講座始め
今日は早稲田大学オープンカレッジの講座始めでした。
取りあげたテキストは飯島晴子の『儚々』。
蛇笏賞を受賞した、生前最後の句集です。
初夢のなかをどんなに走つたやら
負ぶはれてみてなかなかの秋の風
白髪の乾く早さよ小鳥来る
さつきから夕立の端にゐるらしき
75歳でこの句集を出したのち、79歳で自ら命を絶った晴子。
晴子にとっての「老い」とはいかなるものであったのか。
句を通して抱いていた私の思いをみなさんに問いかけながら
句を読み解いていったのですが、晴子のどこかはぐらかすような
老いの受け止め方に「どこか素直じゃなくてもどかしい感じ」
「自己愛が強いように思う」というような意見が出てきたことが
今日はとても面白かったです。
短い時間でさらっと取りあげただけなのに、意外に本質に近い
ところまで感じとれているような気がしました。
講座で得たもろもろの宿題は、持ち帰って次につなげたいと思います。