2014年2月 8日

春の雪

ヒヤシンス.JPG

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京は春の大雪です。今日は全国的にも雪のようですね。

都心の大雪は13年ぶりとニュースから流れてきます。

これから夜にかけてさらに降り積るのでしょうか。

 

〈投げるでもなくて礫に春の雪〉と詠んだのが5年前。

翌年の春、この作品を含む30句「春の雪」で「俳句研究競作」の第一席を

いただきました。その時の選者が高野ムツオ先生。

受賞の連絡を受けた時は信じられない思いでいっぱいでしたし、何より、

高野先生に選んでいただいたということが嬉しかったのを思い出します。

 

その先生が昨年末に出された句集『萬の翅』で読売文学賞を受賞されました。

万の翅見えてくるなり虫の闇

詩の神を露一粒となって待つ

人呑みし泥の光や蘆の角

瓦礫みな人間のもの冬すみれ

 

句集が手元に届いたときに、心に留めている数々の句にあらためて出会い、

胸が熱くなりました。詩人の根底にある「もののいのち」に向きあう思いが鋭くも静かに

言葉という形をもって立ち現れています。

昨日、たまたま電話で版元の編集者の方とお話をして喜びを共有したのでしたが、

この句集の良さを「山が三つある」ことだと話されていました。

その三つの山とは、師との別れ、闘病、震災。一山越えてまた一山、というように

それらを乗り越えながら「今」と向き合い、詠むことによって「今」を確かめようとするところ

に私も魅かれています。「生きてある今、この瞬間を刻む渾身の496句」と帯に書かれて

いますが、「刻む」というところがまさしく「俳句」だな、と。この「刻む」力強さを私も先生の

俳句から学びたいと思います。

 

立春から新しい絵を飾りました。

北村範史さんの作品。紫のヒヤシンスです。

昨年の夏に買い求めた大好きな作品を、約半年待ってようやく飾ることが出来ました。

春はここに。今日は外出せずに、お部屋で春を楽しみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 


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