2011年1月14日

 

村中の風を集めてどんど焚く     高橋悦男

 

(むらじゅうの かぜをあつめて どんどたく)

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「どんど」は小正月に行われる行事で、14日の夜、または15日の朝に

木や藁などで組み上げたやぐらの中に正月飾りや書き初めなどを入れて

焚きあげ、無病息災や五穀豊穣などを願う。

 

今年も三が日明けの伊豆の海辺や、東京に戻ってきてからの多摩川の河川敷で

どんどの櫓が作られているのをいくつも見かけた。

こういう風景を見ると、うれしい。

私は河川敷でのどんど焼きに参加したことはないが、小学生の頃に学校の校庭で

どんど焼きをしたことを懐かしく思いだした。

みんなで書き初めを入れたり、願いごとを書いた短冊を入れたり、もちろん正月飾りも

たくさんかけられてあった。だるまや竹をいれると、大きな音を立てて勢いよく爆ぜる。

その音に大騒ぎしながら、炎を上げる櫓を囲んで楽しんだ。

 

関東ではどんど焼きというけれど、東海地方より西では「左義長」(さぎちょう)と呼ぶ。

これは俳句を始めてから知ったこと。

 

今日もどんどを囲んでにぎやかな年神さまを空に送る行事が行われることだろう。

掲句は小さな村ごとのどんど焼きだろう。

みんなが正月飾りを持ち寄って高く積み上げられたどんど。

「村中の風を集めて」が、そんな村の和やかな景色を想像させる。

 

 

 


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