2011年5月25日

 

はなびらの垂れて静かや花菖蒲     高浜虚子

 

(はなびらの たれてしずかや はなしょうぶ)

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一幅の日本画のように切り取られた花菖蒲の美しさ。

風もなく、静止したはなびらが虚空に浮かぶ。

花菖蒲はあやめやかきつばたに比べてはなびらが

大きいので、「垂れて」の一語が花菖蒲の存在感を表わしている。

 

一見見分けにくいあやめ、かきつばた、花菖蒲だが、花弁の元の

ところを見ると判別がつけやすい。あやめは綾目模様で、杜若は白、

花菖蒲は黄色。あやめだけが乾燥したところに咲く。

花の区別ならこれでつくのだが、紛らわしいのは作品の上での判別。

昔は「菖蒲」と書いて「あやめ」と読んでいたので、「あやめ」とあっても

詠まれている花が実際にはあやめなのか花菖蒲なのか、紛らわしいのだ。

「なつかしきあやめの水の行方かな  虚子」は咲いている場所から思うと

きっと花菖蒲の姿だろう。

 

 

 


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