2011年4月28日

青空

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嵐のような雨風が過ぎて、今朝はおだやかな青空です。

 

今日は「海」5月号の発送日。

明日からは連休が始まりますね。

 

それでは無事お届けできますよう、頑張ってきます!!

 

 

 

 

2011年4月27日

 

チューリップ喜びだけを持つてゐる     細見綾子

 

並んで風に揺れているチューリップの姿は、春の訪れを喜んで

一斉に歌っているように見える。原色の花々の明るさは目に眩しく輝く。

一点の陰りや憂いもなく、まさに喜びだけを持って咲いているようだ。

チューリップのもつ愛らしい姿が童女の心で詠みとめられている。

 

以前つとめていた出版社の本でこの句を載せたとき、

入力の間違いで、「チューリップ喜びだけを待つてゐる」となって

ゲラが出てきたことがあった。寸前のところで気が付いたのだが、

「待つてゐる」も句として成立するよね、これはこれでまた違った魅力がある。

とみんなであれこれ言っていた編集部でのやりとりを懐かしく思い出す。

たった一字の違い。

「待つてゐる」チューリップは待つ時間の分だけ、少し寂しいかもしれない。

 

 

 

 

2011年4月26日

再開

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しばらくの間書くことができずにいた鑑賞と日記を

ようやく更新することができました。

メールをいただいたりして、ご心配をおかけしましたが大丈夫です^^

 

いろいろなことが重なって、バランスがうまくとれなくなっていたようです。

なかなか晴れの日は続きませんが、少しずつ元気をとり戻してきていて、

今はいくらか楽になりました。

またゆっくりと続けていきたいと思っていますので、

ふらっとお立ち寄りいただければ嬉しいです。

 

昨日、今日と資料を探しに俳句文学館へ行ってきました。

図書室には日本で出版、発行されている俳句関係の本がほぼ揃っていて

閲覧することが出来るのです。あいにく貸し出しはしていないのですが、

コピーをとることは出来ます。でも一枚50円と、ちょっと高いです。

閲覧室で資料を積み上げて読み耽っている人の横顔を見て、

「あっ」と思って声をかけようと思いましたが、あまりに集中しているので申し訳なく

ためらったまま失礼してしまいました。

久し振りにお会いした方だったのですが、つい先日、とある編集者の人が

今一番育てたい評論家だと言っていたその人でした。

あまりにタイムリーなのでここで見かけたことに驚きつつ、

未来の名評論家の仕事ぶりを声をかけずにただただ眺めていたのでした。

 

 

 

 

桜蘂ふる一生が見えてきて      岡本 眸

 

(さくらしべふる いっしょうがみえてきて)

...........................................................................................

もう葉桜となった木々もあるが、遅咲きの花は今はらはらと紅の蘂を降らせている。

この頃になると、いつもこの句を思い出す。

「一生が見えてきて」とはどういう情景だろう。

作者がいつの歳に詠まれたのかは知らないのだが、

20代の頃の私は、恐らくある程度年を重ねた人の感慨なのだと思っていた。

一生が見えてくるなんて、簡単には言えないように思えたからだ。

30代の今、この句はまた違って見えてくるようになった。そしてとても共感を覚える。

まさに自分の向き合っている年齢での感慨なのではないかと思えるのだ。

桜の木の一生を人生と重ね合わせても、桜蘂の降る頃は晩年ではない。

満開の花の頃を過ぎて、あまり美しいとは言えない桜蘂の頃の翳り。

葉桜となればまた新たな命が動き出すかのようにまぶしい季節が訪れる、

その束の間の季節の憂いがあの一語を引き出したのではないか。

夢見る季節は過ぎてしまった。

一生が見えないということは不安だが、見えてしまうということはもっと淋しい。

 

さくらしべ降る歳月の上にかな   草間時彦

この句は佇む作者の年輪を感じさせる。

どちらにしても、「桜蘂降る」という季語は「桜」とはまた違う歳月を呼び起こすようだ。

 

 

 

2011年4月13日

桜満つ

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桜がもう満開です。

 

今日はすぎなみ詩歌館での句会。

自主句会「ゆきの会」となってからの初日でした。

自分の名前のついている会はまだ慣れなくて少し照れますね。

ゆきは雪月花の雪と音が同じなので、その思いも込めて。

 

新メンバーも加わって、ますます楽しみになりました。

 

次回は5月10日。兼題は「更衣」です。

まだ少し席に余裕がありますので、興味がありましたら

「おたより」からお問い合わせください。

 

 

 

 

2011年4月 7日

 

花待てば花咲けば来る虚子忌かな      深見けん二

 

明日4月8日はお釈迦様の生まれた日を祝う花祭。

そして虚子の忌日。

この二つはひとくくりに覚えているので、忘れることがない。

<ねがはくは花のしたにて春死なんそのきさらぎのもちづきのころ>

と詠んだ西行は、その歌と違わずに陰暦2月16日の釈迦涅槃の日に入寂した

と云われるが、虚子は釈迦が誕生した日に世を去った。

自ら選んだわけではないのに、凡人にはない何物かの力を感じずにはいられない。

 

掲句、膨らみかけた桜の莟にまもなく近づいてくる虚子の忌日を思い、

心の準備をして、そしてその日を迎える。

「花待てば花咲けば来る」からは作者にとって虚子の忌日がいかに大きく、

そして大切なものであるかが伝わってくるのである。

なんとも美しく、尊い師弟愛だと思う。

 

 

 

 

 

2011年4月 5日

 

初桜鳥がはこびて来しと言ふ       由季

 

 

 

 

2011年4月 4日

犬ふぐり

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犬ふぐりを見つけると嬉しくなります。

色もさることながら、瞬くように咲いている姿がとても愛らしい。

 

犬ふぐり星のまたたくごとくなり   虚子

 

まさに、そんな感じで咲いています。

私にとっては蒲公英よりも犬ふぐりの方が大地の春を教えてくれる花。

こんなに愛らしいのに、ちょっと可愛そうな名前がついているのは、

花の姿とは関係ありません。この花の付ける実の形がその名の由来。

犬のふぐりに似ていると思ったんですね。でも、花の姿ばかりに目がいって

その実をいまだ見たことがありません。

 

 

 

 

 

2011年4月 2日

高浜虚子

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敬愛する深見けん二先生からのメール便。開けてみたら

4月から先生が担当されるNHKラジオのテキストでした。

「選は創作なり―高浜虚子を読み解く―」

深見先生が語る虚子、これは聞き逃せないですね。

 

皆様もぜひ放送をお楽しみください。

 

〇NHKカルチャーラジオ 詩歌を楽しむ

 ラジオ第2放送 放送日 金曜日午後8:30~9:00

           再放送 土曜日午前10:00~10:30

 

 4月8日からスタートです!!

 

 

 

2011年4月 1日

 

人はみななにかにはげみ初桜       深見けん二

 

(ひとはみな なにかにはげみ はつざくら)

.............................................................................................

初桜とはその年に初めて咲いた桜のこと。初めて出会った桜の花ということ。

「ああ、今年も桜が咲き始めたなあ」という花に出会えた喜びがそこにはある。

俳句では花と言えば桜のことを言うが、花を待つ心というのはいつになっても

変わることがない。桜は日本人にとって特別な花だ。

そして桜の花ほど、日月のめぐりを感じさせてくれるものはない。

あと何回桜の花を見られるだろうか。そんな話が交わされるのも桜ならでは。

 

今年もまた桜の花が咲き始めた。

「人はみななにかにはげみ」という言葉が心に沁みる。

本当にその通りだと思う。

そしてそれは、「生きていく」ということと同義なのだと気付かされるのだ。

 

 

 


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