだまだ試行錯誤の日々ですが、思い描いていることをこの場所で少しずつ形に
していけたらと思っていますので、これからも応援していただけると嬉しいです。
☆「季のうた」 毎日更新中☆
季節の移ろい、日々の移ろい。目を向けなければ気づかずに過ぎてしまいそうな
ささやかなことが俳句にはたくさん切り取られています。そしてそのたった17音で
切り取られた世界は、はかり知れないほどの深くて豊かなものを時に与えてくれます。
紹介する俳句の多くは折に触れて私が愛誦してきたものです。
読んでくださった方の心に響く鑑賞を一句でも多く書いていきたい。
そんな思いで365日、365句をお届けします。
「日々の記」は不定期更新です。
日頃の活動やお知らせ、日常の出来事を気ままに綴っていますので、こちらも
お楽しみいただければ嬉しいです。
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2010年10月28日
editor's night
今日は通称「四季の会」の集いの日。場所は神保町の「アンチ・ヘブリンガン」。
某出版社の元同僚の集いで、今はみんな違う職場になったけれど
私をのぞいて今もみんなバリバリの編集者たち。
不思議と引き合うものがあって、自然発生的に「もうそろそろ~」という感じで
集まっては話の尽きぬひとときを過ごす、私にとって元気をもらえる大切な時間です。
今日もいつものようにあっという間に時が過ぎて、まだまだ話し足りない感じ。
ちょっと食べ途中ですけれど、今日の一押しの春菊のパスタ。
少しほろ苦くて、口の中で春菊の香りがふわっと広がる
なんとも大人な味でお薦めです。みんなのアドバイスで花瓶を添えて撮影。^^
それからちょっと面白いこともありました。
なんとお店の中で出身校の校歌のメロディーを聴いたんです。
これには思わず耳を疑いましたけれど、音の出所は隣のテーブルで
ピアニカを弾いていた女性。私が急に振り向いたので、「もしかして・・・・」
「あっ、そうです私も」という感じで同窓であることが判明。
でもこんなことって初めて。その校歌は私が高校時代から何度となく歌った
國學院の校歌。そしてその女性はエッセイストの石田千さんという方。
東都六大学野球で國學院が優勝したとかで、お祝いで演奏していたのだそう。
なんとも面白くて不思議な出会いでした。
四季の会、次に会うときはもう冬ですね。
2010年10月26日
句会初日
今日はすぎなみ詩歌館の「やさしい俳句講座」の句会初日。
はじめての仲間とのはじめての句会は、数え切れないほどの句会を
経てきた今でもやはり新鮮で心が引き締まります。
今回は兼題の「薄」と当季雑詠の2句出句。3句選でその中から一番
気に入った句を特選として選んでもらいました。
句会は出句→清記→選句→披講→名乗り・点盛り→講評という大きな流れがあります。
この流れをスムーズに粛々と進めていくことによって、句座に緊張感と絶妙な間合が
生れるのです。まずはこの流れに慣れることが大事。
みなさん初めてのわりには、思いのほかすんなりと慣れてくださったので一安心です。
最後は、全句を講評して終了。
受講生の作品は載せられませんが、なかなか筋がよくて、ハッとさせられる作品にも
出会うことが出来ました。これからが楽しくなるような句会の幕開けにこころが満たさ
れた一日でした。次回は講義とミニ句会です。
写真はレディセツという名の薔薇。むらさき色はさることながら、その名に惹かれて
買いました。名前が花につけられるって素敵。しかもプリンセス~みたいな名前ではなく
「セツ」という響きがなんとも古風で気に入っています。
2010年10月25日
2010年10月23日
2010年10月19日
日本のセーヌ ?!
吟行で人形町界隈を歩いてきました。
半蔵門線に乗って水天宮前で下車し、人形焼で有名なお店「重盛」の前から
商店街を通って明治座、浜町公園の方へと足をのばします。
初めて訪れましたが、老舗が多く、美味しそうな食べ物のお店が軒を連ねているので、
一つ一つ立ち止まっていて、なかなか先へ進めません。
人形焼、甘酒、漬物、朝市の野菜、せんべい屋、たい焼き屋。。。。。
俳句そっちのけでしばし楽しみました。甘酒は甘酒横丁という通りがあります。
明治座の近くで、勧進帳の弁慶の像を見つけました。
この地は江戸三座のうちの中村座と市村座が芝居小屋を立てていたところで、
江戸歌舞伎発祥の地とも言われているのだそうです。
人形町の名前の由来は同時にさかんだった人形浄瑠璃の職人さんたちが
ここに多く住んでいたところから来ていることもわかりました。
浜町公園を出て、隅田川にかかる橋を渡ると江東区です。
句会は芭蕉記念館で。
写真は橋から撮った隅田川の遊覧船です。
「隅田川は日本のセーヌ」と同行の仲間がいいます。
やっぱり景観はセーヌに及ばないけれど、
川は美しくゆるやかに流れていました。
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2010年10月18日
おめでとう♪
日を受けてつやつやと赤く輝いている石榴の実。
週末は、鎌倉にある西御門サローネという邸宅で親友の結婚式でした。
ここは作家・里見弴の旧邸で、現在は鎌倉市重要景観建造物に指定され、
サロンとしても使われているようです。
その庭にあった立派な石榴の木。
空もふたりを祝福しているかのような、
本当に気持のいい秋晴の一日でした。
気がついたらもう20年以上の付き合いになる友。
そのウエディング姿はやっぱり感慨ひとしおでした。
もう家族のような思いで、最後はうれし泣きです。
たくさんたくさん倖せになってね。
うしろの三人は小学校からの親友、リサ&ミサト。
新婦、とっても綺麗でしょ。
新郎はサッカー日本代表の長友選手にかなり似てます^‐^
(ジュンジくん、勝手に書いてごめんね。。。)
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2010年10月14日
2010年10月12日
やさしい俳句講座
今日より俳句講座が始まりました ♪
杉並区の角川庭園・幻戯山房「すぎなみ詩歌館」を会場に行なう
初心者向けの俳句講座です。
杉並区と詩歌館を管理するNPOが運営・募集している講座で
毎回たくさんの申し込みがあるため抽選があるそうです。
「3回目のチャレンジでやっと講座が受けられました!」という
受講生の方の嬉しそうなお顔が印象的でした。
私は第5期募集の講師を務めます。
今日は初日なので、俳句についてのかんたんな講義と
句会の進め方についてのお話をしました。
再来週からはいよいよ句会がスタートです。
どんな句に出会えるのか今から楽しみです。
すぎなみ詩歌館の庭に咲いていた女郎花。
この中にかまきりが隠れているの、わかりますか?
「すぎなみ詩歌館」はどなたでもご利用できます。
四季折々の草花を楽しめる日本庭園があり今は秋の七草が美しく咲いています。
散策に、句会に、是非訪れてみてください。
(上の「すぎなみ詩歌館」をクリックすると詳細が見られます)
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2010年10月10日
オール早慶俳句戦!!
「慶大俳句」VS「早大俳研」の現役・OB入り混じっての句会に行ってきました。
現役のときに各俳句会の顧問の先生も招いて大きな早慶合同句会(通称俳句の早慶戦)
を開催してから、ちゃんと企画された早慶戦はおそらく約10年ぶり。
浅草吟行→句会→神谷バー(懇親会)
という流れに午前中の句会が終ってからかけつけました。
早めに着いたので浅草寺に向いましたが、三連休ということもあってものすごい人出。
雨上りの暑さと人いきれに観音様にお参りをしてすぐ仲見世も見ずに横道に抜けました。
吾妻橋から見たスカイツリーは、また一段と空へ近づいたようです。
句会の結果は・・・・・
僅差で慶大俳句の勝利。
俳句は勝ち負けじゃないけど、負けるのはやっぱり悔しいので
来年リベンジしたいですね。
懐かしい顔にもたくさん会えて、新たな出会いもありました。
ともに互いの学生時代を知っているということが、卒業してずいぶんとたった今から見ると
とても大切なものに思えます。このつながりが自分の財産の一つであることを
改めて感じた句会でした。
この日のためにたくさん動いてくれた幹事のてふちゃん、いぶきちゃん、どうもありがとう!!
暗くて画像がいまいちですが、記念の一枚。
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2010年10月 9日
2010年10月 7日
2010年10月 4日
2010年10月 3日
2010年10月 2日
馬
秋晴れの空。
馬に思いを馳せていたらどうしても馬の姿が見たくなって、
近くの馬事公苑まで歩いていってきました。
ちょうど大学対抗の馬術競技会がひらかれていて、
いつもより賑やか。
ああ、馬の匂いがする。
あたりまえですが、本や映像と現実との違いって
何よりもこの匂いなんだなーと思います。
匂いを知ってはじめて、その対象や場所と
本当に出会ったことになるのでしょうね。
馬の匂いにはかすかに草の匂いが混ざっていました。
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2010年10月 1日
2010年9月30日
2010年9月29日