小田原吟行
日だまりや梅のかをりに人動き 由季
昨日は冬晴れの吟行日和の中、小田原を歩いてきました。
誘ってくださったのは、上野一孝さん。
一孝さんの評論集『風の声を聴け』に私の句を引用してくださったのが
ご縁で、それから親しくさせていただいているのですが、
一見クールに見えて、実はとっても熱くて面白いところが好きです。
以前若手の句会にゲストで来ていただいたことがあったのですが、
年齢の差を感じさせないほど我々と打ち解けてくださって、しかも
上からではなく、同じ目線で熱く俳句について語ってくださったのが
とても印象的だったのを覚えています。
散策は小田原文学館→海→小田原城というコース。
小田原文学館には藤田湘子先生の句碑と展示コーナーがあるということで、
小川軽舟さんが案内してくださいました。(これってすごい贅沢な感じですね)
ほどよい大きさの、良い佇まいの句碑には「愛されずして沖遠く泳ぐなり」の
句が刻まれています。
文学館でも小田原城でも、早くも梅が咲いているのには驚きました。
しかもほつほつというのではなく、満開に近いほどひらいている木も。
白梅、紅梅、それから蝋梅も咲いていて、一足先に春を感じたような気分。
実際に昨日は春のようなあたたかさで、小田原は本当に暖かいんだなあと
思っていましたが、今日のニュースを見ていたら、例年よりも16日くらい早い
開花なのだそう。その早い開花を目の当りにして、梅との出会いがもっとも
心に残りました。
小田原の海、御幸の浜。
海風はさすがに冷たい。そんな風にもめげず、
果敢に突堤の先まで攻めていくみなさん。さすが、俳人。
色々な句に出会えて、句会ではいい刺激をいただいて、
帰路につきました。
ご一緒していただきましたみなさま、ありがとうございました。