2010年10月 3日

 

露草も露のちからの花ひらく   飯田龍太

 

(つゆくさも つゆのちからの はなひらく)

 

しっとりと濡れているような瑠璃色の花をひらく露草。

朝の濡れた空気のなかで、その色はもっとも美しくかがやく。

徳富蘆花は露草の美しさを喩えて言う。

 

つゆ草を花と思ふは誤りである。

花では無い、あれは色に出た露の精である。

                     『みみずのたはごと』

 

露草というはかない名前をつけられたその花も、

露ほどのはかないちからで花を咲かせている。

「露のちから」とは、はかなさに秘められた強さだ。

 

そして、それは露草のいのちそのものを言いとめている。

 


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