2011年2月28日

 

木の芽風足を投げ出しゐる少女      由季

 

 

 

 

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一日、冷たい雨。

「海」3月号、無事発送終りました。みなさま、お疲れ様です。

3月号は通巻333号!!ぞろ目です^^ なんだか目出度い。

 

昨日は世田谷美術館で開かれている

「佐藤忠良展―ある造形家の足跡―」を見てきました。

忠良の彫刻や素描、絵本原画まで幅広く展示されています。

佐藤忠良という彫刻家があの「おおきなかぶ」の絵本の絵を

描いた人だとは、実は最近まで知りませんでした。

大きなかぶを「うんとこしょ、どっこいしょ」と引っ張るおじいさんやおばあさん、

犬や猫。その異国風の人物が強く心に残っていて、その絵の存在感は

圧倒的だったのです。なので、その原画が見られたことは幸せでした。

 

彫刻では、忠良の造る像の顔の表情が素晴らしくて、

傍らに立つだけで不思議な暖かさが伝わってきました。

ブロンズ像にこんな思いを感じたのは初めて。

いくたびブロンズ像に抱きつきたい思いにかられたことか。

それほどその存在を抱きしめたくなるような彫刻なのです。

子供は愛らしく、裸像は官能的というよりは柔和。そして無防備な

美しさを絶妙に捉えているところがいいですね。

佐藤忠良、本当にいいです。

3月6日までですので興味のある方は是非足を運んでみてください。

個人的には雪国の子供の姿を捉えた像と「帽子・夏」に代表される

お弟子さんをモデルに作られたものが好きでした。

 

 

 

目白

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久しぶりの雨ですね。

花粉症の方は少しほっとされているのでしょうか。

 

今日は「海」3月号の発送日。

これから頑張ってきます。

 

ではまた夜に。

 

 

2011年2月23日

春菊パスタ

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昨日は夕方から座談会へ。

今年から「古志」の主宰を継がれた大谷弘至さんに

お声かけいただき、「古志」200号記念の企画としての

「季語」をテーマにした座談会に出席したのでした。

メンバーは他に村上鞆彦さんと神野紗希さん。

大谷さんとは三年ぶり(?)ぐらいでしたが、他の二人とは

日頃から仲良くさせてもらっているのでよく知ってはいるものの、

座談会というかたちで顔を合わせるのは初めて。

緊張を少しでも解そうと思って、会場近くのコンビニへチョコでも

買いにいこうとしていたら、地図を片手に佇んでいる村上さんを発見。

どちらに行こうか道を迷っているみたいに見えたので、すかさず

「村上くーん」と離れたところから呼んでみたのですが声は届かず。

結局すぐ目の前まで歩み寄って、ようやく気づいてもらえました。

コンビニに行くのにつきあってくれたので、

「なんだか緊張しちゃって、チョコでも食べてリラックスしようと思ってね」

といったら、そんなものでリラックス出来るの?という不思議そうな顔を

しながら、「チョコありますよ」といって差し出してくれた村上さん。

ちらっとみたら「BLACK」という文字。あっそれ甘くないやつでしょ、

と丁寧にお断りして、私はアーモンド入りの甘ーいチョコを買ったのでした。

 

さて、座談会。チョコ効果があったのか、比較的リラックスして話しを

することができました。「季語観」や「取り合わせ」の話しをしながら、

それぞれの向き合い方を聞いているうちに、改めて自分の中でも

気がつかされることがありました。

まあ、なんだかんだ言っても、結局は作品ありきだなという感じです。

作句工房も面白いけれど、どんな作品を詠むか、そしてそれをいかに

読むか。その両輪で、どちらの力が衰えていっても韻文である俳句の未来に

とっては危ないことだということです。それにはたくさんのことを知ること。

古きを知ってなお新しくいること。新しくいたいと思うこと。

それが出来るか出来ないかが大切なことだと思いました。

 

今日は句会のあと神保町へ。

仕事のゲラを届けながら打ち合わせ。

せっかく神保町へ出たので、少し足を伸ばして

夕飯を食べにアンチヘブリンガンへ行きました。

句会のためには来ていても、食べにくるのはひさびさ。

一人だったのでカウンター席に座ると、お隣に同じく一人で

来ていた常連さんらしき女性と何とはなしに自然とおしゃべり。

彼女はNGO関連で日本と海外を行き来していて、つい最近日本へ

戻ってきたのだそう。自分とは違う世界でぜんぜん詳しくないながらも、

なんだか素敵なお仕事をしているんだなあ、と感心。

またこの場所で新しい出会いをもらいました。

前菜の盛り合わせ(これが美味しい!)とお気に入りの春菊パスタを

オーダーして、オーナー夫妻と俳句話などして楽しい夜を過ごしました。

ワインごちそうさまです^^

 

 

 

花ミモザ

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ミモザの花が咲き始めました。

この花の明るさがとても好きです。

 

今日はこれから句会。

あ、もう時間がない。支度を急がなくては。

 

それではいってきます ^^

 

 

 

 

2011年2月21日

 

いちまいの水となりゆく薄氷      由季

 

 

 

 

2011年2月20日

パリ?

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第三週末はいつも「海」の編集作業で忙しい。

このあたりでゲラの行き来を印刷所とするからだ。

校了ゲラを入れれば、あとは発送日が近づくまで

少し気持ちに余裕が出来る。

 

写真は先日、本郷界隈を吟行したときに撮った

東京大学の安田講堂。銀杏並木の正面に

ゴシック風に切られた入口のアーチがとても美しい。

 

 

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これは農学部あたり。入口のレリーフが可愛い。(写真クリックすると見えるかも)

煉瓦作りで古くて静かで、街の小さな教会のような佇まいだ。

建物ばかり見ていたら、パリにでもいるかのような心地に

ちょっとだけなった

 

 

 

 

氷に上る魚木に登る童かな    鷹羽狩行

 

(ひにのぼるうお きにのぼるわらべかな)

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「氷に上る魚」は「魚氷に上る」(うおひにのぼる)のことで、

七十二候の一つである初春の季語。

春のあたたかな日に湖に張った氷が割れて魚が氷の上に踊り出る、

そんな陽気の頃を表わしている。

二十四節気七十二候は古代中国で考えられた季節を表わす言葉で、

二十四節気(立春、啓蟄、立夏などと呼ぶ方)は古代中国で用いられていた

名称がそのまま現在でも使われているが、七十二候の方は日本に伝わって

から日本の風土に合う表現へと改訂され現在にいたっているそうだ。

ただ、歳時記で季語として使われているものはすべて古代中国の名称のもの。

「魚氷に上る」は日本版も古代中国版も同じ名称だが、例えば啓蟄の第三候

にあたる「鷹化して鳩となる」は日本版では「青虫が羽化して紋白蝶となる」

という風になっているし、雨水の第一候の「獺魚を祭る」も「雨が降って土が湿り

気を含む」という意味のものに変っていて、日本の方がより現実的だ。

古代中国の方が遊び心があって断然面白い。

さて、掲句、その七十二候を用いた句だが、「のぼる」を介して魚と子供を氷と木に

対比させた表現が巧み。ただ、ややもすると言葉遊びのみに陥るきらいがあるが、

そこをうまく避けているのは、季節感をきちんと捉えた情景の描写がなされて

いるからだろう。春の陽気に誘われて、木登りをしている子供たちの姿が

一句からはちゃんと見えてくる。

 

 

 

 

2011年2月18日

 

木の芽出づささくれ浪に安房の岬      角川源義

 

(このめいず ささくれなみに あわのさき)

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安房は今の千葉県の南端のあたり。

「ささくれ浪」というのが何ともいい。

ささくれ、という響きは痛そうだが、景としては卯波ほどでなく、

ささくれほどにところどころ白波がたっているのだ。

春先の風の強さを彷彿とさせつつも、春ならではの軽さを

感じさせるところがある。春とはいえ、海風はまだ肌に冷たいことだろう。

木の芽がつんつんと出はじめる頃の春浅き自然の息吹が

岬の景にうまく描きとられている。

 

 

 

 

2011年2月17日

残る雪

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日陰に残っている雪。

降っていた時の時間がそのまま残っているような感じがして、

なんだかちょっと不思議です。

 

昨日は横須賀で俳句飲み。(俳句関係の人との飲み会)

お魚が美味しいお店ということでしたが、本当にどれも美味しかった。

しこいわしが特に気に入りました。

同じ年のつばさちゃんに久々に会えてよかった。元気もらいました。

お互い頑張っていきましょ。

 

 

 

 

 

2011年2月15日

 

投げるでもなくて礫に春の雪      由季

 

(なげるでもなくてつぶてに はるのゆき)

 

 

 

 

 

2011年2月14日

 

床に落つ金銀バレンタインの日        由季

 

 

 

 

 

2011年2月12日

切り紙とショコラ

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友達と切り紙とケーキ作りのワークショップに参加しました。

幼稚園みたいになっていますが、目下切り紙製作中の風景。

切り紙はケーキの敷き紙にしたり、粉砂糖で模様を描くのに使うの

が主な目的ですが、ワークショップなので各チームでテーマを

決めて切り紙の作品作りをすることになったのです。

テーマは〝春の野原でピクニック〟

窓に春の雪が降り続くなか、みんなものすごい集中力と想像力で

春の切り紙を生み出していました。(注:ケーキはオーブンの中)

折り紙を畳んで切っていくので、イメージ通りのものに仕上げるのが

なかなか難しいんです。開いてみるまでどんな風になってるのか

解らないドキドキ感があって、失敗したり思わずいいものが出来たり。

 

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その成果はこんな感じ。切り紙とケーキのコラボです。

部分だけなので解りにくいですけど、てんとう虫がいたり、

蝶が飛んでいたりするんですよ。

ケーキの上の模様ももちろん切り紙で制作したもの。

ケーキメインだと思って参加したのですが、参加してみたら

むしろ逆で、切り紙に熱中しすぎてしまいました。

最後はケーキとプロが入れてくれたこだわりのコーヒーを

いただいて、ワークショップ終了!!

 

 

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美味しく楽しいひとときでした。

 

2011年2月11日

 

春の雪地につくときのこゑかすか     由季

 

 

 

 

雪景

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目覚めたら、雪。

とても細かい雪片が風に吹き上げられて

びゅんびゅんと窓を流れています。

降る、というより、流れる、という感じ。

午後からは本格的な雪となるそうなので

暖かくして、滑らないように気をつけなくちゃ。

 

午後からは友達と三茶にガトーショコラ作りに行ってきます。

外は寒そうだけど、楽しみ楽しみ♪

 

 

2011年2月10日

 

女身仏に春剥落のつづきをり       細見綾子

 

(にょしんぶつにはるはくらくのつづきおり)

...............................................................................................

 

外は春雪の舞い降る冷え冷えとした堂内でこの像を仰ぎ見たのは

この立ち姿に脈打っているものを感じた。黒い乾漆が剥げて下地の

赤い色が出ている。そのことの生々しさ、脆さ、生きた流転の時間、

それらがすべて新鮮そのものであった

 

綾子自身がこの句について語った言葉。

初案は「伎芸天に春剥落のつづきをり」であったという。

伎芸天とは、奈良の秋篠寺にある伎芸天。

その姿を初めて目にしたとき私は言葉が出なかった。

薄暗い堂の中でずいぶんと長い時間伎芸天を見つめ、

そしてその間中ずっと、体の芯が疼いていた。

仏像を見て官能を刺激されるという体験はこれが初めて。

それほどに、伎芸天の姿は艶かしく、美しかった。

 

見えるものとして、また見えないものとして、剥落は今もつづいている。

 

あえて女身仏といったのはこの伎芸天への永遠の美しさへの讃歌である

 

綾子が「女身仏」としたことで、剥落はひときわ美しさと儚さを増したようだ。

ちょうど今頃だろうか。

春の雪が舞ふ最中の伎芸天に、私も会いに行きたくなった。

 

 

 

 

 

2011年2月 8日

海炭市叙景

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佐藤泰志原作、熊切和嘉監督の映画「海炭市叙景」を観ました。

 

「この映画を観ることが出来てよかった」

 

これが、素直な感想。

寡黙に語りかけてくる映画です。

まさに「叙景」というにふさわしい映像と演出に心打たれます。

 

ぜひ、一人で観に行ってみてください。

「海炭市叙景」公式サイト  こちらから上映劇場検索できます 

 

 

 

 

2011年2月 7日

夕景

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昨日の夜は、神保町のアンチヘブリンガンでの句会。

4回目にしてようやくお店までの道のりをスムーズに行けるように

なりました。方向音痴ではないのですが、位置を把握するのが

ちょっとだけ苦手なのです。

 

句会の後は居酒屋へ。

くえ鍋を食べました。くえの味は・・・・、あれ思い出せない。

ほとんど日本酒しか飲んでないような気がする。

でも、たぶん食べたんでしょうね・・・・・;

 

四省さん(しわぶきと読む)の誕生日の祝句を色紙に書いたり、

席題句会に盛り上がったり、楽しい夜を過ごしました。

 

前に「日々の記」で会いたいと書いていたねぎさんにも会えました。

(水口さん、また間接的につながりましたよ~。水口さんも句会来ませんか~^^)

ここに来るとかならず新しい出会いがあって面白いです。

人だけでなく、本や映画との出会いも。

「海炭市叙景」さっそく観に行ってみます。

 

 

 

 

薄氷の吹かれて端の重なれる      深見けん二

 

(うすらいの ふかれてはしの かさなれる)

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うっすらと張った湖面の氷。

春先の陽気でところどころ解けて浮いている薄氷が

風に吹きよせられてその端と端が重なった。

 

写生の極致であり、そして写生を超えた句だと思う。

実際に見ていてもこの景を見逃さずに詠むことは難しいし、

それを言葉で切り取ることはもっと難しい。

「重なれる」の一語に脱帽。

こんな句を詠んでみたいものだ。

 

 

 

2011年2月 6日

成瀬巳喜男

 

昨日は世田谷文学館で成瀬巳喜男監督の映画

「めし」を観てきました。

今、「成瀬巳喜男の昭和」と題した企画展が開かれていて、

その関連イベントとして上映されたものです。

成瀬作品は、2年ほど前に勧められて「浮雲」を観て以来なので、

今回で二度目。なので特別なファンというわけでもなく、

実は、映画上映よりもその前にある川本三郎さんのトークショーが

聞きたくて、足を運んだのです。

川本さんは、かなり昔から成瀬作品のファンだそうで、

昔というのは、今みたいに評価が上がるずっと前、

編集者が誰一人成瀬の名前を知らなくて、彼について

書きたいという企画が編集会議で没にされるぐらい

世間でその名が埋もれていた頃からずっと好きだったそうです。

昔、映画評論家の淀川長治さんに一番好きな映画監督を

尋ねられたとき、迷わず「成瀬巳喜男です」と答えたら、

「やだ、あんな貧乏くさい」といって一掃されたという話、

あの、淀川さんの特徴のある喋り方をちょっと真似て言って

いて、思わず笑ってしまいました。

因みに淀川さんの好きな監督は溝口健二なんですって。

川本さんいわく、溝口作品は絢爛豪華、遊女や娼婦に生きる女の

世界。成瀬作品に出てくるのは普通の市井の女で対称的。

淀川さんがそうおっしゃるのも納得とのこと。私は溝口作品はまだ

見たことがないのですが、「鬼龍院華子の生涯」や「櫂」「吉原炎上」

とかの五社映画が好きなので、もしかしたら私も淀川さん派かも・・・

と思いながらも、川本さんの軽妙なトークに散りばめられる成瀬作品

の魅力も気になってしょうがない。

女優の使い方の話では、小津安二郎の映画の原節子は幸せな娘役だけれど、

成瀬作品に出ると途端に糠みそ臭くなるとか、田中絹代も溝口監督は遊女や

きらびやかな女として魅せるが、成瀬作品では苦難を乗り越えて懸命に働く

母親役(「おかあさん」)で出てくるとか。ふむふむ。なるほど。

 

川本さんいわく、成瀬作品のキーワードは

「貧乏」「金」「未亡人」

裕福ではなく、お金の話が多くて、必ず未亡人が出てくる。

これだけ見るととてもネガティブな感じがしますが、

川本さんが「明るい貧乏」と言っていたけれど、暗い話を笑顔で語るという

ところが、見ていてとても言いのだそうだ。

(これも納得。「めし」はこのキーワードがすべてが出てきた)

時代とともに貧しくもつつましく日々の暮らしを懸命に生きる人々

それをみじめったらしく描くのではなく、生活の折々の悲哀をたんたんと描いていく。

そこが成瀬作品の魅力。ということが、話を聞きながらじわじわと伝わってきた。

 

「めし」ではちょっとしたユーモアがいくつも散りばめられてあって、

それが見ている人の心をほっと和ませる。

三千代役の原節子が東京の実家に戻って、道でばったり子供を連れた

友人(戦争未亡人になっている)と再会してお互いの近況を話す場面が

あるのだが、ふと道に出ているチンドン屋を見つけて、

友人  「あのふたり、夫婦ね」

三千代 「あら、どうしてそんなこと分かるの?」

友人  「だって、歩き方があんなにそっくりだもの、夫婦じゃなきゃ

     あそこまで、揃ったりしないものよ」

ちょっと正確ではないけれど、こんな風な会話を交した後、

それぞれが見せた顔の表情が私はとても心に残った。

何気ない場面だが、その表情に二人の心の機微がうまく捉えられていると思った。

 

 

成瀬作品、次はさっそく「おかあさん」を観てみようかな^^

 

 

 

 

2011年2月 4日

 

飛ぶ鳥をとどめて春の木となりぬ       由季

 

 

 

 

2011年2月 3日

 

凍雪を踏んで柊挿しにけり    高野素十

 

(いてゆきを ふんでひいらぎ さしにけり)

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今日は節分。冬と春の季節を分ける日です。

節分の翌日は立春で暦の上では春になります。

節分と言えば豆撒き。

家族みんなで「鬼は外、福は内」と言いながら豆を撒く。

季節の変わり目は邪気が入りやすいのだそうです。

だから「鬼は外」の鬼は邪気でそれを払うために豆を撒くのですね。

豆を買うとついてくる鬼の面って昔話に出てくる鬼みたいで、

季節の変わり目とあの赤鬼の姿があまり繫がらなかったのですが、

邪気を見た目にわかり易いように鬼の姿に転じたものなのでしょう、恐らく。

 

「柊挿す」というのも節分の行事。

焼いた鰯の頭や柊を戸口に挿し、その匂いや刺で邪気を払うというもの。

テレビで見たことがあるくらいで、実際にしたことも見た事もありませんが、

豆撒きよりももっと古き良き伝統行事という感じがします。

でも、焼いた鰯の頭を玄関に挿しておくのは都会ではちょっと難しそう。

なにしろ邪気を払うほどの匂いなのですから ^^;

 

掲句は雪の残る中で迎えた節分。

凍雪を踏んで邪気を払うための柊を挿した。

ただそれだけの景ですが、その静けさの中に、

日々の暮らしぶりというか心のあり方のようなものが

感じられて余韻のある句です。

 

 

 

 

2011年2月 2日

 

叱られて目をつぶる猫春隣      久保田万太郎

 

(しかられて めをつぶるねこ はるどなり)

............................................................................................

もうすぐ春がやってくる。

この句の季語は「春隣」。字から見てもわかるように、

春がもう隣(というほど近く)に来ているということ。

「春」という言葉が入っているけれど、季節はまだ冬。

晩冬の季語だ。

同じ頃をあらわす季語に「冬終る」というのがあるが、

季語から受ける印象は大きく違う。

どちらも厳しい冬が終わることに違いはないが、

「春隣」には春の兆しを実際に身に感じている明るさがある。

日の光や空の色、肌に触れてゆく風に春へ移りゆこうとする

季節の変化を感じている心の明るさ。

 

叱られた猫は飼い猫。野良猫では目をつぶる前に逃げていってしまう。

何か悪さをして、ご主人に大声を出されたのだ。

反射的にきゅっと目をつぶる猫。

その姿が何とも愛らしい。

叱ったご主人も、そんな姿を見ながら、「まったくしょうがないな~」

としぶしぶ許してしまうのである。

そんな情景を想像させてくれるのも、春隣という季語ならでは。

この猫は、万太郎の猫なのだろうか。

それにしても、万太郎は季語の付け方が本当に上手い。

 

 

 

2011年2月 1日

早稲田大学オープンカレッジ・俳句講座のお知らせ

 

早稲田大学エクステンションセンターで俳句講座の講師を務めます!!

 

講座名:「現代俳句―鑑賞と実作―」 年間講座  4月開講

 

実作と講義の二本立てですので、俳句をこれから始めてみたい方、

俳句のことや作品についてもう少し深く学んでみたい方などにお薦めです。

 

講座のパンフレットはこちらから見られます。

早稲田大学エクステンションセンター2011春講座パンフレット

 

早稲田校と八丁堀校がありますが、私の講座は八丁堀校です。

「八丁堀校」をクリックしてみてください。「総合」→「文学」48頁にあります。

 

興味がありましたら是非いらしてください。お待ちしております ^^

 

 

 


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