2010年10月29日

 

思ひあふれて空澄めり水澄めり    黛 まどか

 

(おもいあふれて そらすめり みずすめり)

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空が澄んで、水が澄む。秋の天地はとても大きくて、すみずみまで澄み渡って

ゆくような心地がする。そんな秋の気に触れて今思いがあふれる。

泉のように湧き上げてくる思い。どんな思いがあふれたのだろう。

その思いがどこか喜びのように思えるのは、「空澄めり」「水澄めり」という秋という

季節への讃歌を句の底に感じるからかもしれない。

「あふれ」、「澄めり」という動から静への言葉の連なりにも清潔なものがある。

 

 


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