薄氷の吹かれて端の重なれる 深見けん二
(うすらいの ふかれてはしの かさなれる)
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うっすらと張った湖面の氷。
春先の陽気でところどころ解けて浮いている薄氷が
風に吹きよせられてその端と端が重なった。
写生の極致であり、そして写生を超えた句だと思う。
実際に見ていてもこの景を見逃さずに詠むことは難しいし、
それを言葉で切り取ることはもっと難しい。
「重なれる」の一語に脱帽。
こんな句を詠んでみたいものだ。