桔梗や男も汚れてはならず 石田波郷
(きちこうや おとこもけがれてはならず)
桔梗は秋の草花の代表的なものの一つ。
「ききょう」、または漢字を音読みして「きちこう」と読む。
青紫色で星形の凛とした花を咲かせる。
男も汚れてはいけない、と波郷は言う。
「汚れ」を「よごれ」と読むか「けがれ」と読むか。
鑑賞を書くにあたって読みを改めて考えてみたが、やはり自然と
そう読んでいるように「けがれ」とした。
「よごれ」では何だか文字通りそのままのような気がするからだ。
波郷はもっと精神的な清らかさを言っているのだろう。
どんな状況にあっても精神が荒んでしまってはいけない。
それは男も同じである、と。
「きちこう」という音の潔さが、心の気高さとよく響きあっている。