2014年4月 3日

夜桜能

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一昨日の夜、靖国神社能楽堂で行われる夜桜能を初めて観ました。

毎年4月1日、2日、3日とそれぞれ異なる演目で奉納されている能。

日にちが決まっているためその時々によって桜の頃合は違うのでしょうが、

私の夜桜能デビューは満開をやや過ぎたちょうどよい頃合の花で

大変印象深い良いものとなりました。

2日の演目は舞囃子「三井寺」、狂言「宗八」、能「小鍛冶」でした。

火入れ式から始まり、篝火が花の闇を照らします。

花の風を感じながら能を見ていると、今にいながら時を越えていくような

感覚に陥ります。わたしはなぜだか織田信長が花の宴を催している

情景が目の前の能舞台と重なってきて、その宴の一人となった気分で観ていました。

篝火と桜の華やぎのある野外能であったからこそ、そんな気分になったのでしょうね。

見えないもの見る。つまり見えないものを想像して、自ら補って見る、という省略の美学

が能や狂言にあるところにが面白くて、やっぱり心惹かれますね。

今年はこの世界に心行くまで深入りしようと思っています。

偶然にもわたしの席の斜め前に俳人の上野一孝さんご夫妻がいらしていて、

思わぬところで声をかけられて驚いたりもしました。よい花の夜でした。

花の夜をご一緒していただいた方々に感謝。

 

 

 


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