思ひあふれて空澄めり水澄めり 黛 まどか
(おもいあふれて そらすめり みずすめり)
..............................................................................................
空が澄んで、水が澄む。秋の天地はとても大きくて、すみずみまで澄み渡って
ゆくような心地がする。そんな秋の気に触れて今思いがあふれる。
泉のように湧き上げてくる思い。どんな思いがあふれたのだろう。
その思いがどこか喜びのように思えるのは、「空澄めり」「水澄めり」という秋という
季節への讃歌を句の底に感じるからかもしれない。
「あふれ」、「澄めり」という動から静への言葉の連なりにも清潔なものがある。