2011年4月 7日

 

花待てば花咲けば来る虚子忌かな      深見けん二

 

明日4月8日はお釈迦様の生まれた日を祝う花祭。

そして虚子の忌日。

この二つはひとくくりに覚えているので、忘れることがない。

<ねがはくは花のしたにて春死なんそのきさらぎのもちづきのころ>

と詠んだ西行は、その歌と違わずに陰暦2月16日の釈迦涅槃の日に入寂した

と云われるが、虚子は釈迦が誕生した日に世を去った。

自ら選んだわけではないのに、凡人にはない何物かの力を感じずにはいられない。

 

掲句、膨らみかけた桜の莟にまもなく近づいてくる虚子の忌日を思い、

心の準備をして、そしてその日を迎える。

「花待てば花咲けば来る」からは作者にとって虚子の忌日がいかに大きく、

そして大切なものであるかが伝わってくるのである。

なんとも美しく、尊い師弟愛だと思う。

 

 

 

 

 


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