立夏
今日から夏。
五月に入ってから不安定だった気候も一転、
夏のはじまりにふさわしい軽やかな風が吹いている。
風の芯に冷たさが微塵もない。
近くの松陰神社まで歩いてきた。
木々は新緑を過ぎて、若葉、青葉といったよそおい。
今年は木々も花々も少し先を急ぎたいようだ。
風が葉ずれに、葉ずれが風に。
しだいに体が風になってゆくのを感じる。
かぜとなりたや
はつなつのかぜとなりたや
かのひとのまへにはだかり
かのひとのうしろよりふく
はつなつの はつなつの
かぜとなりたや
―「初夏の風」川上澄生―
風となるなら、はつなつの風がいい。