2010年9月30日
草に音立てて雨来る秋燕 深見けん二
(くさにおと たててあめくる あきつばめ)
「秋燕」は帰るべくしてまだ残っている燕のこと。
秋は子育てを終えた燕が南へと帰っていく季節。
日本で越冬する燕もいるが、大方は秋分を過ぎた頃を境に姿が見えなくなる。
まだ空を飛び交っている燕に、折からの雨。
草を打って強く降りくる雨は、まるで燕の旅立ちを促がすかのようだ。
一段と深まる秋に、「寒くなる前に帰るんだよ」と燕を案じているこころを感じる。
季のうた | 一番上へ