りんどうの露のひとつぶ水の星 宇井十間
(りんどうの つゆのひとつぶ みずのほし)
水の星はわたしたちが住む地球のこと。
地球が青いということは、初の宇宙飛行に成功した
宇宙飛行士ガガーリンが伝えて有名になったが、
地球は青い水の星なのだ、と今改めて思う。
りんどうにのった一粒の露。朝露の汚れない光の粒。
その光の粒から、水の星へと飛躍することによって、
普段意識することのない世界をこの句は見せてくれる。
句に流れるしんとした不思議なしずけさ。
「りんどうの露」から感じるひんやりとした空気が
より一層そのしずけさを際立たせる。
今であって、今でない世界。
そんな世界が描かれているようにも思う。