つなぎやれば馬も冬木のしづけさに 大野林火
(つなぎやれば うまもふゆきの しずけさに)
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冬木の静けさ。しんと張り詰めたあたりの空気。冬木に繋がれた馬。
繋いだ馬の姿を冬木の佇まいの静かさと同質のものとして
捉えているところに惹かれる。
そして冬木と馬を結びつける「つなぎやれば」の一語にも。
「繋がれて」や「繋がれし」では馬も冬木もどこか遠い。
違いの魅力をうまく言えないのがもどかしいが、
「つなぎやれば」には、言葉の熱(温かさ)のようなものを感じるのだ。
それは作者の馬を見る視線の温かさに通じていて、
言外にそれを感じているからかもしれない。