露の玉強き光となつて消ゆ 名取里美
(つゆのたま つよきひかりと なってきゆ)
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大気が冷えると、草の葉の上に露が降りる。
びっしりと葉についた露の玉がくっついて大きな玉になったりしながら転がり落ちてゆく。
露の玉が消えるときの光。
強き光となって消えてゆくという作者の捉えた一瞬の光は
露の玉を詠みながら、すべての尊いものの命に繫がっているようにも思う。
消えゆくものが放つ一瞬の光は、とても美しい。