イブの夜のイコンのごときカフェの窓 由季
2010年12月24日
2010年11月30日
2010年11月20日
2010年11月19日
俳諧の慾の飽くなき熊手買ふ 富安風生
(はいかいの よくのあくなき くまでかう)
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面白い句だ。
「俳諧の慾の飽くなき」と大きく出ながらも、
「熊手買ふ」がちょっと他力本願みたいに思えるからだ。
俳諧の慾は尽きることはない。
これでいいのだということは無いと風生はいう。
「俳諧の慾」とは自身の作品の深化も含めた広義の慾であろう。
「俳句」という呼び名が一般的になっていた風生の時代に
敢えて「俳諧」といっているところに、そんな風生の思いを感じる。
それでも、信心は大事。
酉の市で熊手を買って、縁起物の熊手で俳諧の福まで呼び込もう
と勢いこんでいる、そんな心の内まで見えてくるようだ。