2010年12月16日

 

しんしんと寒さが楽し歩みゆく     星野立子

 

(しんしんとさむさがたのしあゆみゆく)

...........................................................................................

しんしんと寒さの募る日には、この句を口ずさむと元気が出る。

寒さの中にいると、体が縮こまってくるけれど、

この句は背筋を伸ばしながら、颯爽と歩いていく感じだ。

乾いた風がびゅうびゅうと吹きつけてくる寒さではなく、

少し湿り気があって、身に吸いつくような冬の寒さ。

「しんしん」というあたりに、そんな寒さを感じさせる。

それにしても、「寒さが楽し」と素直に言ってしまうところがいい。

そして寒さが楽しいと言えることは、とっても素敵だ。

 

寒さを厭わず前を向いてしっかり歩いてゆく。

深読みする必要はないが、この句には立子の人生に対する

向き合い方が出ているように思う。

 

 

 


Yuki Higano's Official Web Site / Copyright © Yuki Higano / All rights reserved.