2010年11月16日

 

天地のあいだにほろと時雨かな     高濱虚子

 

(あめつちの あいだにほろと しぐれかな)

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虚子が捉えた時雨。

時雨の降りざまを詠みながら、その裏に人生を感じさせる

ところが虚子のすごさだ。

客観写生を説いた虚子だが、写生の奥にはいつも

深い意味が隠されている。

表面だけ味わっていては、虚子の本当のすごさはわからない。

俳句ですべてを捉えようとした稀有の一人だと思う。

俳句の歴史は「芭蕉の百年後に虚子という人がいました」

となる、と先日の句会で師が話していたが、本当にそうだろう。

芭蕉も虚子も他の俳人には無い、底知れぬ深さがある。

 

 


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