2010年12月 3日

 

つなぎやれば馬も冬木のしづけさに     大野林火

 

(つなぎやれば うまもふゆきの しずけさに)

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冬木の静けさ。しんと張り詰めたあたりの空気。冬木に繋がれた馬。

繋いだ馬の姿を冬木の佇まいの静かさと同質のものとして

捉えているところに惹かれる。

そして冬木と馬を結びつける「つなぎやれば」の一語にも。

「繋がれて」や「繋がれし」では馬も冬木もどこか遠い。

違いの魅力をうまく言えないのがもどかしいが、

「つなぎやれば」には、言葉の熱(温かさ)のようなものを感じるのだ。

それは作者の馬を見る視線の温かさに通じていて、

言外にそれを感じているからかもしれない。

 

 

 


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