ローマ二日目
ローマ、二日目。昼過ぎにふたたび家を出ると朝の肌寒さが嘘のように暑い。
日が高くなって、日差しが強くなったからだろう。上着を脱いで、サングラスを掛ける。
13時、車で迎えに来てくれていたクリスと合流して、出発。仕事へ行くまでの時間を
一緒に過ごしてくれるらしい。ジャニコロの丘の松や遺跡を車窓に眺めながら、
車は一路、食のショッピングセンター「EATLY」へ。
一階から四階まですべて食材や料理本、調理器具などの食べることに関するものだけが
集まっていて、その規模の大きさと種類の多さにさすが食のイタリアだな、と感心すること
しきり。パスタ、プロシュート、パンチェッタ、魚、野菜、茸、オリーブオイル、トリュフ、
チョコレート、ジェラートなどなど、とっておきを集めた専門店が一度に巡れるという感じだ。
それぞれにイートインスペースがあって、新鮮な食材をその場で食べることが出来る。
papàはクリスが薦める新しいパスタの本を、私はアスパラガスと茸のリゾットの素と
チョコレートを買った。オリーブオイルは帰りのスーツケースが重くなるのであきらめた。
仕事に向かうというクリスとわかれて、私とpapàはお昼を食べるところを決めるために、
もう一度各ブースを巡る。どれもおいしそうで迷ってしまうが、最終的に選んだのがトリュフ。
イタリアではtartufo(タルトゥフォ)と言う。季節的には茸もいいけれど、せっかくなら。。。
とやはり普段は食べられないものに目がいってしまった。
そして、白トリュフのパスタ。まさにトリュフの魅力のみで味わうというシンプルさで、
この一皿で、4千円ちょっと(だったと思う)という贅沢なお昼。私は初めて食べたので、
美味しいけれどまだ良さが分からない白トリュフデビューという感じ。
食べなれた?papàはまあまあだね、と言う。いいものはもっと香りが良いらしい。
お店の元気なお姉さんが「tutto bene?」(美味しかった?)と自慢げに聞きにくる。
それには二人とも笑顔で「bene! grazie」(美味しかったよ、ありがとう)と答えた。