2010年11月24日

 

いつの間に昼の月出て冬の空     内藤鳴雪

 

(いつのまに ひるのつきでて ふゆのそら)

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雲一つない冬の空に、うっすらとかかる昼の月。

「いつの間に」という表現が素直すぎて巧い句では

ないけれど、何だかとても共感できる句だ。

「いつの間に」には「もう昼の月が出ている!」というちょっとした

驚きがある。冬空の青を透かすようにかかる昼の月が儚くも綺麗だ。

内藤鳴雪は明治・大正時代の俳人。

昔の人という感じがしていたけれど、自分と同じところに目を留めて

それを素直に詠んでいる句を見て嬉しくなった。

鳴雪は飄逸恬淡な人柄で、とても愛された人らしい。

この句の衒いのなさにも、そんな人柄が感じられるようにも思う。

漢学を大原観山に学び、俳句はその娘の子、正岡子規に学んだ。

〈詩は祖父に俳句は孫に春の風〉。こんな句も残している。

 

 


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